Q&A すい臓がん

目次

2018年8月8日(水)、9日(木)放送へのご質問
腫瘍マーカーが高いがCT検査は異常なし 経過観察でよいか?
すい臓がん 検診が可能になる日は?
IPMNは悪性になる前に処置できないのか?
すい臓がん 再発しなければ生存率高い?
2017年6月14日(水)、15日(木)放送へのご質問
すい管拡張 原因と今後は?
すいのう胞 検査はこれでよい?
検査がつらく 気が進まない
主すい管拡張 検診は年1回?
すい臓がん手術後にIPMN
腫瘤[りゅう]の摘出をすすめられたが、なぜ?
再発予防 日常生活は?
すい臓がん転移 抗がん剤の選択は?
便通多く消化不良 すい臓がん?
2017年1月26日(木)放送へのご質問
すい臓がん発見のための検査項目は?
超音波内視鏡検査は必要ないか?
IPMNを手術できないのか?
分枝型多房性のう胞
検査は体に影響しないか
すいのう胞 検査の頻度は?

2018年8月8日(水)、9日(木)放送へのご質問

腫瘍マーカーが高いがCT検査は異常なし 経過観察でよいか?

すい臓がんの腫瘍マーカーCA19-9が178となり、精密検査でCT検査を受けましたが、異常はなく3か月後まで経過観察となりました。このまま何もせずにいて、3か月たったら手遅れだったということにはならないでしょうか?
また、何かほかに検査をするとしたら、どんな検査がよいでしょうか?(57歳女性)
CA19-9が178は異常高値です。たまに異常がないのに高値な方もいますが、一般的に精査が必要です。まずは、1か月後にCA19-9を再検してもらって下さい。もし、さらに上昇しているなら、そのときにCTを再検すべきです。必ず造影剤を用いて、「thin slice CT」すなわち細かい間隔でCTを撮像してもらって下さい。
どのような医療機関で診察されているかわかりませんが、1か月後にCA19-9が高値であれば、大きな病院(大学病院、国立病院、県立病院などです)を受診されることをお勧めします。

すい臓がん 検診が可能になる日は?

知人が最近すい臓がんで亡くなりました。胃がん検診や大腸がん検診のように、すい臓がんも職場や自治体で検診を行うことが可能になる日は来るのでしょうか?(59歳女性)
現在でもエコー検診(腹部超音波)を行っている自治体があると思います。早期のすい臓がんは小さいので、直接エコーで発見することは難しいのですが、間接所見、すなわち、がんがあるためにすい管が拡張しているなどの所見でスクリーニングします。

IPMNは悪性になる前に処置できないのか?

IPMN(すい管内乳頭粘液性腫瘍)があり経過観察を始めて5年目です。多少大きくなっています。IPMNはいずれ悪性になることが多いと聞きます。不安な日々をおくっていて大きなストレスです。
IPMNが悪性になる前に処置する方法はないのでしょうか?悪性になってからでは体力や年齢が不利だと思います。しかし担当医には聞きづらいです。
また、IPMNについて詳しい情報を知るにはどうしたらよいですか?(60歳女性)
すい臓手術はまだまだ合併症が多く、悪性でないうちに手術をしておくことには反対です。しかし、放置して進行がんになってからでは遅いので、定期的な検査で悪性を疑う所見がないかを慎重に判定します。
それには、IPMNやすい臓がんに関する高度な知識と経験が必要です。大学病院などの専門施設でご相談下さい。IPMNの詳しい情報は、必ず大学病院などで勤務する専門医から直接お聞き下さい。インターネットなどの情報は不確実なものも含まれます。

すい臓がん 再発しなければ生存率高い?

家族がすい臓がんです。腫瘍は直径3cmですい尾部にあります。手術で切除し、そのあと抗がん剤治療を半年間行う予定です。私としては「すい臓がんは再発しなければ生存率も維持できる」と考えていますが、この考えは正しいでしょうか?(41歳女性)
はい、再発さえなければ、5年生存されますし、もちろん完全に治癒(ちゆ)される方もいらっしゃいます。抗がん剤を半年間投与されるとのこと。完遂されることが大事ですから、主治医とよく相談されて、6か月間の完遂を目指して下さい。

2017年6月14日(水)、15日(木)放送へのご質問

すい管拡張 原因と今後は?

