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メディアの動き 2023年12月14日 (木)

【メディアの動き】総務省,NHKネット活用業務の競争評価の枠組みを検討する準備会合開始

 総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の「公共放送ワーキンググループ」では,2023年10月に取りまとめが公表され,NHKのインターネット活用業務を必須業務化する方向性が示された。そして必須業務化する場合は,新聞や民放等との公正な競争環境の確保が必要とされた。

 この取りまとめを受け,総務省では11月20日,ネット活用業務の競争評価の枠組みを円滑に機能させるため,NHKおよび民間事業者等の関係者が議論する準備会合が始まった。

 初回会合では事務局から,競争評価プロセスの基本イメージが示された。①NHKが原案を策定,②総務省に提出,③総務省が設けた検証会議(仮)で検証,④結果を電波監理審議会に諮問,⑤総務省へ答申,⑥総務大臣がNHK予算に意見を付して国会に提出,⑦予算審議を通じ原案の適否を判断,⑧総務省が必要に応じてNHKを行政指導,となる。③の検証会議(仮)のメンバーとしては,有識者のほか,民放,新聞社,通信社等の競合事業者があげられた。

 また,NHKが内部で検討する論点としては,競争評価に関わる考え方や手法,プロセスのあり方等があげられた。会合の検討項目としては,ネット活用業務の具体的な範囲や条件に関わる基本的な考え方等があげられた。

 議論では「NHKが考える公共性や公共的価値を提示してほしい」「ネット活用業務の費用について関連会社との関係を透明化すべき」といった意見が出された。12月の会合でNHKの報告が予定されている。