2011年10月

2011年10月25日 (火)

鎌倉 天上の風景

○「いざ鎌倉」を担当した弘(ひろ)です。

今回取材を通して、鎌倉の魅力は古くから鎌倉に住んでいる方と、鎌倉に惹かれて新しく移り住んだ方々が一緒になって作り上げてきたことを実感しました。


伝統と新しいセンス。変わらないものと、未来につなげていく柔軟さが相まって、古都の風情を醸し出しているのだ、と。取材を通してお目にかかったどなたもが鎌倉への強い思いをお持ちだったことがとても印象的でした。

○そんな鎌倉のおススメスポットは、ずばり「山」。町を囲む山は鎌倉アルプスとも呼ばれ、自然の中でトレッキングを楽しむことができます。町の賑わいがうそのような山の尾根道を歩いていると、やぐら(鎌倉時代の墳墓)や小さなお社と出会うことができ歴史を感じさせてくれます。そして木々の間から垣間見える美しい町の眺望に思わず汗も吹き飛びます。


中でもお勧めは、建長寺境内の裏手にある半僧坊です。尾根沿いにアプローチすることもできますが、建長寺の境内を抜けて20分ほど登っても行けます。


そこからの眺めはまさに絶景。由比ガ浜や稲村ケ崎、空気の澄んだ日には富士山も望めます。海と山と町がコンパクトにまとまった地形が、いかにも居心地がよさそうな感じを与えてくれます。


遠い昔、この地に都を作り上げた源頼朝ももしかしたら、こんな山の上から地上を見下ろし野望をかきたて、夢の実現にひた走ったのでは?などと、思ってしまうような、悠久の風景が広がります。

投稿時間:10:29 | カテゴリ: | 固定リンク


2011年10月18日 (火)

軽井沢 碓氷峠

軽井沢を担当した久保田です。


 横川と軽井沢を結ぶ鉄道として、明治時代に開通したアプト式鉄道。新幹線の開通と共に、横川~軽井沢間は廃線となりますが、今でも横川駅から碓氷峠中腹の眼鏡橋までは、整備された遊歩道として散策することができます。

 鉄道の線路自体は撤去されていますが、煉瓦作りのトンネルは明治のまま。トンネルの形は、U字ではなく蹄鉄のように円に近い形。おそらく、圧力を分散し、崩れにくい形を追求しての結果だと思います。そして、トンネルの外壁から内装まで、当時の煉瓦造りの美しさには目を見張るものがあります。当時の乗客で、走行中の列車から、トンネルの入り口の装飾や内装まで細かく観察した人は、ほとんどいないと思いますが、煉瓦積みと装飾の美しさからは、このトンネルを作った職人のこだわりが感じられます。

karuizawa001.JPG

 碓氷峠を越えるために作られた26個のトンネル。トンネルの先にはさらにトンネルが…当時、アプト式鉄道に乗っていた乗客達は、このトンネルを越えることで、非日常の空間・軽井沢へ誘われていたようです。

karuizawa002.JPG

 今では新幹線で1時間と、身近になった軽井沢。しかし、軽井沢が大きく発展してきた明治~昭和までは、まさにトンネルを越えた先に広がる異空間の土地だったのでしょう。残念ながら、横川から軽井沢までの全ての廃線路を歩ける訳ではありませんが、美しい煉瓦造りのトンネルを抜け、秋のこの季節、両側に広がる紅葉を愛でながら、碓氷峠を越えていった旅人たちに思いを馳せる・・・。秋の紅葉と共に日本の歴史が味わえるお薦めスポットです。
 

投稿時間:11:23 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2011年10月14日 (金)

「ヨコハマ伝説」めぐり~その2~

「ヨコハマ伝説」を担当した坂口です。前回に引き続き、番組では紹介しきれなかった横浜の魅力スポットを撮影ウラ話と共に紹介します。

★横浜ケンタウロス
知る人ぞ知る、伝説のモーターサイクルクラブ「横浜ケンタウロス」。本来なら、そう簡単にテレビに出ることはないボス飯田さんですが、交渉に交渉を重ね、本当に今回快く出演いただきました。バイク乗りではない自分でも、その哲学というか信念に感化されました。

