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トップ  バックナンバー  2009年  5月  第8回 いつだって好奇心

いつだって好奇心
~水戸黄門 知られざる熱中人生~

●本放送 平成21年 5月27日(水) 22:00~22:43 総合 全国
●再放送 平成21年 6月 3日(水)
平成21年 6月 3日(水)
平成21年 8月19日(水)
平成21年 8月26日(水)
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 8:15~ 8:58
16:05~16:48
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BS2
総合
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全国
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※選挙関連放送のため、放送休止する地域があります。当日の新聞などでご確認ください。

出演:徳川光圀(青年期)役:柴崎辰治     徳川光圀(藩主以降)役:土方錦ノ助
    佐々介三郎(介さん)役:アンディ岸本  安積澹泊(格さん)役:多々納 斉

エピソード1  水戸黄門 ベストセラーを出す

「大日本史」茨城県立歴史館所蔵
鎌倉の名所旧跡をイラスト付きで紹介したガイドブック。歴史上の有名人のサインを集めた解説本など、光圀は生涯で90以上の本を手がけている。その原点は、光圀18歳の頃。古代中国の歴史書を読み感銘を受けた光圀は、不良少年と揶揄された生活を一変させ、歴史の奥深さに目覚める。やがて、日本史の総決算ともいうべき歴史書「大日本史」の編さんに取りかかる。光圀が手がけた様々な本は、「大日本史」編さんのため日本中で収集した資料をもとに作られたのだ。それは、自分で集めた知識を人に広め教えたいという、好奇心旺盛な素顔が現れた出版事業だった。
 

エピソード2  楽あれば苦もあり 介(すけ)さんの旅

水戸黄門の諸国漫遊。そのお供で有名な助さんのモデルと言われる人物、佐々介三郎。介さんは、現実には漫遊していない光圀に代わり、「大日本史」編さんのため、日本各地で歴史資料の収集に駆け回っていた。京都大学文学部に残る介さんの手紙には、東大寺や高野山など名だたる寺社仏閣を次々と巡り、お寺の関係者も知らなかった新史料を発見したという報告や、長旅への不安を洩らす言葉が綴られている。介さんの波瀾万丈の旅を辿る。
「佐々介三郎の手紙」京都大学文学部所蔵
 

エピソード3  水戸黄門 未来への遺産

「那須国造碑」笠石神社所蔵
自ら調べたことを後世に残そうという光圀の思いは、現代でも貴重な国宝の発見・保護にまで発展する。それが、栃木県大田原市の神社に今も保存される石碑、国宝「那須(なすの)国造(くにのみやつこの)碑(ひ)」。光圀は、石碑が飛鳥時代のものであることを突き止めると、その石碑に記された人物の手がかりを探ろうと、古墳の発掘にまで乗り出す。さらに、これら貴重な遺物を後世に残すため、保存作業まで手がけたのだ。こうした後世への心配りは、「大日本史」編さんにも現れていた。光圀は晩年、安易な執筆を戒める、厳しい「大日本史」の編さん方針を掲げる。それは、完成が遅れても、後世に役立つ歴史書にしたいという光圀ならではの信念だった。
 

参考文献

『水戸義公傳記逸話集』常磐神社 水戸史學會編著(吉川弘文館)
『徳川光圀』鈴木暎一著 (吉川弘文館)
『水戸の光圀』瀬谷義彦著(茨城新聞社)
『水戸黄門 江戸のマルチ人間・徳川光圀』鈴木一夫著(中央公論新社)
『助さん・佐々介三郎の旅人生』但野正弘著(錦正社)
『侍塚古墳と那須国造碑』眞保昌弘著 (同成社)

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