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トップ  バックナンバー  2020年  5月  第386回 富山の薬売り 知恵とまごころの商売道

富山の薬売り 知恵とまごころの商売道

●本放送 令和2年 5月27日(水) 22:30~23:15 総合 全国
※放送予定は変更されることがあります。地域によっては放送の有無もあります。当日の新聞・最寄りのNHKのHPなどでご確認下さい。

出演:前田正甫 役:矢口恭平/金盛五兵衛 役:マエチャン

エピソード1 なぜ富山に薬?

富山の薬は「お殿様の趣味」から!?
江戸時代、大雪、雪どけによる洪水、火災の多発などに悩まされてきた富山藩。殿様である前田正甫(まさとし)は藩繁栄のために、収集していた反魂丹などの「薬」を全国へ売り出そうとします。富山の地を苦しめた雪どけ水も薬作りには好条件。ピンチをチャンスに変える富山の挑戦が始まりました。
 

エピソード2 サービスとまごころの薬売り

いざ商売に出た富山の薬売りたちですが、当時高級品だった薬はなかなか売れず。そこで絞った知恵が「先用後利(せんようこうり)」。まず薬をお客さんの家に置かせてもらい使った分だけ後払いでいただく。今も続く「富山の薬売り」商法です。それにきめ細かな顧客サービスもプラス。販路は日本中へ!
「富山の薬売り」は江戸時代の富山の人々の工夫で誕生した
 

エピソード3 歴史を動かした先用後利

薩摩藩・島津久光から富山の薬売りへ贈られた太刀
時は幕末。九州・薩摩が担当区域の薬売りたちは、薩摩藩から営業権の代わりに幕府の目をぬすんでの「昆布」輸送を依頼されます。富山の薬売りたちはこの危険な注文を、遠い薩摩で薬を待つ顧客のため決意、実施します。それらの昆布は交易で薩摩藩に巨利をもたらし、倒幕維新の原動力となったのです。
 

参考文献

『行商圏と領域経済』(植村元覚 ミネルヴァ書房)※絶版
『反魂丹の文化史』(玉川信明 社会評論社)
『富山県薬業史』(富山県)
『昆布ロードと越中』(北日本新聞社)
『海洋国家 薩摩』(徳永和喜 南方新社)

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