2017年8月

【みえDE川柳】 お題:汗

天 神輿ゆく汗とピアスを輝かせ/茶唄鼓(ちゃかどん)さん

宮村典子先生 若者が神輿(みこし)を担ぐ躍動感を、「汗とピアスを輝かせ」で見事に表現している。若者に期待を寄せる作者の弾むような想(おも)い、彼らに託す未来への喜びが溢(あふ)れていて、思わず胸が熱くなった。感動の一句である。神輿を担ぐピアスの若者たちが「日本の祭り」の伝統を繋(つな)いでいってくれますように、この平和が続きますように……と祈らずにはおられない。

 

地 何ごともなかったように汗をふく/ゆずきちゃんさん

宮村典子先生 さらりと言いながら意味の深い句。共同作業で大汗をかいて立ち動いたあとか、または何か大きな失敗をした場面でのことだろうか?
 前者なら謙虚な姿が浮かぶし、後者なら精神力の強さを思う。いずれにしても、わたしが頑張りました! とか、わたしが失敗しました!とか、自己PRの強い人が多い中、「何ごともなかったように……」は、なかなか出来ることではない。見習いたい。

 

人 人知れず夜中に汗をかくピエロ/もとピエロさん

宮村典子先生 ピエロには、自分が辛(つら)く悲しい時にあっても、周りの人を笑わせて陽気な気分にさせるという任務がある。この汗は、どうすれば、みんなをよりハッピーにできるだろう? という苦心の汗かも知れないし、どうしようもない自己憐憫(じこれんびん)の汗かも知れない。どちらにしても、冷たい汗だろう。ピエロは作者。哀愁の漂う句である。

 

<入選>

光る汗白球ドラマ俺が書く/安田蝸牛さん

炎天下ペットボトルも汗をかく/加藤当白さん

青空の下嘘のない汗をかく/入道雲さん

洗濯機汗のパジャマが踊り出す/E子さん

頑張った汗は真珠になっていく/まゆゆさん

初デートフロントガラス汗をかく/夏椿さん

掛けたヤマ全部外れてどっと汗/颯爽さん

 汗かいた人は渡らぬ渡り初め/沢田正司さん

方便の嘘と知っている苦い汗/福村まことさん

温暖化地球汚れた汗をかき/やんちゃんさん

 

宮村典子先生 宮村典子先生

 「汗」は八月にピッタリの課題でした。青春(甲子園)の汗、ボランティアの汗、ユニホームの汗、冷や汗、など実感句がたくさんありましたが、もうひと捻(ひね)りというか、表現の工夫に欠けている作品が多かったように思います。入選には、見付(みつ)けや、気付きのユニークさ、実感、共感の強い作品をいただきました。暮らしの中で気付いたことや思ったこと(自分の気持ち)を普段(ふだん)から書きとめておくと、課題に重ねて五七五に生かされますし、川柳がもっともっと楽しくなるでしょう。

投稿者:みえ~るくん | 投稿時間:18:50 | 過去の入選作 |   | 固定リンク


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