盆ボンボン!
「あの世この世」を担当したディレクターの山口です。ご覧いただきありがとうございました。
日本各地の風土と人を描く新日本風土記。そこによく登場するのが“お盆”です。年に一度、あの世から亡くなった人の魂をこの世に迎え、またあの世に送り出す年中行事。現在ではあまり見られなくなった昔ながらのお盆の風習を、番組はこれまでたくさん記録してきました。
これは、先祖のお墓の前に一族が集まって食べたり飲んだりして過ごす秋田県仙北市田沢湖町のお盆。ご先祖様のお墓も一カ所に集まっています。

日本には、亡くなった人は「あの世」で生き続け、さまざまな力で「この世」を守ってくれると考える祖霊信仰が古くからありました。そこに「盂蘭盆経」というお経が中国から入ってきて仏教の行事としてお盆が成立したようです。その二つの混じり合い方もさまざまだったらしく、その土地ならではのお盆の行事が各地に生まれたといえます。
たとえば徳島県吉野川では、魂は、川からやってきます。目印として河原に作るのが水墓です。
香川県小豆島では、ご先祖様は、生のそうめんで編んだ「負い縄そうめん」にお供え物を乗せえてあの世に持ち帰ると信じられています。

ところでお盆はどうして地域によって7月15日のところと8月15日のところがあるのか、知っていますか?それは、明治5年に政府が西洋の暦(太陽暦)を導入したことが直接の原因です。お盆は旧暦の7月15日でした。新暦になっても、同じ7月15日をお盆とした地域と、旧暦と新暦がほぼ一ヶ月ずれていたので8月15日にした地域があったのです。沖縄や奄美大島では、今でも旧暦でお盆を行っています。
旧暦は月の満ち欠けをもとにした暦で、15日は必ず満月になります。そのため盆踊りは、月明かりで朝まで踊るものでした。その古い形が残っているが、郡上市八幡町の「郡上踊り」。
毎年8月13日~16日の4日間は徹夜で朝まで踊ります。観光客も参加できるのが魅力です。

郡上踊り、楽しそうですね。あなたもぜひ一度参加してみてはいかがですか?
投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク
龍馬を追って 〜梼原探訪〜
「明治維新への旅」を担当いたしました、ADの木村と申します。
取材でお世話になった皆様、番組をご覧いただいた皆様、誠にありがとうございました。
だれもが学んだ「明治維新」。番組では150年経った今でも、日本全国に息づいている「革命」をたどりました。
取材で行った街はどこも素敵だったのですが、今回は、
高知県の小さな町「梼原町」のおすすめスポットをご紹介します。
●龍馬脱藩の道
文久2年(1862)幕末動乱の時代に、
何を考えながら歩き、何を感じながらこの道を歩いたのか。
26歳の若者に、思いを寄せながらこの道を歩きました。

私が印象に残っているのは、「神幸(みゆき)橋」。
千年以上の歴史を持ち、龍馬が脱藩の時に無事を祈願したと伝えられている、「三嶋神社」と町を結ぶ橋です。番組内で梼原龍馬会会長の西村さんが歩いている山道のある場所です。

この橋が架設されたのは最近、2002年。梼原町産の木を使っている屋根付きの橋。周りの景観に配慮した作りになっています。木材が三角形に組まれており、神聖な場所へ続く厳かな空気と木材の温もりを感じます。この橋から見る梼原川の風景の美しさに、つい足を止めてその時代に思い馳せました。
●隈研吾・街並み
「神幸橋」だけでなく、梼原には各所に、“木”が印象に残る、近代的だけど街に溶け込んでいる建造物がいくつもあります。それはどれも建築家・隈研吾さんが手がけたもの。梼原産の杉などの木材が使用され、地元の人の憩いの場になっています。
この町に来たら、このような建設物も一見する価値ありです。
ちなみに、撮影スタッフは、その一つ、まちの駅ゆすはらに併設されている「マルシェ・ユスハラ」に宿泊しました。木の香りが漂い、とてもゆったりできるお部屋で、ロケなのにこんな贅沢できてラッキーと内心ニタニタしていました。


●鯉のぼり
車で走っていると突如として現れた大量のミニ鯉のぼり。谷間にズラーッと並んだ鯉のぼりが風でたなびき気持ち良さそう。田んぼの水面にも映りこんで泳いでいるみたい。
こちらはこの地域の方々が協力して設置されているのだとか。なんとこの数を、1日で設置されているそうです。この鯉のぼりは4月下旬から5月下旬まで、見ることができます。
最後は、梼原の美味しいご飯をご紹介し締めたいところなのですが・・・
私、食べ物の写真を一切撮っておりません。すぐ食べてしまうので・・・。
初めて食べたキジそば、美味しかった!種類豊富な山菜、優しい味付けで永遠に食べていられる!中でも印象に残っているのが、囲炉裏で焼いた川魚。
私の最後の晩餐は、焼き魚定食と決めているのですが(私事ですみません!)、
何の魚にするか、決めていませんでした。サバか秋刀魚か・・悩んでいたところに!
今回梼原で食べた、渓流の女王とも言われる「アマゴ」!身がホクホクでクセがなくあっさりとした味、大好きでした。遠慮せず、もう一尾食べておけばよかった・・・。最後の晩餐の候補です。
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