2016年11月

2016年11月29日 (火)

11月ももう終わり。

「新日本風土記」事務局スタッフです。

めっきり寒くなってきましたね。風が冷たくて自転車の保育園送り迎えのとき涙が止まらず、しんどい今日この頃です。皆さんは風邪などひいておられませんか。気候の変化だけでなく、11月22日には東北で地震と津波がありましたね。東京もだいぶ揺れました。怖い思いをされた方も多いと思います。

私は震災後の東北に長くいたため、被災地の皆さんの心身を非常に心配しました。今回の地震と津波の後、PTSDに悩まされる人が少なくないと現地の関係者から聞いています。津波警報のサイレンがずっと鳴り続けたことで、5年前の震災と津波を思い出し、動悸や不安感、不眠などの症状が出ているという方もいるそうです。仮設住宅で今も暮らしている方はいろんな意味でつらい心情かと思います。なかなか穏やかに過ごせる日が戻りませんが、心からお見舞いを申し上げます。

さて、今週からはまたこだわりの新作が続きます。「湯布院」「新宿」「丹後」など地域を舞台にした回や、「渡し船」「豆腐」といった全国を舞台にひとつのテーマから物語を紡いでゆく回など、力作揃いです。長い冬の夜、ぜひ美しい映像と味わい深いひとびとの物語にゆっくりひたってください。

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2016年11月22日 (火)

世界中の人々を魅了する街・飛騨高山

岐阜「飛騨高山」を担当した岩見です。8月中旬から高山祭まで2か月間の取材で、名刺交換をした人数は79人。取材や撮影にご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

さて、ここからは「旅のとっておき」を紹介します。

takayamatrain.jpgまず、取材の度にお世話になったのが高山本線です。この写真からはまったく想像できませんが、車内は外国人でいっぱいです!高山は、高山自体が観光名所であるだけでなく、北アルプスや白川郷など他の観光名所への拠点でもあります。車内でお弁当を食べながら、外国人に話かけたり、話かけられたり・・・。一興です。

 

sugidama.jpg高山の古い町並みを歩いているとよく目にするのが、この「杉玉」です。造り酒屋の象徴で、新酒ができたことを知らせる役割を担ってきた杉玉。高山には7軒の造り酒屋があり、ほとんどが江戸時代から続く老舗です。山で育まれた良質な水と美味しいお米で造られた高山の日本酒。ほとんどのお店は朝から営業中で、利き酒セットもありますよ!

 

yoshijimatei.jpgこちらは番組でも紹介した「吉島家住宅」。吉島家に隣接する「日下部民芸館」も立派な町家で、いずれも一般公開されています。明治建築の民家としては、初めて国の重要文化財に指定された2軒です。ユニークなのは、両家の当主が、無類の「酒と音楽」好きなこと。吉島家では常にジャズが流れており、日下部家はよくライブ会場に様変わりします!運が良ければライブに遭遇することができるかも!?

 

shishi.jpg祭りの2ヶ月前、櫻山八幡宮の境内では、たくさんの子ども達が「獅子舞」や「太々だいだい神楽」、「闘鶏楽」の練習を始めます。また、街のあちこちでも「屋台囃子」の練習が始まります。毎晩のようにその音色が街中に響き渡ります。祭りに向けて盛り上がっていく子どもたちの気持ちが、音楽にのって伝わってくる秋の夜長です。

 

ashiato.jpg高山祭の翌朝、静まり返った街の表参道の様子。地面に白く刻まれているのは「屋台のあしあと」です。今月、高山祭はユネスコの無形文化遺産に登録される見通しです。2017年4月29日、その奉祝行事が高山で行われます。街を彩るのは、春と秋の高山祭のすべての屋台23台。夜祭りでは、300年の歴史の中で初めて23台が一堂に会すそうです。お見逃しなく。

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2016年11月15日 (火)

十勝のお勧めスポット!

 北海道「十勝」の回を担当しました、吉村と申します。
 今回の番組は、農業王国十勝の春から秋までを見つめるという趣旨で始まったものだったのですが、夏、予想だにしなかった台風が4度も襲いました。十勝では、農業被害をはじめ鉄道や道路も寸断し、復旧までには数年かかると見られています。
 そんな大変な時期にも関わらず、取材や撮影に協力して下さった皆さん、本当にありがとうございました。もとの十勝に1日でも早く戻ることを、心からお祈りしております。

