2016年5月

2016年05月31日 (火)

元気をもらえる、すすきの

「すすきの」の回を担当しました札幌局の平山です。

北日本最大の歓楽街「すすきの」。北海道に来たことがない人でも、ご存じの方は多いのではないでしょうか。しかし、取材を始めてみて驚いたのですが、実は正式な地名としては、「すすきの」という場所は存在しないんだとか。一口に「すすきの」と言っても、区画も定かではないため、人によってイメージするエリアも微妙に違う。名称も、「すすきの」もあれば、「ススキノ」もあるし、「薄野すすきの」という表記もある。まぁ、この街を訪れる人の多くは、飲んで食べて遊ぶことが目的なわけですから、そんな細かいことはどうでもいいのかも知れませんね。

さて飲んで遊べる場所として、ご紹介したいのは、いまではすすきのに一軒しかなくなってしまった「ナイトクラブ」です。ここは、お酒や食事を楽しめることはもちろん、生バンドの演奏を聴いたり、一緒に踊ったりすることもできます。60年代、70年代の名曲から、最近のディスコミュージックまで楽しめるとあって、週末には北海道全土から老若男女が大集合。多いときには、200人もの人々で賑わいます。

susukino1.jpg放送ではご紹介しきれなかったのですが、すすきのは「歌の街」でもありまして、かつてこうした場所で歌っていた人々が、次々と東京でレコードデビューを果たしていきました。細川たかしさん、DEENのボーカル池森さんなども、この写真の店のステージで腕を磨き、夢を叶えていきました。

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現在、店の専属歌手を務めるのは、ノリさん(上写真の1番左)。すすきので歌い続けて30年、東京デビューの誘いも蹴って、この街のステージにこだわり続けてきました。いまでもその日その日の客層に合わせて、即興で歌を歌い分け、訪れる人々の心を掴み続けています。

私も取材中、ノリさんのステージに癒やされ、明日への元気をもらってきました。皆さんも、きっと心が軽くなると思いますので、是非訪れてみてください。

 

 

 

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2016年05月24日 (火)

楽しい高尾山

はじめまして。「山ものがたり」を担当したスタッフの藤本と申します。

沢山の山が登場した回でしたが、私が撮影のために足繁く通ったのは、高尾山です。高尾山のことを、心から愛している沢山の方にお世話になりました。とても感謝しています。そして、みなさんの気持ちが伝染して、私も高尾山が大好きになりました。

平日の朝、新宿駅の雑踏を人の流れに逆らうように京王線のホームに向かい、特急に乗ると、50分で高尾山口駅に着きました。あっという間に別世界です!時間の流れが全く違う感じでしょうか。ちょうど桜の季節で、散歩がてら登るにはもってこい!といっても、ケーブルカーで登ったんですが…。

このケーブル、乗って驚いたのは傾斜!すごい斜めっぷり。なんでも、ケーブルカーとしては、日本一の角度なんだとか。なんでそんなに急傾斜を登れるのかと思ったら、すごい構造でした。二台の車両が一本のワイヤーでつながってるんです。一台が上がると、もう一台は下がる。ちょうど真ん中で、すれ違う仕組み。自走式じゃなくて、ひっぱる式だから、急傾斜でも上がれるんですね。写真の線路の間にワイヤーが通っているの、分かります?

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    (写真:ケーブルカーがすれ違うところ。1本でつながっているから、同じ地点ですれ違う)

ケーブルカーが到着するのが、山上の高尾山駅です。駅を降りてすぐに、お土産屋さんやビヤガーデン!えええっ!ビヤマウントというそうですが、これは6月15日からで、それまではレストランです。それでも、いい景色見ながらビール飲めるのがいい!ちょっとのぞいてみたら、秋葉原にある会社の方たちが20人ほどの団体でワイワイ。なんでも、3ヶ月に一度は職場の仲間で高尾山に登に来て、帰りにはここでビールなんだとか。いいなぁ、こういう職場!ビヤガーデンが始まると、ビールのためだけに登ってくる会社帰りの人もいるそうです。

同じくケーブルの高尾山駅おりてすぐの店に、なが~~い行列が。「天狗焼」という看板。ちょー気になる!

