2013年2月

2013年02月26日 (火)

魅力いっぱい「越の国」

「越前の冬」を担当した石田です。

福井の人々は本当にアツい人たちです。地元の伝統を守り伝え、地元の食べ物をこよなく愛し、地元の風土に誇りを持っています。その精神に心が奪われ、何度も足を運びたくなるようなところでした。ぜひ福井へ行った際には、一人でも多くの地元の人たちと話をしてみてください。

さて、ここでは番組でご紹介できなかったオススメを。

越前大野から車で約30分。人家もまれな谷あいに曹洞宗の第ニ道場、宝慶寺(ほうきょうじ)があります。

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冬は3メートル近い雪に閉ざされ、山門前の石段には雪を溶かすための水が川のように流れています。最初に訪れたときは、階段なのか川なのか、歩いていいのかさえもわからないぐらい驚く水の量でした。

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 参詣するときは、この川のような階段からでも、迂回して行くこともできますのでご心配なく。

修行の寺、宝慶寺。雪に覆われる厳しい冬でさえ、裸足のままで修行が続けられます。私たちは靴下を履いていましたが、やはり冷たくて、つま先立ちしながら撮影したほどです。

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山奥のため、聞こえてくるのは雪がしんしんと降る音だけ。ここにいるだけで無心になれ、身がキリッと引き締まります。

宝慶寺では坐禅体験を積極的に受け入れているので、誰でも修行僧と同じような生活を体験することができます。自分を一度見つめ直したい方にはオススメのスポットです。

◇宝慶寺

住所:福井県大野市宝慶寺1-2   電話:0779-65-8833

※坐禅体験は要予約です。

 

越前海岸沿いをドライブして見つけて欲しいのが、コレ!

syashin4.jpg 荒れた越前海岸を背に一人佇む警察官の人形。ちょっと物悲しくてついつい気になってしまいます。近くに小学校があるので、きっと子供たちを見守っているのではないでしょうか。他では見られないこの景色をぜひご覧ください。

*明日の朝8時からBSプレミアムで再放送されます。ぜひ、ご覧下さい!

投稿時間:11:36 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2013年02月19日 (火)

こんな地獄なら何度でも

「別府」を担当したディレクターの鹿島真人です。

別府って本当におもしろい街なんです。今回はそれを伝えたくて伝えたくて作りました。温泉が日本一湧き出る街は、そこら中に湯気が立ち上る街の風景もインパクト絶大ですが、それ以上にそこに集まる人々がユニークな人間ばかり。本当にバラエティに富んだ多種多様な方々が別府の街にすい寄せられ、そんな個性を温泉の恵みがぐるっと包み込む、そんな街でした。

別府に行ったらここに是非!というオススメの場所をご紹介します。

<湯けむり>

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写真:別府のシンボル 湯けむり

4年前、僕が大分赴任になって初めてこの湯けむりを見た時は「そこら中で火事が起きている!」と焦ったものでした。湯けむりが大きくのぼる3条件は、湿度が高く、風のない、寒い日。雨がさっと降った直後に晴れた時などが一番立ち上ります。ロケでは毎日「今日の湯けむりは…」と気にしながら絶好のチャンスを狙いました。多い日は、10km離れた大分市からも、まるで別府の街が燃えているかのようにもうもうと立ち上ります。

湯けむりを見る絶好の場所は、「湯けむり展望台」という場所もありますが、個人的には鉄輪から柴石方面へ行く県道218号線からの風景がベスト。番組の最後で出てくる日の出も、この近くで撮影したものです。

 

<地獄蒸し>

番組でも何度か登場した、温泉の蒸気で食材を蒸すという別府の伝統料理「地獄蒸し」。ほんのり温泉の塩気が付いた地獄蒸しは、素材の味をぎゅっと引き出します。

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写真:蒸したてほっかほか

基本的には湯治宿に泊まらないと体験できないものだったのですが、2年前に立ち寄りで地獄蒸しが体験できる市の施設がオープンしました。休日の昼時には2時間待ちになるほどの人気施設ですが、並ぶ価値はあります!食材は持ち込み自由、有料で地獄釜を借りて蒸し、その場で食べることが出来ます。

★地獄蒸し工房 鉄輪

所在地  大分県別府市風呂本5組(いでゆ坂沿い)

開館時間 午前9時~午後9時(最終受付は午後8時)

休館日  毎月第3水曜日(祝日の場合は翌日)

料金   地獄蒸し釜基本使用料(30分以内)・・・500円など

TEL        0977-66-3775

 

<まち歩き>

知らない土地に行ったら、その土地に住む地元の人の話を聞くのが一番!別府には「八湯ウォーク」というボランティアガイドさんの組織があります。コースはなんと15種類、毎日何かしらのツアーが出ています。こんなマドラス姿の流しのおじいちゃんが案内してくれるツアーも。

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写真:流し歴50年というぶんちゃん

番組に登場する高橋さん夫妻も、バラ農家の佐藤さんもこのガイドさんなので、もしかしたら会えるかもしれません。

別府八湯ウォークHP http://walk.beppu-navi.jp/

 

*明日の朝8時から、番組の再放送があります。是非、ご覧下さい!

