2017年10月

2017年10月17日 (火)

私の一押し「八ヶ岳」

「八ヶ岳」を担当いたしましたADの木村と申します。南北約30kmに及ぶ八ヶ岳は見る角度によって本当に印象が変わります。位置によって山々が重なって山の順番が違ったり、木々が生い茂る横長の峰々に見える時もあれば、ゴツゴツの岩の山塊しか見えない時も。土地勘が全くなかった当初は、様々な表情をする八ヶ岳によく惑わされました。しかも天気にも恵まれず、厚い雲で顔が見られないこともしばしば。しかしその分、時折見せてくれる厳格で神々しい姿は、本当に美しく感動しました。そんな八ヶ岳に魅了された私の夏はとても充実していました。今回は八ヶ岳及び八ヶ岳山麓で出会ったものから、私の一押しの八ヶ岳をご紹介いたします。

01nori.JPG02nori.JPG番組で紹介した苔の森。その神秘的な雰囲気には本当にため息がこぼれました。これまで、こんなにも苔を観察することはありませんでしたが、じっくり見ているとそれぞれに色・形が異なり一つ一つしっかり個性があることに驚きました。よく知っている草花の構造とはまた違うので、未知の世界に踏み込んだような感覚でどんどん苔に惹かれていきました。ただ俯瞰から見るのではなく、横から見るとまた違う印象で、上へ上へ伸びようとする姿にエネルギーを感じることもできます。また番組内に登場した木の上部にあるカモジゴケを見たときに私は、苔を見上げることがあるなんて思いもしていなかったのでビックリしました。またその形がとても可愛らしくフワフワモコモコな姿に癒され一気に苔の虜に。この生い茂る原生林と苔の世界、身も心も浄化されるような雰囲気を是非皆様にも味わっていただきたいです。

ここ北八ヶ岳の白駒池周辺の苔の森は大人気で、今年はもう訪れる人が20万人を超えているそうです。天気も良い週末ともなると、駐車場は午前中から満車!お出かけの際にはご注意ください。秋には紅葉、冬は雪景色が湖面に映し出され、四季折々の表情に魅了される白駒の池。八ケ岳ならではの苔の群落に癒されてみては…。

03kouzan.JPG04kouzan.jpg高山植物の種類が豊富なことでも知られる八ヶ岳。それはこの山々が多くの登山者に愛される理由の一つでもあります。背丈がとても小さく、岩場にひっそり咲く高山植物は、意識して探さないと見過ごしてしまうほど。背丈が小さいのは厳しい寒さや強風に耐えるため。他にも、地に長く太い根をはっていたり体に毛を生やしていたりと、厳しい環境下でも生き抜けるよう様々な特徴を持っています。その生命力の強さ、逞しさ、可憐な姿に私は感服しました。八ヶ岳には、多様な登山ルートがあるので出会える高山植物も様々で、何度訪れても新しい発見があること間違いなしです。また、北八ヶ岳にはロープウェイがあり、本格的な登山をしなくても高山植物に会いに行けるスポットもありますので、チェックしてみてください。

05chokubai.JPG06chokubai.jpg八ヶ岳山麓で作られる高原野菜。夏の冷涼な気候や昼夜の温度差などを利用して作られる作物たちは、鮮やかな彩りと甘みが凝縮されています。

地元の人からも観光客からも人気な直売所。野菜や牛乳・乳製品、卵など、あの学生たちが丹精込めて作ったものをここで買うことができます。早朝からザクッザクッといい音を立てながら大きなキャベツを収穫、綺麗な色づきのピーマンたちをカゴに集め、黙々と各所に出荷準備をする学生たち。全員が真剣に手際よく働いていて、その上「楽しい」「毎日充実している」と言うので、もう感心するばかりでした。私は学生たちと同世代なのですが、彼らを見て自分の学生時代を思い出し、どこか手を抜き真面目にやってこなかったことを後悔しました。全力で何かに打ち込む姿って本当にかっこいい!

いち農業者として自覚を持ち、美味しいものをお客さんに届けたいという思いが詰まった品々を是非ご賞味いただきたいです。実は私はこちらの直売所で何も購入していないのです。番組編集中ずーっと収穫を見ていて、直売所の取材時に買い物できる時間があったにもかかわらず何も買わなかったこと、ずっと悔やんでいます。あのブロッコリーがどうしても食べたい!プライベートで私は絶対に買い行くことを決めています。

たくさんの顔を持つ八ヶ岳。麓からこの山を見るだけで、パワーをもらえる気がします。八ヶ岳に来てみれば、包み込まれるような安心感。皆様も是非一度足を運んでみて体感してみてください。

 

 

投稿時間:17:02 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2017年10月10日 (火)

大自然だけじゃない!もっとディープな『要塞』対馬!

対馬の回を担当した武井と申します。
番組をご覧いただいた皆さま、
取材にご協力頂いた皆さま、本当に有難うございました。

日本本土と朝鮮半島の狭間に位置する対馬。
その特別な環境は、古来、島で暮らす人々の生活を形作ってきました。
取材をしていて、その節々に国境の島を感じることができました。

今回ご紹介したいのは、番組でも触れた島に残る砲台跡です。
明治期にはロシアとの戦争、昭和になると海峡防備のため、対馬には沢山の砲台や堡塁が築かれました。その数、31か所。
迫力満点、歴史好きや廃墟好きにたまらない砲台跡。中でもとびきりのオススメをご案内させて頂きます。

一つ目は「姫神山砲台跡」

t1.pngt2.png明治期に建てられた対馬の砲台の中でも、最大規模を誇るこちら。

姫神山砲台跡は、明治33年2月建設が始まり、その後明治37年1月に6門の28センチ榴弾砲が備え付けられました。
別名「天空の要塞」とも呼ばれ、レンガ積みのレトロな雰囲気を醸し出しています。
その異名の通り、山の上に建造されているため、辿り着くまでは駐車場から徒歩40分と骨が折れます。
それもそのはず、対馬のこうした要塞の多くは軍の主要基地。わざと道路を整備せずに近づき難いようになっているのです。
しかし、登ってみればその景色は圧巻。緑が生い茂る中に突如現れる要塞は、ジブリの世界観そのもの、いつ巨神兵が出てきてもおかしくないような、厳かで美しい空間が広がっています。

t3.png山頂からは対馬海峡も一望できます。

絶景を目の前に、100年前にこの砲台から海を見つめた兵士たちを思い忍ぶのはいかがでしょうか。

続いては「豊砲台跡」

t4.png昭和4年に建造された当時、世界最大の豊砲台。

実践では一度も発射することがなく、「撃たずの砲台」と言われます。
姫神山とは違い砲台入口まで車で行くことができるので、アクセスは容易。更に入口の照明スイッチを押すと照明が30分間点灯するので、砲座・砲具庫・巻揚機室などの内部構造を観察できます。
対馬の砲台跡では最も観光ポイントとして整備が進んでいます。

入り口から奥に進んでいくと、薄暗闇から一気に光が差し込む大きな穴が登場。
ここが砲台が設置されていた場所です。

t5.png今のように建設重機のなかった時代、108トンもの砲台を山の中に運んだことに、ただただ感心します。

戦後はGHQの指導のもと解体された豊砲台。溶かした鉄は戦後の復興資材として利用されたと言います。

いかがでしたでしょうか。
対馬の観光では山や海といった大自然に目が行きがちですが、その他に島に刻まれた砲台跡巡りを、ディープな対馬の楽しみの一つとしてご提案したいと思います。

投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


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