2015年3月

【みえDE川柳】 お題:送る

天 まごころに混ぜて下心も送る/入来武家屋敷さん

宮村典子先生 正直な句だ。どんな人間も生涯を清く正しくは生き通せないはず。難儀な世の中を無事に生き抜くためには下心だって必要な場合もあるだろう。まごころで薄めた下心は必要悪かも。見え見えの下心を優先させて生きるのとは違うのだ。「まごころ」に救われる。人間が詠んだ人間臭のする川柳。

 

地 あす送る人と酔えない酒を飲む/相模秋茜さん

宮村典子先生 「あす送る人」は作者にとって、きっと大事な人なのだろう。どこか遠くへ旅立つのだろうか?その人と酌み交わす今夜の酒は、いくら飲んでも酔えないのだという作者の心情が何とも切ない。気持ちの籠った作品である。

 

人 愛妻の送りバントに助けられ/まさしさん

宮村典子先生 「送りバント」は、いわゆる犠牲バント。大げさに言えば身を捨てて相手を救う行いである。作者は、何か精神的な窮地に陥り身動き出来ない状態になったところを奥様の機転によって助けられたのだろう。「愛妻」への感謝の気持ちがしみじみと伝わってくる。「送りバント」が効果的。

 

<入選>

お茶の間に癒し送ってくるラジオ/デコやんさん

ゴミ袋持たされ見送られる朝/夏実さん

家猫に恋を許すと送り出す/野の子さん

父の日に送る祝いは着払い/極楽トンボさん

懸賞へ個人情報送らされ/samuさん

抜け殻がずらり送信済みリスト/金子鋭一さん

ライバルの送別会でする握手/せいじさん

 

宮村典子先生 宮村典子先生

「送る」という課題をどう広げたか?自分だけの見付け、気付きはあるか?などを話しながらの選句でした。作句、投句を楽しんでいただいている皆さんの作品を一句ずつ拝見するのは、選者にも張り合いのある時間です。ちょっと表現を変えると佳句になるのに…と思う作品もあります。しっかりと推こう(見直し)してくださいね。今月の天・地・人は、作品の中に人間が居る(心情を詠んだ)ところを評価しました。

投稿者:みえ~るくん | 投稿時間:18:50 | 過去の入選作 |   | 固定リンク


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