Q&A 大腸がん

目次

大腸がん(早期発見)のよくあるご質問
大腸内視鏡検査 事前に心がけることは?
内視鏡検査が少し大変 今後も受けるべき?
くぼんだタイプの大腸がんは発見できる?
大腸内視鏡検査のリスクは?
大腸がん(内視鏡治療)のよくあるご質問
内視鏡治療後の検査は一生必要?
内視鏡治療後の検査頻度は?
内視鏡治療ができない どうしたらよいか?
大腸がん(手術と抗がん剤)のよくあるご質問
手術後の抗がん剤治療はいつまで続ける?
腹腔鏡手術後の発熱 原因と治療法は?
直腸がん手術後の肛門の症状について
大腸がんの再発はなぜ起こる?
大腸がん手術後の腸閉塞について

大腸がん(早期発見)のよくあるご質問

大腸内視鏡検査 事前に心がけることは?

便が細くなる、便秘、腹痛、血便などの症状があり、大腸内視鏡検査を受けました。
検査当日に2Lの下剤をのんでから検査を受けましたが、
担当医から「大腸の中に便が残っており、観察ができない部分が少しある」
と言われました。
大腸内視鏡検査で大腸全体をよく観察できるようにするために、検査を受ける前に心がけた方がよいことはありますか?(42歳 男性)
検査前の食事を指示通りにして、腸管洗浄液を予定どおり内服しても便が残る場合は大きく2通りあります。一つは便秘の方で、ご高齢の方や糖尿病の方によくみられます。毎日は排便がない方で、日頃より下剤を内服しているような方は2~3日前からしっかり緩下剤を内服した上で、腸管洗浄液を内服するときれいに洗浄できます。
もう一つは憩室〔けいしつ・腸のポケット〕が多発している方です。腸管洗浄液でいったん便が流されても、遅れて憩室内の便が出てきてしまうため、きれいにならないのです。洗浄液を2段階に分けて内服するなど、のみ方に工夫が必要です。便秘の方はその旨を、また一度検査で便が残っていると指摘された方は、前回は便が残っていたと申し出てくだされば、下剤の調整を行います。

内視鏡検査が少し大変 今後も受けるべき?

3年前、大腸内視鏡検査を行ったところ、良性のポリープ「腺腫」が2個発見され、無事切除してもらいました。
その後も、再度、大腸内視鏡検査を勧められましたが、20代の頃より毎年行っている便潜血検査では一度も問題なかったので、検査を受けるべきか迷っています。
再度、大腸内視鏡検査を受けるべきでしょうか。検査が少し大変です。(56歳 男性)
ポリープ(腺腫)は、高齢になるほどできやすく、一度腺腫が認められた方はいずれまた腺腫ができる可能性は高くなります。その一方、腺腫が発育するスピードは遅く、直径が2倍になるのに数年以上かかるとされています。
ですから、毎年内視鏡検査を受ける必要はないのですが、間隔が少々あいても末永く検査を続けることが大事です。3年から5年ほどの間隔で大腸内視鏡検査を受けるのが一法ですが、体に負担のない便潜血検査で代用する考え方も悪くありません。ただし便潜血検査の場合は毎年受診し、陽性となったら大腸内視鏡検査を受診して下さい。

くぼんだタイプの大腸がんは発見できる?

くぼんだタイプ(陥凹【かんおう】型〕の大腸がんは大腸内視鏡検査で発見できるのですか(51歳 男性)
ポリープの形態の隆起型病変は一目でわかりますが、陥凹型は見つけにくいので見逃す可能性が高くなるのは事実です。隆起型・陥凹型いずれも5mm未満の小さなものでは、大腸のひだの裏などの死角に隠れて、見逃すこともあり得ます。「床にばらまかれた大豆なら全て拾うことは難しくありませんが、胡麻でしたら見過ごすものも出てくる」と例えればご理解いただけるでしょうか?
一方で、病変を見つける手段としては内視鏡検査が最も精度が高いので、「陥凹型の大腸がんを見つけるためには大腸内視鏡検査でなければ難しい」ということもいえます。

大腸内視鏡検査のリスクは?

便秘、腹痛の症状が続いて消化器内科を受診して大腸内視鏡検査を希望したところ、担当医から「大腸内視鏡検査で事故を起こすのが怖いので今はやらないでおきましょう」と言われました。
大腸内視鏡検査は事故を起こす危険な検査なのですか?(35歳 男性)
正しく行われれば危険はきわめて少ないですが、確かに100%安全というわけではありません。まず、血圧が不安定な方や心筋梗塞や脳卒中などの血栓症を起こしたことがある方は、準備の下剤や、食事制限を含め、検査関連で新たな発作を起こすことがあります。基礎疾患が不安定な場合は、病状が落ち着いてからの検査が望ましいです。高齢者ではこれらの病気を伴っている頻度が高いので、特に注意が必要です。
また、腹痛を伴う便秘の場合はがんによる狭窄〔さく〕の場合があるので、下剤の内服で腸管が破裂したり、そこまで行かなくても腸閉塞で緊急手術が必要になることもあり得ます。(腹部の手術後に高度の癒着がある場合なども穿〔せん〕孔のリスクが高くなります。)
体の状況によっては危険な検査になる場合もありますので、事前の診察で検査を行える状態か検討することが重要です。

大腸がん(内視鏡治療)のよくあるご質問

内視鏡治療後の検査は一生必要?

