上高地は、おいしい。
『上高地』の回のディレクターを担当しました、松本です。
6月末から9月の初旬まで、ロケハンやロケで上高地を数回に分けて訪れました。特に8月は、東京の事務所スタッフから「うらやましい」のメールを何度も受けとるほど、カラッとした過ごしやすい気候で夏バテなし。朝は4時30分に起きて、宿の消灯時間に合わせて就寝は夜9時か10時。普段の東京での生活とは打って変わった健康的な日々を送りました。加えて、上高地のバスターミナルまではバスやタクシーで行けますが、その先は、全て徒歩になります。頼れるのは、自分の脚力と体力だけ。撮影ポイントからポイントまで1時間、長ければ6時間歩くのはあたりまえでした。
そんな中での、スタッフの楽しみは、食事。身体を使えば何を食べても美味しいのですが、特に “胃袋をつかまれた”ものがありました。その一つが、徳沢園の夕食。それも、2泊目の夕食です。1泊目は、和食ですが、2泊目は、ガラッと変わって洋食に。番組でご紹介した4代目女将 上條留美子さんが、目でも楽しめるようにと、盛り付けにもこだわった自慢の料理です。汗水たらして歩き周り、宿のテーブルに着席して、目の前に並んだ料理に疲れも吹き飛んでしまいます。


2枚目のは、岩魚のお造り。岩魚は、焼いて出す所が多いですが、お刺身は、ほんのりと甘みがあり、旨い。
何はともあれ2泊しないと食べられないのがミソですが、、、
そして、もう一つが、涸沢小屋のパフェ!私達がこのパフェにありついたのは、奥穂高岳に登り、2日天気待ちして、やっとベースキャンプの涸沢に戻った日。このパフェ、実は小屋のメニューにはありません。しかし、番組に登場した138回涸沢に登った、前田雅志さんが、こっそり教えてくれたのでした。ビールのジョッキに、アイスクリームやコーンフレークが何層にもなり、疲れた身体に染みる山のスイーツ。出てくるなり、皆でわーっと食べてしまったので、誰も写真をとっていませんでした。実物パフェは、6時間歩いて、涸沢小屋で頼んでご覧になって下さい。
また、胃袋をつかまれに行ってみたい上高地です。
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水玉の大地 讃岐
「讃岐」の回を担当したNHK高松放送局の南です。番組をご覧いただきありがとうございました。
私が、高松局に転勤になったのは、2年前。飛行機の窓から見下ろすと、田んぼとため池が広がる独特の風景でした。あそこにどのような物語があるのだろうか?そんな私の素朴な疑問が今回の番組の原点です。
少ない雨を、有効に使うために人々が築いたため池。実際に取材してみると、番組でも紹介したとおり、過去から現在に至るまで、多くの物語がありました。
さて、そんな香川のため池の中でも、おすすめは、香川県最大のため池「満濃池」。実際に、周囲20キロのこの池のほとりに立ってみると、向こう岸がかすんでいるほど、とても人工的に作られた「池」には見えません。
ぼーっとたたずむもよし。池のほとりの食堂で讃岐うどんをいただくもよし。落ち着いた時間を過ごすことができます。

さらに、ちょっと足を伸ばしてみたい方に私がおすすめしたいのが、こちら「金倉川」。実は、この川が満濃池の水源です。満濃池は金倉川をせきとめたダム湖なのですが、私は、実際に見てみて、こんなに小さいのかとびっくりしました。雨が少ない香川の人達が、いかに大事に水をためて使っているかが、分かったような気がしました。

奥の深い香川のため池ワールド。ぜひ堪能してください。
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もてなしの国 再放送
「新日本風土記」事務局スタッフです。
朝晩は肌寒い日が続き、秋が少しずつ深まっていくのがわかりますね。秋を楽しむのにぴったり、「もてなしの国 もてなしの四季 秋」が再放送されます。10月15日(木)午後3時半から!ぜひ、ご覧下さい!
と、秋を楽しむ話をしていながら、実はもう10月半ば。11月になったら、今度は冬の気配に身震いしそう。あっという間の1年。四季があるから、時の移り変わりにやっぱり気づかされますね。スーパーの店頭にみかんやりんごが並び始めると、あ~、そんな季節になったのね~と思いますし。なによりも、(私事で恐縮ですが)誕生日が10月なため、また1つ年をとった!という気もするわけです。無事に年を重ねられるのは有り難いことですが、なんなんですかね、この複雑な気持ち。だからこそだと思いますが、「新日本風土記」や「もういちど、日本」で、とても魅力的な年上の方々を見ると励まされます。
先日は、松本幸四郎さんが主演されている「ラ・マンチャの男」を観劇してきましたが、これがまた心に沁みます。初めて拝見したのは、もう20年くらい前ですが、そのときも感動はしたものの、まだ若かったせいか、あまりピンとは来ていなかった気がします。私自身もそれなりに齢を重ね、「見果てぬ夢」にとても共感を覚えるようになりました。こう考えると、やはり年を重ねることで見えてくることって、たくさんあるんでしょうね!
ちなみに、松本幸四郎さんの素敵なお声は、15日の「もてなしの国 もてなしの四季 秋」の再放送で楽しめます。ぜひ、ご覧下さいね!
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開拓地 那須
「那須」を担当した藤井です。
那須で皆さんに聞いた話は、満州のこと、養蚕をしていたご先祖のこと、富山、新潟、長野に、阿波。祖先がこの地にやってきて悪戦苦闘した開墾のこと・・・。
かつて山林原野だった那須。主に明治以降、人々によって開拓が進められた土地です。全ての都道府県の出身者がいるといわれているそうです。みなさん、故郷を離れこの開拓地・那須にたどりついた人々でした。
那須には、太平洋戦争の激戦の島・硫黄島を強制移住になり、集団入植した方々が暮らしておられました。
番組でもお話を聞かせていただいた、硫黄島出身のあつ子さん。長く神奈川県で暮らしていましたが、30年ほど前、人生の最後を島の人々と過ごしたいと、那須に引っ越してきました。
あつ子さんの家には、いろんな種類の石や砂がたくさんあります。
「故郷にはもどれない。少しでも島を感じて生きていたい」という思いと、「島に人が暮らしていたということを消したくない」という思い。必死に島の暮らしのかけらを集めているのだそうです。
あつ子さんが特に大事にしているのが、家の周りで育てている植物たち。鉢には、何種類もの草木が茂っています。でも、特別なものではありません。ほとんどは島のあちこちに生えていた“ただの草”、雑草です。
牛のエサにしていた草、道端に生い茂っていた草、子供たちが笛にしてあそんだ草。
かつての島では、ありふれた草木だそうです。
戦争やその後の基地の造成で、あつ子さんたちが住んでいたころとは全く姿を変えてしまった硫黄島。
しかし、雑草だけはたくましく再び生えてきたのです。
「島はなにもなくなってしまったけど、この草たちは昔のまま」だといいます。
「自分たちはもう島には住めないだろうけれど、たくましいこの草のように、子や孫や子孫たちが、いつか島に自由に戻れるといいね」
那須にきて30年。もう何十人も島の人たちをおくってきたあつ子さん。お盆には、毎年、島の方々が眠る墓地の入口に立つお地蔵様に、赤い前掛けを縫ってあげています。
那須で、大勢の方々から、大切なお話を、たくさん聞かせていただきました。
ありがとうございました。
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