実は高尾山は、天狗の住む山と言い伝えられてきました。これは、番組でも紹介した薬王院というお寺が修験の寺で、修験者を守る存在として天狗を大切にしているからです。境内には大天狗、小天狗の像があちこちに。大天狗は、鼻の長いいわゆる天狗で、小天狗は、くちばしのあるカラス天狗のように見えます。小天狗はまだ修行途中で、大天狗は修行を積んで神通力をもった天狗なのだそうです。そういえば、落語の「天狗裁き」に登場する天狗は、江戸の奉行所で捕まえた主人公を、ひとっ飛びで高尾山に連れてくるんだったっけ…。

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           (写真:本堂前に立つ天狗 上が小天狗 下が大天狗)

参道の脇にある樹齢450年の「蛸杉」も天狗伝説の一部。根の部分が蛸の足のように丸まっているこの杉。その昔、天狗が参道を作るとき、道一杯に根を広げていたこの杉を、「明日、引っこ抜いてしまおう」と相談して帰ったところ、翌朝、神妙に根を丸めていたという話。杉は道を開いたとして「開運蛸杉」になりましたとさ。こういう話、大好きです。

DSC_0987.JPG      (写真:蛸杉の根の部分 樹齢450年!よく道の方に倒れてこないなと感心!)

で、天狗焼。行列ができてないときに、食べてみました。まあ、鯛焼きの“小天狗の顔”バージョン…、と思いきや、あんこが違う!黒豆あんなんです。ほどよい甘さと、もっちり感がたまりません!行列ができるわけが分かりました。ちなみに1個140円。

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        (写真:天狗焼 かじった後ですいません)

あ、ちゃんと山頂にも行きました。山頂では、丹沢山系の無効に覗く富士山が迎えてくれました。そして山桜も、盛大に花をつけて…。高尾山は自然が豊かな山だという部分を、ちゃんと取材しなくてはと、山頂にあるビジターセンターを見学しました。ここは高尾山に住んでいる生き物のことなら、何でも教えてくれる東京都の施設です。生息しているムササビの生態についても、高尾山が、どうして植物の種類がとても多いのか、ちゃんと教えて頂きました。そして、ここの自然解説員の方が案内してくれるガイドウォークにも参加。(誰でも、無料で参加できます)どうして石垣の隙間からスミレがはえるのか?ムササビがえさを食べに来ているかを見極めるのには、そうすればいいのか?など、目から鱗の話を沢山聞かせてくれました。そうなんです、高尾山にはムササビがいるんです。もちろん野生の。えさを食べに来ているかどうか見極める方法が知りたい方は、ぜひこのガイドウォークに参加してみてください。子どもから大人まで、これは楽しいですよ。

誰もが、自然の中で楽しめるのが高尾山です。

 

 

 

 

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2016年05月17日 (火)

常磐線 食の風景

「常磐線」の回を担当しました金本と申します。

北の大動脈と言われる常磐線、東京から東北へその鉄路を進んでいくとたくさん素敵な出会いがありました。そして心もほっこりする美味しさにも巡り合えました。都市部に野菜や魚などを供給し続けてきた常磐線沿線の食の風景をご紹介したいと思います。

土浦駅から神立駅沿線の車窓には、レンコン畑が広がります。土浦は茨城県一のレンコンの生産地。線路沿いの畑でレンコンを栽培しつづけてきた農家の女性は、いつも常磐線が通るのを目にするのが仕事の息抜きであり、感謝の想いがあるそうです。

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鳥が大好物のレンコンは収穫期、食べられてしまうことが多いそうですが、この女性の畑は常磐線の通過する音を怖がって鳥がやってこず、レンコンが守られているんだとか。そしてレンコンからレンコン味噌やレンコンクッキーなど地元農家の主婦の方々で商品開発したものを、常磐線に乗って東京に持っていき、商品を置いてくれることになったことも多かったそうです。行きの電車はワクワク、ドキドキ、帰りは自分たちで作った美味しさを届けられた喜びで乗った常磐線でした。 残念ながら今回の取材中は目にすることができませんでしたが夏場、レンコン畑一面は蓮の花で埋め尽くされ、常磐線からもその風景を楽しめます。

