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隠された震災 昭和東南海地震
●本放送 | 令和2年 3月11日(水) | 22:30~23:20 | 総合 | 全国 |
※放送予定は変更されることがあります。地域によっては放送の有無もあります。 当日の新聞・最寄りのNHKのHPなどでご確認下さい。 |
出演:岡田 資中将 役:八田浩司 |
エピソード1 1年前 それは始まっていた
![]() 鳥取地震では現代と同様の報道だった
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太平洋戦争さなかの1943(昭和18)年9月に発生した鳥取地震。被害は新聞などで報道され、義援金も全国から集まりました。直後の帝国議会では復興に関する質問がおこなわれますが、時の内閣総理大臣 東条英機がそれをさえぎります。地震被害を隠す――そのきざしは、この時からありました。
エピソード2 その日 すべてが隠された
1944(昭和19)年12月7日。巨大地震の「昭和東南海地震」が中部地方を中心とする地域を襲いました。一般市民はもちろん軍需工場でも多数の被害が。しかし、発生後ただちに内務省が報道各社へ「報道はしないこと」と通達します。翌日の新聞で、地震関連の記事はほぼ0。震災は隠されたのです。

昭和東南海地震で倒壊した工場
エピソード3 その後 悲劇は終わらない
![]() 三河地震で出現した活断層 撮影:宮村攝三
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昭和東南海地震のおよそ1か月後、傷あとも生々しい中部地方で「三河地震」が発生、前の地震を超える2千人余が亡くなります。東南海地震のほとんどが隠され、被災後の適切な対応もとられないところへ再度の地震。壊れた家を修理できないまま住み、圧死するなど悲劇は重なっていきました。
参考文献
『昭和19年 東南海地震』(武村雅之ほか 名古屋大学減災連携研究センター)
『1944東南海・1945三河地震 報告書』(中央防災会議)
『戦争に隠された「震度7」』(木村玲欧 吉川弘文館)
『三河地震 60年目の真実』(林 能成ほか 中日新聞社)
『災害・環境から戦争を読む』(土田宏成ほか 山川出版社)