投稿時間:10:48 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2013年02月12日 (火)

高知 いざなぎ流の謎と魅力

「高知 神々と棲む村」を担当した岸田です。

今回の舞台は物部。「もののべ」ではなく「ものべ」です。歴史に詳しい方でしたら、「古代の豪族『物部氏』と関係する土地なのでは?」とお思いになるかもしれません。実際、物部の地名はこの地を流れる「物部川」から来ているのですが、物部川下流域にはかつて、物部氏の流れをくむ一族が住んでいたと言われています。

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<写真:物部の風景>

その物部に伝わる民間信仰「いざなぎ流」を中心に、今回の番組を作らせていただきました。山の事も神様の事も何も知らない私たちを温かく受け入れ、たくさんの話を聞かせてくれた物部の皆さん、本当にありがとうございました。

番組でも紹介した数々の御幣や不思議な祭文は、いざなぎ流の大きな謎であり魅力です。でも今回、何より頭を悩ませた最大の謎は「そんな複雑で長大な祈りがなぜこの地に残ったのか。なぜ必要とされ続けたのか。」ということでした。答えは今でもよくわかりません。

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<写真:御幣>

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<写真:小さな集落の祭り>

撮影でお世話になった物部の皆さんは、とてもよく笑う人たちでした。ある時、「昔は新鮮な魚なんて手に入らなかったでしょう」と尋ねると、「そうそう!『釣った漁師はもう死んどる』いうくらい古い魚。」「海におったよりも陸におった時間の方が長いくらいよ!」との答え。大笑いしつつも、その表現力の豊かさに驚かされました。

一方で、「昔は病人が出ると、耳元で米粒を振り、その音を聞かせて元気づけた。食べさせる程の米は無かった。」という話も聞きました。

「山で生きる厳しさ」と一言で言っても、その本当のところは住み続けてきた人にしかわかりません。しかし、厳しさを笑い飛ばすことがどれほど生きる力になるか。笑いもまた、ひとつの祈りの形なのかもしれないと思いました。

物部は山に囲まれた不便な場所、という印象ですが、かつては土佐湾から物部を通って阿波方面に向かう道が、塩などの生活物資を運ぶ大事な物流ルートとして栄えていました。その道は現在「塩の道」として整備され、気軽に山歩きが楽しめるようになっています。山歩きのお弁当にはぜひ、物部特産の柚子酢で作った「田舎寿司」をどうぞ。爽やかな香りと酸味で疲れも癒されます。

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<写真:塩の道>

投稿時間:11:05 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2013年02月05日 (火)

尾道めぐり

「尾道」を担当した多田です。

全国でも有数の観光地として有名な尾道。実は、広島県尾道市は私のふるさとなので、今回の取材や撮影は個人的にとても感慨深いものがありました。故郷での番組作りに多少の戸惑いもあり、撮影に先駆けてとにかく尾道を歩き尽くし、人に話しかけていく中で自分なりに見つかった答えがあります。それが、尾道の本当の魅力は、そこに暮らす人々だということでした。

車の入らない狭くて急な坂の路地が続く町並み。不便だからこそ、昔から人々は助け合いながら暮らしてきました。さらに、平安時代から続く港町の歴史が脈々と受け継がれ、人々の気質を開放的にしているのだと思います。尾道の人は世話好きで、人なつっこい方々ばかりです。これからご紹介させて頂くポイントは、簡単には辿り着けない場所ばかりですが、道に迷った時は、是非、地元の方に気軽に話しかけてみてください。立ち話のつもりが、時には30分以上も話し込むこともありますが、尾道の人の魅力を感じて頂ければ嬉しいです。

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写真:坂と路地の町

尾道を訪ねられた際には、浄土寺山、西国寺山、千光寺山の三山に行ってみてください。

それぞれ景観の良い場所なんですが、特にオススメなのが浄土寺山に不動岩という町を一望できる場所です。ここは、小津安二郎監督を敬愛するドイツ人映画監督ヴィム・ベンダースが訪れ、写真を撮影した場所でもあります。日本人のみならず、外国の映画監督をも魅了する尾道の町並みをご堪能下さい。夕景、夜景もまたオススメです。

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写真:不動岩より尾道市内を望む

尾道を訪ねられた際には、是非お寺巡りも忘れないでください。番組で紹介した浄土寺や正念寺以外にも、由緒あるお寺がたくさんあります。それぞれの御本尊もとても穏やかなお顔で心が洗われます。

また、番組ではご紹介できませんでしたが、午後6時になると、お寺のあちこちから鐘の音が聞こえてきます。その中の一つ、「日本の音風景100選」に選定されている(1996年に当時の環境庁(現・環境省)が認定)千光寺は、午後6時に参拝していると、一般の人でも打たせてもらう事が可能です。江戸時代から続くという風光明媚な刻の鐘をお聞き下さい。

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写真:刻の鐘を打つ住職

 *明日6日(水)の朝8時から再放送があります。是非、ご覧下さい!

投稿時間:11:18 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


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