「バイクに乗るというのは、一種の青春の病。まして、モーターサイクルクラブに属する奴というのは、さらに
万分の1の病にとりつかれた連中よ」

青春の病に罹りっぱなしとも言える飯田さんは、ケンタウロスだけでなく、横浜のボス的存在。横浜のことを心から愛する生粋のハマッ子だけに、バイク以外でも様々な活動を通して、横浜のことを常に考えています。その一つが、「ハマには浜を」というもの。実は、横浜には、自然の“浜”がほぼゼロ(※約154㎞の海岸線にあるのは、金沢八景などの人工浜だけ)。「横に“浜”があったから横浜」なのに、今の横浜には“浜”がない・・・。そんな現実を知り、「150年かけて壊したものを150年かけてでも再び作れたら」と、7年前から活動を行っているのです。そんな飯田さんに、横浜で唯一残る “自然の砂浜”を教えてもらいました。みなとみらいのすぐ側、大岡川の下流に干潮の時だけ僅かに現れる砂浜です。
ぜひ皆さんも、横浜にお出掛けの際には、桜木町から赤レンガに向かう途中で足を止め、横浜の歴史と未来について考えてみてください。
 

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写真④ 「横浜の中心部を流れる大岡川」
(※わかりづらいですが、写真の下に見える川に干潮時だけ砂浜が出現します)

投稿時間:10:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2011年10月11日 (火)

「ヨコハマ伝説」めぐり~その1~

「ヨコハマ伝説」を担当した坂口です。自分は、そもそも横浜と縁もゆかりもありませんでした。出身は九州、横浜にはもちろん住んだこともなく、みなとみらいや中華街にせいぜい出かける程度。いわゆる、表面的な横浜しか知らなかったわけです。しかし、そんな自分が今回、「横浜」という街と向き合い、どっぷりと「横浜」にのめり込んでしまいました。番組では紹介しきれなかった、そんな横浜の魅力スポットを撮影ウラ話と共に紹介します。

★海から見た横浜
みなとみらい、山下公園、大桟橋・・・。港ヨコハマは、見る場所によって表情が変わる風景が楽しめます。中で
も、オススメなのは、海から望む横浜です。今回、港のプロフェッショナル「水先人」の仕事を紹介しました。ロケでは、横浜港の沖合まで船3隻にカメラ3台で臨んだのですが、そこはまさに驚きの世界でした。見渡す限りの船、船、船。そして、目前に迫った巨大船は、総重量・約3万トン!全長約200メートル、およそ40階建てビルを横倒しにしたほどの大きさで迫力十分!さすが、日本一の貿易港という現実を目の当たりにしました。この光景を見るには、横浜港の沖合まで行くクルーズ船がありますので、ぜひ一度乗ってみてください。

yokohama_01.jpg
  写真①「40階建てビル並みの自動車運搬船」
 

そして、もうひとつオススメなのが、船でベイブリッジを通過しながら望む横浜の風景。今年は節電で少し寂
しいようですが、夜景も絶景です。

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  写真② 「海から見た横浜」


★ハマの坂道
今回のロケは、主に7月から8月にかけて集中的に行いました。どのロケも、いろんな意味で大変だったのですが・・・とにかく真夏の猛暑の中で歩き通しだったのが、「坂道」ロケでした。山手エリア周辺の坂道をぐるぐる歩き回って、人待ちしたり、天気待ちしたり・・・。また、ちょうどジブリ映画「コクリコ坂」が公開されたこともあり、「コクリコ坂ツアー」なる御一行様が大挙として押しかけ、リュックを背負った中高年で山手の坂道は尋常でない混雑ぶり。そのため、良い画を撮るのに結構時間かかったのは言うまでもありません。でも、異国情緒あふれる世界への誘い、自然の恵みが生んだ文化、その途中にあった懐かしい青春の風景・・・ハマの坂道には、いろんな物語がありました。
その一つ、中区根岸にある不動坂下の入り口「白幡不動の階段坂」。実は、ここは番組で紹介した元プロボク
サーの河合さんだけでなく、あの元世界チャンピオン内藤大助さんも選手時代、横浜にやってきてはロードワークしていたという坂道なのです。階段を上ると、その先は根岸森林公園、そして山手へと繋がる道。内藤さん、河合さん、そしてたくさんのボクサーたちが、ここで流した汗の量は、きっとリングの上で嘘はつかなかったことでしょう。そんな数々の物語あふれる「ハマの坂道」を是非一度巡ってみてください。ただし、真夏は避けて・・・(笑)
 

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写真③ 「白幡不動の階段坂」

あとひとつ、とっておきの「ヨコハマ伝説」を次回のブログでお伝えします!

