2016年2月

【みえDE川柳】 お題:凍る

天 さよならの形で唇が凍る/相模秋茜さん

宮村典子先生 悲恋を詠みながら、愛がこぼれてきそうな情感がある。取り返しのつかない別れ方をして、凍りついた心を抱きしめながら震えている作者の姿が浮かぶ。ドラマ性のある一行詩として深い味わいがある。

 

地 初めての恋にとまどう雪女/如月さん

宮村典子先生 「凍る」という課題からの発想の意外性に驚かされた。良いイメージが無い雪女の純なところをすくい、初めての恋にとまどい凍ってしまった…と詠んだ感性が素敵。この雪女は作者自身かも知れない。純な人なのである。

 

人 解凍に時間がかかる物忘れ/福笑いさん

宮村典子先生 ある年齢になるとどうしても脳が固まって(凍って)きて、昨日まで覚えていたことさえなかなか思い出せなくなる。情けないが、思い出すまでに時間のかかること甚だしい。その様子を「解凍に時間がかかる」とは上手い表現。の共感句。

 

<入選>

伊勢志摩の握手が凍りつかぬよう/招き猫さん

冷凍をしておく褒められた記憶/アンドブルーさん

解凍のチンが威張った妻の留守/加藤当白さん

凍るまで落ちるしかない滝の水/福村まことさん

湯の山は風も凍れば木にも花/森いもりさん

寒波より孫10人に凍るばば/よしじろうさん

身も凍る妻の微笑の裏の裏/速水正仁さん

「分かりませんか」その一言に凍りつく/デコやんさん

悪口を本人宛に誤送信/二谷悟司さん

仲間呼ぶ鴉(からす)は声を凍らせて/E子さん

 

宮村典子先生 宮村典子先生

 今月の「天」と「地」にはドラマ性のある句を選びました。五七五を解くと物語になるところに川柳の魅力を感じます。「人」は誰にでも思い当たることを上手く表現しています。それぞれ、読む人、聞く人の思いに届くでしょう。
 入選10句は、いろいろな視点からの「凍る」です。課題を、社会派・ユーモア派・抒情派・詩性派のどれに詠んでも、そこに人間の喜怒哀楽が息づいてこそ川柳は成立するのです。初入選の方が数人おられるのもうれしいことでした。

投稿者:みえ~るくん | 投稿時間:18:50 | 過去の入選作 |   | 固定リンク


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