2016年12月

2016年12月27日 (火)

今年もありがとうございました。

「新日本風土記」事務局スタッフです。

12月も残すところあとわずか。2016年が終わろうとしています。「新日本風土記」はすでに今年の放送を終え、「もういちど、日本」は30日まで放送します。

今年は皆さまにとって、どのような1年でしたでしょうか。実は私たちプロジェクトのスタッフは、今年をゆっくり振り返る間も忘年する間もなく、新年早々に放送する番組の制作に追われています。トップページにもご紹介している番組です。

1月3日(火)18:05~18:48(総合)
新日本風土記スペシャル
「神を守り 人が集う ~ユネスコ無形文化遺産 山・ほこ・屋台行事~」

11月末、ユネスコの無形文化遺産に「山・ほこ・屋台」を巡行させる18府県・33の行事が登録されました。「新日本風土記」では、こうした貴重な日本独特の行事や習わしを6年間にわたり記録してきており、今回の番組は、それらの貴重な映像を中心にしながら、全国のNHKや自治体の協力も得て33すべての行事をご紹介するというものです。

お正月にふさわしく、豪華で熱気にあふれる祭りや行事の映像を楽しんでいただける番組にしたいとスタッフ一同、年末年始休まず頑張っておりますので、ぜひぜひご覧ください!

今年1年、「新日本風土記」「もういちど、日本」をご覧いただき、本当にありがとうございました。来年も日本各地に残る貴重な風土や習わし、ひとびとの暮らしを皆さまに魅力的にお伝えしてゆけるよう、スタッフみんなでがんばります! 皆さま、どうぞ良いお年を。

投稿時間:11:00 | カテゴリ:事務局便り | 固定リンク


2016年12月20日 (火)

花園神社界隈のさらなるお楽しみ

「新宿 花園神社界隈」を担当しました田代と申します。7月からおよそ4か月の取材期間中、特に、7月には花園神社の顔と言われた片山文彦宮司の予期せぬご逝去があり、大変な状況が続く中、社務所のスタッフの皆様には常に明るく撮影クルーを迎えていただきました。その懐の深さに心からお礼申し上げます。

1CIMG1460_80.jpgさて、取材の準備を始めたころ、初めて花園神社に伺って、驚いたのは、ビル街の真ん中にあるという事実。靖国通り側のビルに挟まれた小さな鳥居を入ると、突然異次元のような静寂が広がります。30メートルほどの木立の回廊を抜けると、忽然と姿を現す朱塗りの拝殿。一瞬、そのミスマッチに我を忘れてしまいました。取材を進めながら、参拝の人に伺うと、やはりこのミスマッチが魅力なのだという人が多くいました。遠くのマンションの屋上からビル街の中にたたずんでいる拝殿を撮影したりしていると、何か無性にいろいろなことが思い浮かんできました。なぜここに、花園神社だけが残ったんだろう、、、、。

というのも、新宿は昭和30年代から街並みの再開発をとめどなく行ってきました。その結果、街は常にその姿を変えてきたからです。今回その秘密に迫りたいと思ったのも、この番組の取材を進めるテーマの一つでした。完成した番組から少しでもそれが伝わることを願っております。

さて、ここからは、番組からこぼれてしまった、花園神社とその界隈の楽しみを紹介します。

まず、花園神社の境内で毎週日曜日に行われている、骨董市。通称ガラクタ市。古い漫画本、怪しげな陶器や装飾品が所狭しと並びます。知る人ぞ知る日曜日の花園神社の名物です。散歩コースに立ち寄る人も多く、骨董品を売る露店は20店ほど。マニアの皆さんによると時々うれしい発見があるそうです。骨董市の開催は、朝9時30ごろから夕方4時ごろまで。

2CIMG1464_60.jpg日曜の昼下がり、花園神社の骨董市をまわったら、一寸足を延ばしたいのが、境内のおひざ元のゴールデン街。270軒の飲み屋がひしめく一角。通常営業は夜7時頃から深夜2時頃まで。しかし日曜日の昼間、なぜかやっている店が多くあります。その多くは、前夜からの流れで閉店せずやっている店です。悪ふざけをする店はほとんどありませんが夜通し飲んでる熱気がすごいです。各店とも、初めてのお客さんにはちゃんと料金等の案内をしてくれます。日曜の昼間、デープな人々と一杯なんていかがでしょう。ただし、どこの店がやっているかはその日次第、運まかせですが。

3CIMG1456_80.jpgゴールデン街で一杯飲んだら、ほろ酔い気分で足を延ばしたいのが新宿御苑です。新宿に宿場が開かれる前から徳川家康の信頼を得た信州高遠藩の内藤家がお屋敷にしていたといわれるこの庭園、現在は環境省が管理しています。イギリス、フランスそして日本庭園は手入れが行き届き、喧騒がやまない新宿で意外な静寂と安らぎを体験できると思います。入場料200円というのもうれしいですね。家族でもカップルでもゆっくりとくつろげる大都会のオアシスです。

4CIMG1477_65.jpg

投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2016年12月13日 (火)

渡し舟、出会いと発見の小さな旅。

「渡し舟」を担当しましたドキュメンタリージャパンの米澤です。

皆さんは渡し舟に乗ったことがありますか。私は今回の取材で初めて乗りました。渡し舟、オススメです!! 懐かしい艪の音や、ゆっくり変わる景色、舟の上での何気ない会話etc…挙げていけばキリがありません。中でも、私が一番感動したのは、舟から見る水面です。美しくて言葉を失います。本当にずーっと見ていられますよ!