投稿時間:10:25 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2011年10月07日 (金)

仁淀川・思わずつぶやきたくなる水の美しさ

 遠野・富士・桜島・知床etc. その名を聞けば誰しもがピンと来る新日本風土記のラインナップの中にあって、「仁淀川? どこそれ? 四万十川じゃないの高知は?」という声を頻繁に聞きました。東京では川の読み方すらわからない人大多数。たしかに、四万十川は清流ですが、我々制作チームは、かの有名な四万十川よりも、とびきりの美しさを持ちながら、それほど知名度の高くない仁淀川の秘められた魅力に惹きつけられ、この一年間、取材を続け、無事放送にこぎ着けることができました。
 番組をご覧下さった方々、仁淀川のフルコースは、いかがでしたでしょうか?放送中から、インターネットに投稿された沢山のつぶやきを拝見し、制作チームの思いが通じたのではないかと、思っております。ここはひとつ、つぶやきをご紹介しながら、番組には盛り込みきれなかった内容をお伝えいたします。

(新日本風土記「仁淀川」に関する投稿)
“この夏 川で泳ぐのを忘れたこと思い出しました。”
“あ~来年の夏が待ち遠しい(^O^) 早よカッパになりたい”
“川の四季折々の景色が本当に美しい!・・・宝石みたいな景色にとにかく魅了された。仁淀川行かんば!この眼であの景色を見んば!”
 
 仁淀川に行ってみたくなった方々、是非、河童になってください。実際、仁淀川の水に体をひたせば、水の冷たさ、澄んだ水の美しさ、仁淀のエネルギーが体に飛び込んでくるはずです。お勧めしたい川泳ぎスポットが2カ所。
 まず、高知市民の定番、「仁淀川橋下」。高知市から車で20分、河原の直ぐそばまで車でアクセスできる為、河原遊びの定番スポットです。番組で、蛍が登場したシーンがありましたが、ロケーションしたのはこの辺りです。

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 画像:仁淀川下

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画像:仁淀川町 池上地区

もう一カ所、とびっきりの水の美しさを求めるなら、仁淀川町池川をお勧めいたします。前述の「仁淀川大橋下」から車で川沿いをさかのぼること1時間。町の真ん中を、美しいブルーの川が流れます。子供達の岩ジャンプの他、鮎漁など番組中沢山のシーンが、ここ池川で撮影されています。ただし、ところどころ川の流れがきつい場所がありますので、河童に足をひっぱられることのないようご注意を。

“普段テレビは見ないのですが、これはとてもすばらしい映像でした。”
“本当に澄んだ水で、映像と水の音だけでも心底癒されました。(^^)”
“ハイビジョンのはずなのに、古いレンズで撮ったような写真的映像の陰影が実に美しく、子どもたちの表情描写もすばらしい。”
 
 映像美に魅せられてつぶやいて下さった方々、どうもありがとうございます。今回、日本一の水の美しさを表現するにあたり、撮影には特に力を注ぎました。NHKのカメラマンを中心に、地元で20年以上仁淀川を撮影してきた写真家・高橋宣之氏、パタゴニアからハワイのモロカイ海峡まで、水を撮るためならどんな過酷な環境でもカメラを回す映像作家・大倉孝敏氏、国体優勝経験をもつモーターパラグライダーカメラマン・丸山幸治氏、ドイツで世界初の水中ハイスピードカメラを製作した技術者Rudlf Diesel氏など、水撮影のエキスパートを集め、見たことの無いような水の美しさの表現を目指しました。

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ドイツ人技術者と水中カメラ

多くの方々の協力の下、皆様のもとにお届けすることができた美しい映像が、少しでも胸に響くものであり、制作チームにとってこれ以上嬉しいことはありません。
 また、当番組と平行して撮影を続けていた番組「仁淀川 知られざる青の世界」が10月10日午前11時より総合テレビで放送されます。こちらは、とにかく水の美しさにこだわった43分の自然ドキュメンタリー。どうぞご覧下さい。

NHK高知放送局 仁淀川公式HP http://www.nhk.or.jp/kochi/niyodo/

投稿時間:10:28 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


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