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トップ  バックナンバー  2021年  2月  第415回 1300年 奇跡のリレー 国宝 聖林寺十一面観音

1300年 奇跡のリレー 国宝 聖林寺十一面観音

●本放送 令和3年 2月10日(水) 22:30~23:15 総合 全国
※放送予定は変更されることがあります。地域によっては放送の有無もあります。当日の新聞・最寄りのNHKのHPなどでご確認下さい。

出演:はな(聖林寺、東京藝大をたずねる人)

エピソード1 極上の美の秘密

国宝 聖林寺十一面観音菩薩立像
奈良時代の仏像の傑作、聖林寺の十一面観音像は、見る者に「近づいてくる」ように感じられるのだとか。その謎を東京藝術大学で作られた、古代と同じ材料・技法での複製「模刻」によって探ると……当時の仏師たちの高度な技、救いの力を宿らせようという熱意が見えてきました。
 

エピソード2 “あらゆる人々を救いたい”

1300年前に作られた十一面観音ですが、もともとは聖林寺ではなく大御輪寺というお寺の本尊でした。大御輪寺の場所は古代、「はやり病をしずめる」霊域と信じられた地の一角。「十一面観音」が安置する仏像として選ばれた理由も、当時人々をたいへん苦しめた疫病の流行にあったのです。
「疫病をしずめる」奈良・三輪山のふもとに大御輪寺があった
 

エピソード3 こうして生まれた“国の宝”

フェノロサが聖林寺に贈った観音像をおさめる厨子(ずし)
明治の「神仏分離令」で危機に陥った日本の仏像を守ったのは、アメリカ人のアーネスト・フェノロサでした。聖林寺での十一面観音像との偶然の出会い、「国宝」の創設につながっていくフェノロサの日本美術保護への情熱と運動――十一面観音と日本の文化のターニングポイントを紹介します。
 

参考文献

『壊れた仏像の声を聴く』(籔内佐斗司 角川選書)
『日本書紀 全現代語訳』(宇治谷 孟 講談社学術文庫)
『続日本紀 全現代語訳』(宇治谷 孟 講談社学術文庫)
『フェノロサ』上・下 (山口静一 三省堂)

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