tokachiheiya2.jpg さて、ここからは番組でご紹介しきれなかった十勝のお勧めスポットをいくつか。
 まずは、JR帯広駅を降りて徒歩5分ほどの場所にある「北の屋台」。全国の屋台村ブームの先駆けと言われるこの場所は、地元の有志たちが、さびれゆく町を自分たちの力で盛り返そうと作り上げた場所です。料理も、十勝のものを食べてもらおうと、地元産にこだわっているところが多く、和食、中華、洋食と様々なジャンルの十勝の料理が食べられます。私も取材中よく1人で通って、お世話になりました。20軒あるので、日替わりで通うのもいいかもしれません。

kitanoyatai4.jpgkitanoyatai.jpg 続いて、こちらは世界で唯一のばんえい競馬。
ばん馬と呼ばれる大きな馬が、1トンもの重りを引っ張って走る姿は圧巻です。また“世界一遅い競馬”とも言われていて、一緒に並走できるくらいのスピードなので、レースが始まるとお客さん達が走りながら馬を応援しています。
バックヤードツアーも行われていて、競馬場に隣接された厩舎村(ばん馬の騎手や調教師が住みこみで馬の世話をしている村)の見学も行われています。
世界中で、ここでしか楽しめない競馬。是非足を運んでみてください!

banei.jpg そして、知られざる十勝の魅力は空にも。
 実は、十勝にある上士幌町は日本で初めて熱気球の大会が行われた熱気球の町。毎年、8月と2月に熱気球の大会が行われます。大会中には一般の方も気球に乗れる搭乗体験も行っていますので、気軽に気球に乗ることができますよ。
また、上士幌町の高校には熱気球部もあって、操縦免許の取得に向けて高校生たちが一生懸命練習しています。さらに町では、「熱気球出張係留プラン」というふるさと納税まで…(納税者の所まで熱気球を飛ばしに来てくれます。北海道内50万円、北海道外100万円。)一生に一度の思い出に?

kikyuu.jpgkikyuu3.jpg 最後は、アキアジ釣りについて。
 アキアジとは秋に産卵のため遡上してくるサケのこと。秋(アキ)秋(アキ)の味(アジ)味(アジ)だから、アキアジと呼ばれているようです。8月中旬から10月の上旬まで豊頃町にある大津海岸にはびっしりと釣り人達が並んでいます。中には、1日42匹釣ったツワモノも。
 さらに、9キロの大物も釣れるんだそうですよ。中に入っているイクラも絶品です♪

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2016年11月08日 (火)

蕎麦三昧

「蕎麦」を担当した伊勢と申します。

夏から秋にかけて、ずっと蕎麦を食べていました。番組でも色んな蕎麦が出てきますが、撮影させて頂いた上に、おいしいお蕎麦もご馳走になる、というありがたい取材でした。関係者の皆さま、本当にありがとうございます。

蕎麦は75日で成長するだけに、短期間に各地を飛び回って撮影したのですが、そのこぼれ話を幾つか・・・

horomin.jpg北海道雨竜郡幌加内町のマスコットキャラクター「ほろみん」です。頭はもちろん蕎麦の実、かわゆいです。
ここは町をあげて蕎麦に力を入れていて、地元の幌加内高校には蕎麦の授業があるほど。冒頭で「新そば祭り」がありましたが、全国各地のご当地蕎麦が並ぶなか、一番人気は幌加内高校の店舗でした。高校生の蕎麦打ちの技は必見ですよ。幌加内の新そば祭りは毎年9月の第1週の土日です。興味のある方は是非。二度目の雪が降る夏(7月後半~8月前半)もオススメです。

3_toujisoba.jpg思い出深い撮影地というと、やはり長野県松本市奈川でしょうか。種まきが終わる頃に滑り込みで撮影を始めて、花、収穫、新蕎麦を食べるところまで撮影しました。東京から車で行って、蕎麦を食べて(撮影して)、帰ってくるという日帰りロケを何度繰り返したことか。奈川に行く度に私が食べたのは「とうじそば」。お店や各家庭によっても、味が違うのですが、とっても美味しいです。特に冬の寒い時はたまらない、と思います。そして、蕎麦を食べた後の「おじや」が、これまた絶品。もし奈川に行った際は是非、ご賞味ください。

tobishima.jpg日本海に浮かぶ島・飛島。酒田港からフェリーで1時間15分、山形県唯一の有人島です。
160年ぶりに蘇った天保蕎麦の種は、実はこの飛島で育てられています。昆虫を介して、受粉する「蕎麦」。飛島では他に蕎麦を育てていないため、他の品種と交配することがありません。だから天保蕎麦は江戸時代のままの状態で種を残すことができているんです。

sobanotane.jpgこれが天保蕎麦の種です。よく見ると、形も小さかったり、大きかったり、色も黒や茶色と、バラバラなのがわかります。しかも、黒い種から黒い種ができるのではなく、一つの種からこうしたバラバラな種ができるのだとか。不思議ですよね。

oishisounasoba.jpgoishisounasoba2.jpg美味しい蕎麦って何だろう。私も蕎麦は好きで普段からよく食べるのですが、何が好きなのか、と問われると困ってしまいます。でも今回の取材を通して、自分にとっての答えが一つ。蕎麦を食べると、何かスッキリするんです。喉越しとも違うのですが、食べた後、口の中がスッキリする・・・気がする。 私だけでしょうか?「そんなんじゃ、蕎麦っ食いとは言えねぇな」という声が聞こえてきそうです。

