5・7・5で味わう北陸
「奥の細道 北陸路を行く」を担当した和田です。
みなさんは「奥の細道」を読んだことはありますか?「閑さや…」や「五月雨を…」など、「奥の細道」には芭蕉の残した有名な句がたくさん登場します。ですが実は、今回とりあげた芭蕉の旅の後半・北陸路は、前半である東北の旅に比べれば少しマイナー・・・と、当初の私は思っていたのですが!実際に撮影で訪れ、北陸ならではの風土とそこに寄せた芭蕉の美しい言葉が重なった瞬間、歴史と現代が一つに繋がり、すっと心に染み入ってきました。知れば知るほどはまってしまう、奥の細道・北陸路の旅にご招待いたします。
【ポイント①目に口に 喜び添える 日本海】
旅はしばらく、日本海に沿って進みます。日本海と言えば、やはり海の幸。番組で紹介した三面川の鮭も、元は日本海から遡上してきたもの。この迫力の顔、海の近くと川の上流近くでは表情が全然違うようで、それによって使い分けているのだとか。そんな村上の人たちのこだわりを聞きながら頂く塩引き鮭は、魚のうまみが凝縮された最高の一品でした。他にも、出雲崎の市場で見られる新鮮な魚介や、親不知の豪快なたら汁など、撮影中いつもスタッフのお腹を満たしてくれた日本海の恵みでした。
日本海の魅力は食だけではありません。当初、ずっと海沿いでは同じような景色が続くのでは、と気に病んでいましたが、断崖絶壁の難所もあれば、国の名勝に指定された有磯海や、美しい砂浜も。場所場所で違った表情を見せ楽しませてくれました。
北陸路の旅の多くを占めるのが、新潟県。普段気にすることなく使っていた「新潟」という地名ですが、新潟市はその名の通り、かつては潟が点在した水の都でした。特にその名残を感じることが出来るのが福島潟。潟ならではの動植物に恵まれ、中にはオニバスといった希少な水生植物も。穏やかな空気が流れ、とても心落ち着く場所でした。小舟に乗って潟を進めば、芭蕉の気持ちに近づけるかもしれません。
暑い日が続く中での撮影でしたが、山中温泉はとても緑が多く涼しくて、岩から染み出る湧水に癒されました。お湯の良さはもちろんですが、近くを流れる大聖寺川と木々が織り成す風が、湯上がりの体に
心地よい、散策にぴったりの温泉街です。そんな緑の中に突如として現れる、くねくねと曲がったあやとりはし。暮らす人々もとても気さくで温かく、芭蕉がついつい長逗留してしまったのもうなずけました。
以上、私の下手な5・7・5に付き合って下さりありがとうございました。みなさまも訪れた際にはぜひ、土地土地に思いを馳せながら一句詠んでみてください!
投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク