【Q&A】高齢で薬が使えない場合の治療法は?

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数年前当時80歳の母は、肺MAC症と診断されて、近くの内科で、まず2剤処方をされましたが、自宅で服用後すぐ気分が悪くなるということで服用をやめ、様子をみることになりました。
それから1年過ぎたころより血たんが出るようになったため、総合病院に入院して代表的な3剤が処方されましたが、服用翌日から40度近くの発熱が続き、結局3日で服用を中止しました。
その後、血たんの量も増えたり、せきも出たり、倦怠感など症状がいろいろ出てきましたが、治療をあきらめて過ごしました。
高齢で副作用が強く出る人は、ほかに何か治療の方法はあったのでしょうか?(60歳 女性)

専門家による回答

最初2剤を使用して、次に3剤が使われていますが、この中で一番重要なのはクラリスロマイシンです。クラリスロマイシンが副作用の原因かどうか確かめたでしょうか?私だったら、1週間程度クラリスロマイシンだけを服用してもらって、のめるかどうか確認します。それでも副作用が出てしまうようなら、本格的な治療は諦めることになります。
いろいろな工夫をしても、MAC症の薬が全くのめない高齢の患者さんは、決して珍しくありません。その場合は、完治を目指す方針はやめて、自覚症状が強くなった時に、アミノグリコシド系の注射薬を適宜使って病気の勢いを抑えることを考えます。
聴力障害や腎障害の副作用があるので、耳の遠い人や腎臓の悪い人には使えませんが、のみ薬と違って食欲低下や気分不良などの副作用はないので比較的使いやすい薬です。ただ週に3回程度の間隔での注射が必要なので、注射してくれる医療機関を探してお願いしています。

(2017年2月14日(火)放送関連)

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