2019年04月26日 (金)【みえDE川柳】 お題:咲く

天 早く咲いたので老後が長すぎる/アラレさん

宮村典子先生 五七五音ではありませんが、「早く咲いたので・老後が長すぎる」と、八音・九音で言葉が繋(つな)がり総音数十七音になっています。句は、若くして何事かに成功し大成した作者の、少々の自慢と嘆きのように思えるが、その奥に、人生百年と言われる昨今、誰にとっても老後が長くなる訳で、長寿国日本で老人として生きる(生きねばならない)時、いろんな厳しい問題に直面するのではないか? と、長い老後への憂いが含まれている。社会問題を重ねて深い。

 

地 どう死のうどう生きようか桜咲く/橙葉さん

宮村典子先生 「生き死に」の句は、哲学的でもあるが、避けて通れない気がしている。自己の内面を探求するとき静かに湧いてくる想(おも)いを「桜」に託した死生観。想いが誰かに届くことを祈ろう。

 

人 お祝いが咲いて諭吉が散ってゆく/汐海 岬さん

宮村典子先生 お祝いが咲く、という発想がいい。意外なものを咲かせてこそ川柳。思いっきり諭吉が散る四月は、不幸なのか幸せなのか? それは人それぞれだとしても、この句からは、散ってゆく諭吉の顔が笑っている様が連想されて楽しい。
 的を射たユーモア味がある。

 

<入選>

令和咲くみんな時代の新入生/ジンルージャさん

真白な手帳に咲かすスケジュール/久実さん

わたくしも開花宣言いたします/いちかわいさおさん

君のペースでゆっくり咲けばいいんだよ/チェリーさん

子供って詩人だ星が咲くなんて/加藤当白さん

レンタルの着物に咲いた外国語/福村まことさん

週刊誌華咲かせたり散らしたり/ムギさん

遅咲きも枯れ木も混じるクラス会/デコやんさん

何色に咲くか迷っている蕾/渡辺勇三さん

咲いている花壇の脇の雑草も/かぐや姫さん

 

宮村典子先生 宮村典子先生

  何が咲いたか? どんなふうに咲かせたのか? 楽しい選句でした。時節柄、桜が咲いたという句が多くあり、お花見気分になりました。そんな中、視点の違う「桜」を「地」に、お題を咀嚼(そしゃく)し、どんなふうに表現するかに工夫があった句を「人」に、ウ~ンと唸(うな)る説得力のある句を天にいただきました。今月から「目指せ天地人」のコーナーが始まりましたので、是非参考にしていただき、どんなお題に対しても視野を広げ、想いを重ね、表現を工夫して挑戦を続けてください。川柳に触れていただき、作り続けていただくことが一番です。今年度もご一緒に川柳を楽しみましょう!

投稿者:みえ~るくん | 投稿時間:18:50


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