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2016年11月01日 (火)

知る人ぞ知る!瀬戸の島の人気スポット「志々島」

はじめまして。「瀬戸の島々」を担当しました、高松放送局の山下です。今回は、移動がとにかく大変で、取材以外にも、機材の運搬を手伝っていただいたり、食事を用意して頂いたりと、島のみなさんにご協力頂きました。番組にご協力して下さった全ての皆様に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

私が初めて島に取材に行った時に、驚いたのは島の人たちの生き生きとした姿でした。言ってみれば、“何もない島”で、人生を楽しむように生きる島の人たち。その姿を伝えたいと思い続けてつくった番組でした。見て頂いた人に、「ああ、島の暮らしっていいな」と少しでも羨ましく思って頂けたら嬉しいです。

ここでは、番組ではお伝えできなかったけれど、私の大好きな島を紹介します。
番組で紹介した粟島のお隣にある、「志々島」(ししじま)です。

shishijima.jpg人口20人足らずの、この島には、知る人ぞ知る観光スポットがあるんです。
それが、こちら!

ookusu.jpg大きさが写真で伝わるか心配ですが・・・・樹齢1200年以上と言われるクスノキです。地元の人にはオオクスと呼ばれています。幹周りは12m、高さ40mの巨木で、香川県の天然記念物にも指定されています。あまりの大きさと生命力に圧倒されること間違いなし!このクスノキ見たさに、最近では関西や東京から訪れる人もいるそうです。

このオオクスに行く途中にあるのが、蚊取り線香のお接待です。

katori.jpg島の最高齢、92歳の上田富子さんが用意してくれています。線香の火の着け方から、島の日常生活まで、いろんなことを教えてくれます。
このちょっとした気遣いに、思わずあったかい気持ちになります。

tomiko.jpg

さらに、「志々島」には、こんなマスコットキャラもいます。

yagi.jpg島に移住してきた人たちで飼い始めたヤギです。荒れてしまった畑の雑草を食べさせる目的で飼い始めたそうですが、現在は観光客のアイドル的存在になっています。

そして、「志々島」にはこんなグルメも!

chagayu.jpg米が作れない島で、貴重なお米を食いつないでいくために生まれた「茶がゆ」です。かつて香川の多くの島で、白米の代わりに食べられていたもので、今でも島の人たちのソウルフードになっています。高知県の高級茶「碁石茶」を使っていて、食欲がない日でも、さらさらと食べられますよ!

お店も、車も、自動販売機もない島ですが、きっと懐かしくて温かい気持ちになりますよ。みなさんもぜひ「志々島」に遊びに行って下さい!

最後に、今回、瀬戸の島々を取材するなかで、私は何度も「豊かさ」ってなんだろうと思い直す場面がありました。

島の人たちの暮らしは、ほとんどが時給自足です。日用品やお肉なんかは買いに行きますが、自分で野菜を育てて、魚を釣って、生活しています。服も自分でつくる人もいますし、家も自分たちでつくる島の人もいます。だから、お金を1円も使わない日があるんです。当たり前といえば当たり前ですけど、自分の生活を考えた時に1日に1円も使わなかった日って……皆さんはありますか?

本来、生きていくためには、食べていければいいわけで、自給自足の生活は、そのまま、生きることに直結していると思います。一方、現代の人の生活は……満員電車に揺られ、会社に通って(上司に怒られて)ようやく給料がもらえて、スーパーで買い物して、ごはんを食べる……私も含め、現代人の生き方って、とても遠回りしてる気がしました。
野菜を育てたり、魚を取りに行ったり、そんな日々の仕事が直接、自分が食べていく、生きていくことに繋がるからこそ、島の人たちは1日1日に生きていることを実感できているんだと、私は感じました。

長々と書いてしまいましたが・・・、何が言いたいかというと、ありきたりな言葉ですが、「豊かさ」はお金だけじゃないということです。今回取材するなかで、私は、自分の価値観をボッコボコに壊された気がしました。

日常生活に疲れたとき、自分の人生を考え直したいとき、瀬戸の島々を訪れれば、生き方のヒントがあるかもしれません!

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