感染者が急増している肺MAC症とは


MAC菌という、結核菌によく似た菌の感染によって起こる肺の病気が肺MAC症です。
最近、CT検査や遺伝子検査の普及により、発病している人が多いことが明らかになってきました。特に日本では際立って患者さんが増えており、肺MAC症が原因で亡くなる人は年間1000人以上と推測されます。
急増している原因として考えられるのが、風呂場での感染です。42℃前後の温度で繁殖しやすいMAC菌にとって、気密性の高い風呂場は、まさに最適な環境なのです。
MAC菌は、土や水の中のほか、浴槽のお湯の注ぎ口やシャワーヘッドのぬめりや湯あかにいます。そうした場で、しぶきや霧状の水滴、土ぼこりなどが発生し、その中のMAC菌を肺に吸い込むと感染すると考えられています。
危険な肺MAC症の症状


MAC菌は、結核菌と比べて病原性が弱いため、感染してもしばらくは症状のない状態が続きます。
その後、肺の炎症が進むと、せきやたん、血の混じったたんなどの症状が現れます。ただし、結核と異なり、人から人へ感染することはありません。
肺MAC症が進行すると、一時的な発熱や全身のだるさ、食欲低下による体重減少といった症状が起こるようになります。さらに進行すると、酸素療法が必要になるほど、呼吸困難で危険な状態に陥ることがあります。
肺MAC症は、こうした症状が10年以上の長い時間をかけてゆっくりと進行していくのです。
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