yagirikodomo.jpgこの距離から川を眺めることができるのは、渡し舟だけの特権ではないでしょうか。

さて、舟に乗りに行くのも良いですが、5分ぐらいで渡りきってしまいます。舟のついでに、別の目的もあったほうが楽しいです。ということで、渡し場の周辺で見つけたおすすめスポットをご紹介します。

まずは、福島県の奥会津にある沼沢湖です。

numazawako.jpg大蛇が美女に化け、人々を惑わせて襲った、という伝説が残っている湖です。近くには大蛇の首を祀ったとされる沼御前神社がひっそりと佇んでいます。非常に静かな場所で、取材で行った時は誰にも会わず、実にスピリチュアルな空間でした。都会の喧騒から抜け出して、時が止まったようなひとときを過ごしたい、そんな方にオススメです。でも、湖畔で美女に出会ったら、ご注意下さい!(笑)

続いては、東京都葛飾区柴又から矢切の渡しで渡った先に広がるネギ畑。

yagirinegi.jpgkondousan.jpg松戸市の特産品「矢切ネギ」を見せてくださったのは矢切農家の近藤さん。このネギ、普通のネギに比べて断然太くて、甘みがあるそうです。これからのシーズン、鍋にもってこいですね。

nogikunohaka.jpgそして、近藤さんオススメの矢切を一望できる場所。有名な小説「野菊の墓」の文学碑がある公園で、夕日がとっても綺麗です。東京の夜景も楽しむことが出来ます。

namisan.jpg最後にひとつ、舟の中にあるオススメポイント。

山形県最上川にある仙人堂の渡しのガイド・鈴木なみさんの舟歌です。

「ハァ ヤッショーマカショ シャンシャンシャン ソレ 花のやま〜がた 紅葉の天童 雪を チョイチョイ 眺むる尾花沢 ハァ ヤッショーマカショ シャンシャンシャン」(花笠音頭)

最上川の急流の音に調和して響く歌声は、短い船旅に、郷土の味わいを添えてくれます。

渡し舟を巡る旅は、出会いや発見の連続です。皆さんもぜひ一度、渡し舟に乗ってみてはいかがでしょうか。

投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2016年12月06日 (火)

湯布院のディープな温泉。

「湯布院」回を担当しました財津と申します。番組でも触れましたが、今年の春に起きた熊本地震では湯布院も建物や道路、農地などにたくさんの被害がありました。取材中、復旧工事を行う様子をあちこちで見かけました。そんな状況の中、快く取材を受けてくださった湯布院の皆さんに改めて感謝申し上げます。

さて、ここからはもっとディープな湯布院をご紹介します。湯布院といえば全国2位の源泉数と湧出量を誇る温泉が一番のウリですが、中にはこんな個性的ところもあるんです。

その一つがこちら、塚原温泉。1軒の立ち寄り湯が営業しています。
活火山の伽藍(がらん)岳という山の麓にあるこの温泉。特徴はその泉質。

yufuin1.jpg「酸性-含硫黄・鉄・アルミニウム-カルシウム-硫酸塩泉」というめまいがするような名前。pHは1.4という全国屈指の酸性度の高さです。実はあまりに酸性が強過ぎて、ここでは石鹸が泡立たないと張り紙がされてあるほど。

yufuin2.jpgそれだけに効果はてきめんで、アトピーなど、肌の疾患に効果があると言われています。
常連の人は、しばらくお湯に浸かり、浴槽からあがって体を乾かし、また入るということを繰り返します。そうすると温泉の成分が体内に入りやすくなるそうで、1時間近くお風呂にいる人も少なくありません。

yufuin3.jpgさて、お風呂から上がったら名物の「蒸し卵」はいかがでしょうか。火口近くの噴気に約20時間かけた卵の味は、不思議なこくがあって美味しい!
取材中何度も買ってしまいました。(6個入り500円)
また、噴気がもうもうと立ち込める火口へは近くまで歩いて見学に行くことが出来るので、興味のある方はぜひ!温泉から歩いて10分くらいです。

yufuin4.jpg
そしてもう一つおすすめなのが地元の人が運営する共同温泉です。湯布院ではだいたいどの地区にもあってその数、実に14か所。中には来訪者が入浴できるところもあります。

yufuin5.jpgその一つが、町の中心部から少し離れた「石武(いしたけ)温泉」です。
200円を料金箱の中に入れて、風呂場へ入ると大きな湯船が待っています。
備え付けの石鹸やシャンプーはないので、持参していかなければいけませんが、
クセがなく肌に優しいお湯を存分に楽しむことが出来ます。

yufuin6.jpg実はこの温泉、先の地震でポンプが壊れてしまい、しばらく営業できずにいました。お風呂に通っていた人も困っていたのですが、9月にようやく営業再開。そのときに少し外装などもリニューアルして、地区のお風呂が戻ってきました。

yufuin7.jpg夕方は特に地元の人たちがやってきます。見知らぬ顔だと「あんたどこから来たんかえ」と声をかける人もいるかもしれません。おしゃべりが弾めば湯布院の穴場も教えてくれるかもしれませんよ。

ちなみにこの温泉の隣にはこのような洗濯場があります。

yufuin8.jpg地面に洗濯板のようなぎざぎざが埋め込まれていて、温泉のお湯を使って(真ん中の蛇口から温泉が出る)洗い物をすることもあるのだそうです。そしてもうひとつ豪快な話も。
寒い時期の飲み会では、真ん中の浴槽に一升瓶をつけて「燗(かん)」にするとか。

知れば知るほど温泉天国の湯布院、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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