5年前(51歳)、S状結腸の早期直腸がん(大きさ10mm)をESDで治療しました。
その後、年1回の内視鏡検査を続けて、幸いにも再発はないようです。
主治医からは「一生、検査しないとだめ」と言われていますが、今後も年1回の内視鏡検査が必要でしょうか?
下剤が苦しくて、できれば負担のかからない便潜血検査だけで済ませたいのです。(56歳 女性)
一度大腸がんができた方は、遺伝的または環境的になりやすい背景があると考えられますから、一般の方に比べ、またがんができやすい状況にあります。
「一生、検査しないとだめ」とはちょっと極端に聞こえますが、言いかえれば大腸がんができやすい可能性があるので、早期発見のために引き続き定期的に検査をしましょう、と言うことです。がんを内視鏡切除した場合、切除した場所を観察して確実に取り切れていることは確認する必要があり、初回検査は1年以内が望ましいですが、その後の検査は新たに発生する病変がターゲットになり、その方のリスクによって検査間隔が異なります。
リンチ症候群では毎年の検査が推奨されますが、一般的なリスクの方で、検査時に切除すべき5mm以上の病変を認めなかった場合は、2~3年間隔を開けても良いでしょう。検査がつらいなどでできるだけ間隔を延ばしたい場合でも、遅くとも5年後までに再検査をお勧めします。

内視鏡治療後の検査頻度は?

去年1月に早期の大腸がんが見つかり、内視鏡治療をしました。
その後は、7個の良性のポリープ「腺腫」を切除しました。
最終の内視鏡治療は、去年7月でしたが、私の場合、次回の内視鏡検査はいつごろ受けたらよいものでしょうか?(61歳 男性)
がんの内視鏡治療後の初回検査は質問①への回答のとおりですが、ポリープを数個以上切除している場合、治療に時間をとられ観察が十分ではないことが多々あります。検査時間が長くなると検査の精度が低くなりがちです。
この場合は小さな病変、見つけにくい病変を見過ごす可能性が高くなりますので、1年後に再検査をお勧めします。ポリープがない、または1~2個切除する程度の場合は2~3年後の検査でもよいと考えます。

内視鏡治療ができない どうしたらよいか?

92歳の母の大腸腺腫治療について質問です。
結腸(直腸付近)に4cm程度の腺腫が見つかり、内視鏡治療で切除完治可能との診断を受けたのですが、入院前に心臓弁膜症に伴う心不全を発症しました。
腺腫は大きいながら前がん状態で急速に増殖するかどうかはわからないので、心機能の維持を優先して「腺腫の内視鏡治療をしない」との判断となりました。
心臓の状態も悪く手術もできないのですが、このまま放置して、腺腫のがん化、イレウスの発症などが心配です。どのような注意をすればよろしいでしょうか、ご教示ください。(女性)
ご高齢になると大腸がんが増加する一方で、ご質問のように心臓病や脳血管障害など、いろいろな病気が併存する頻度が高くなります。治療についても“あちらを立てればこちらが立たず”の状態となることも少なからず経験します。今もっとも具合が悪いところを整え、それが治まれば、その時点でまた一番具合が悪いところを整えて、できるだけ良い状態を保つということを繰り返すことになります。
大腸がんは進行が比較的緩やかで、貧血や腸閉塞などの自覚症状は年単位で、相当に進行してから明らかになります。腺腫から明らかながんに育ち症状が出現するまでは、さらに年単位で時間がかかると推測されますから、内視鏡治療でも体に負担がかかると予想されれば、無理せず経過観察の検査もなしでいつもどおりに日々を過ごしていただくのも一法と思います。

大腸がん(手術と抗がん剤)のよくあるご質問

手術後の抗がん剤治療はいつまで続ける?