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そして太平洋沿いを走る常磐線。豊かな漁場も貫き走ります。

番組でご紹介した相馬の常磐ソウルフードまだまだあるんです。

まずは、あんこうのどぶ汁。ほとんど水を使わず、あんこうの肝と味噌、野菜の水分だけであんこうを煮たどぶ汁は、地元では味噌汁代わりでした。昔はこうしたソウルフードを囲み、親せき一同集まって飲み明かすことが多かったそうです。

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そしてホッキ貝をふんだんに使ったホッキ飯も有名です。料理を作ってくださった料理屋のご主人が子供の頃、よく食べたのはホッキ貝のカレーだそうです。それだけ海の幸が身近なものだったのですね。ホッキカレー頂きましたが、貝とカレーの味の相性が絶妙の美味でした。

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常磐線に乗って、大地と海の恵みを目と舌で味わってみてはいかがでしょうか?

 

 

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2016年05月10日 (火)

小さな旅のススメ

新日本風土記事務局スタッフです。

大型連休が終わってしまいました。楽しい思い出、たくさん作れたでしょうか?なかなか遠くに行楽には行けなかったという方も多いことと思います。でも、遠くに行くことだけが旅ではありません。たとえば、毎日使う通勤電車。ひとつ違う駅で降りれば、それだけで小さな旅の始まり。今週の「新日本風土記」は「常磐線」が舞台です。それは日常であり、旅であり、人生であり。素敵な出会いが詰まった常磐線。ぜひ、ご覧下さい!

ところで、NHK放送センターがある東京・渋谷。最近は外国からの観光客の方々がとても多く、皆さん楽しそうにセンター街を歩いておいでです。私にとっては通勤、日常の見慣れた風景ですが、そういう方々が写真をとっている姿を見ると、ここも誰かの非日常なんだということを感じたりします。はるか遠方から、わざわざ渋谷へ足を運ばれる訳ですから、楽しい思い出をたくさん作ってほしいですね。

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2016年05月03日 (火)

SL沿線で叫んだ "うまい!"

「SL」の回を担当しました小林と申します。

この番組の撮影が始まったのは、一年前の3月のことでした。桜が咲き始めた熊本から始まり、最後は大雪が舞う北海道。SLを追いかけ、日本列島を縦断してきました。そのほとんどが、初めて訪ねる町ばかり。SLと共に人生を歩んだ方を探して、ただひたすら歩いた日々でした。そこで出会ったいくつもの笑顔、そしてSLに馳せる特別な思いに毎回のように感動し、充実した一年となりました。番組は終わりましたが、もう一度、それぞれの沿線に旅に出て、皆さんにお目にかかりたいと思っています。

今回のブログで紹介するのは、取材中に出会ったSL沿線の美味しかったもの。

まずは、新潟市秋葉区の新津地区にある新町商店街(通称:ごりやく通り商店街)で見つけたティラミスです。ここは、番組でも舞台となった“鉄道の町”にある商店街です。店主の平均年齢が60歳を超える商店街にあって、唯一30歳代の若者が店主を勤めるカフェでいただきました。ほんのり苦くて、後からくる濃厚な甘みには、悩むことが続いた取材中、何度も癒やされました。

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そして、もう一つ。北海道の標茶町で、今年一番の大雪が振った日に飲んだ牛乳です。

普段、私が飲んでいる牛乳よりも、濃厚な味にびっくりしました。その翌日の取材で出会ったのが、三世代で酪農を営む82歳のおじいさんでした。「ここにいる牛はみんな、俺の家族みたいなもんだ。かわいいんだぁ」。ホテルに戻り、おじいさんから聞いたSLの話、そして亡き妻と大切に育ててきた牛への思いをノートに整理しながら、牛乳を飲んで泣きました。

番組を見て下さった皆様、機会がありましたら、是非味わってみてください。

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