1年前に下行結腸がんの開腹手術を受けました。今は抗がん剤治療をしています。CT検査は3か月おきにしています。今のところ「転移は無い」と言われました。どのくらい抗がん剤治療をすればよいのでしょうか。(67歳 女性)
大腸がん術後の再発率が高いと考えられる方では、再発の可能性をできるだけ減らすために抗がん剤治療を行う「術後補助化学療法」が勧められます。とくに、リンパ節転移があるステージIII(再発率約30%)の患者さんには、術後補助化学療法を原則6か月行うのが一般的です。
術後補助化学療法では、多くの方で副作用が起きます。そのためステージIII以下の患者さんで術後補助化学療法を希望する場合には、そのメリットとデメリットの両方についての説明をよく聞いた上で、判断することをお勧めします。
この方の場合は、術後1年経過して再発を認めないとのことですので、抗がん剤治療の終了を担当医に相談するとよいでしょう。

腹腔鏡手術後の発熱 原因と治療法は?

76歳の父親がS状結腸がんです。腸閉塞になる寸前という事で、まずステントで腸を広げる手術、その3週間後に腹腔鏡手術を受けました。手術後、少しずつ歩けるようになり、食事もとるほど順調でした。
5日後の夕方、38.5℃分の熱が出ました。インフルエンザは陰性です。 抗生物質(抗菌薬)を3回投与し、絶食状態でしばらく様子をみるとの事でした。発熱した原因と治療法を教えてください。(46歳 女性)
「縫合不全」が最も疑われます。縫合不全とは、手術後に、吻合〔ふんごう〕部位の一部もしくは全体が解離してしまう現象です。日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が行った腹腔鏡手術と開腹手術での比較試験(JCOG0404)の結果では、結腸がん手術後の縫合不全合併率では差がなく、腹腔鏡手術、開腹手術ともにその発生頻度は3.6%でした。
縫合不全発生時の対策としては、抗菌薬の投与などの治療のほかに、CTガイド下でのドレナージ、人工肛門の造設や、吻合部を切除しての再吻合などがあります。治療方針は縫合不全の程度、随伴する炎症や膿瘍の範囲の評価、および有効なドレナージの有無により決定します。

直腸がん手術後の肛門の症状について

2016年12月に直腸がんステージⅣの腹腔鏡手術を受けました。肛門を温存する予定でしたが、温存できずに人工肛門手術になりました。便意をもよおすと、縫ってある肛門に重たい感覚を感じ、たまに何か無色の液体が出ることもあります。原因としては何が考えられますか?(56歳 男性)
腹腔鏡下での腹会陰式直腸切断術を受けられたと思います。この手術特有の合併症としては、手術の傷の感染、会陰ヘルニアなどがあります。肛門は手術時に完全に閉じてしまいますが、手術の傷は感染しやすく、一度感染すると難治性で、治癒するまでに1~2か月かかることがあります。会陰ヘルニアは、手術後に小腸が骨盤腔に落ち込むことで起こる合併症です。
この方の場合は、術後1年以上経過していますので、発熱がなければ手術の傷の感染は可能性が低いと考えられます。便意をもよおすと肛門に重たい感覚を感じるのは、骨盤腔内に落ち込んだ小腸が拡張することによるものと思われます。一度、専門医の診断を受けるとよいでしょう。

大腸がんの再発はなぜ起こる?

一昨年12月、下行結腸がんの手術を受けました。リンパ節転移は見つからなかったのでステージⅢ、抗がん剤カペシタビンを6か月8クール行いました。しかし抗がん剤治療を受けても再発率が20~30%あるそうです。再発してしまうのはなぜでしょう?(59歳 女性)
大腸がんを完全に治すための治療の原則は、手術でがんを完全に取りきることです。しかし、手術で目に見えるがんを完全に取りきれたとしても、目に見えない小さながん細胞が体内に残っている可能性があり、その小さながん細胞が、手術後に目に見えるまで大きくなることを「再発」といいます。再発をできる限り防ぐために、手術後に抗がん剤を使用する治療を「術後補助化学療法」といいますが、抗がん剤の治療効果は100%ではないため、完全に死滅しないがん細胞が残ることで、一定の頻度で再発を来してしまいます。
とくに大腸がんが大きくなるにつれて、リンパ液に侵入したがん細胞がリンパ節に流れ着いて増殖することがあります。これをリンパ節転移と言います。リンパ節転移の特徴は、がんができた部位から順々に隣のリンパ節に転移していくことです。遠くのリンパ節にいきなり転移することはあまりありません。

大腸がん手術後の腸閉塞について

S状結腸がんで開腹手術を受けた後、腸閉塞が起こり、入院期間が1か月延びました。私は開腹手術でしたが、腹腔鏡手術ならば術後の腸閉塞の頻度が減るのでしょうか?(58歳 男性)
日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が行った腹腔鏡手術と開腹手術での比較試験(JCOG0404)の結果では、腸閉塞は開腹手術524件の中で5件、1.0%、腹腔鏡手術では533件の中で3件、0.6%でした。開腹手術・腹腔鏡手術ともに数は少ないものの手術後に腸閉塞は起こってしまい、その差はないものと考えられています。

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