夫が健康診断で「すい管拡張」と言われ、CTと内視鏡の精密検査を受けましたが、悪性腫瘍は見つかりませんでした。拡張の原因は何が考えられますか?
受診した病院では「飲酒」や「ごく小さなポリープの可能性」と言われています。
また、今後どのように経過観察するとよいですか?(42歳女性)
すい管拡張は、すい臓がん早期発見の重要な間接所見ですが、必ずがんがあるわけではありません。心配しすぎないことも重要です。拡張の原因には、慢性すい炎(これは飲酒と関係があります)、すい管内乳頭粘液性腫瘍などの可能性も考えられます。半年後くらいを目安に再度検査をしていただくのがよいと思います。その後の経過観察は主治医と相談してください。

すいのう胞 検査はこれでよい?

去年、すい臓に3cmののう胞が見つかり、半年ごとにMRI検査で経過観察することになりました。この頻度とこの検査で大丈夫ですか?のう胞は切除しなくてもよいですか?
また、検査後の受診で医師に聞くべきポイントを教えてください。なお、父親が咽頭がん、子どもは腎臓がんになりました。(61歳女性)
すいのう胞を手術するべきか、経過観察をしてもよいかは、いくつかのポイントがありますので、主治医の先生とよく相談することが重要です。MRI検査を半年間隔で行うというのは適切だと思います。必要があれば、超音波内視鏡検査をしていただくのがよいと思います。
大きさだけではなく、のう胞の中に腫瘍があるか、のう胞の壁が厚いかどうかなどが重要なポイントです。咽頭がんや腎臓がんとは、あまり関係がないと考えられています。

検査がつらく 気が進まない

人間ドックで「おそらく、すい臓ののう胞だろう。がん化も考えられる」と言われ、精密検査を受けています。MRI、CT、超音波内視鏡と検査が続き、3か月後にも同じ検査を受けます。「すい臓がんは見つかりにくいので、とにかく検査しかない」とのことですが、短期間にこれほど検査を受けて害はありませんか?
超音波内視鏡は苦痛が大きく、検査後1週間はのどが痛みます。この間隔で検査が続くと思うと憂うつで、気が進みません。(53歳女性)
MRIと超音波検査は体に害はありません。CTは放射線を使うのでごく少量の被曝[ばく]がありますが、この場合は検査をするメリットが被曝のリスクを大きく上回っているので、心配する必要はありません。検査の結果、悪性の可能性が少ないと判断されれば、検査の間隔も広がりますし、検査も簡単なものですませることができると思います。

主すい管拡張 検診は年1回?

去年ドックで「主すい管拡張」があり、総合病院の消化器科でCT検査を受けました。「すい臓に異常はみられず、すい管拡張も確認できない」という結果でしたが、毎年検診を受けるように言われています。検診は年1回でいいですか?
また、すい臓の病気はピロリ菌と関係ありますか?(62歳女性)
CT検査ですい管拡張がない、またその他の心配な所見がない、ということであれば、年1回程度の検診でよいと思います。すい臓の病気とピロリ菌との感染は関係ないと考えられています。

すい臓がん手術後にIPMN

2年前、すい頭部がんの手術を受けました。すい頭と十二指腸を切除し、抗がん剤のS-1を1年間服用しました(1日100mg)。今のところ再発の徴候はありません。しかし、手術の4か月後から、すい臓のアミラーゼが最大120程度まで上昇し、徐々に低下しています。また、MRCP検査では、すい管の中間くらいにIPMNとみられる病変が見つかりました。「IPMNもがん化することがある」というので心配です。今後どうしたらいいですか? なお、腫瘍マーカーCA19-9は、最大37程度、今32程度です。
また、手術後、年に2回ほど突然の発熱(39度)、悪寒、心窩[か]部の鈍痛があり、1~2日で改善します。「逆流性胆管炎ではないか」と言われています。この症状を防ぐ方法はありますか?(58歳 男性)
IPMNとは、すい管内乳頭粘液性腫瘍のことで、基本的には良性ですが、悪性に進行する場合もありますので、経過観察が必要です。病変の大きさや形を観察し、経過観察で良い場合が多いです。悪性の疑いが強ければ、すい臓を全部取る「すい全摘術」が必要になる可能性があります。主治医とよく相談することがよろしいと思います。
逆流性胆管炎は、すい頭十二指腸切除術を受けた方のうち、ある一定の確率で発生する副作用です。多くが 抗生物質(抗菌薬)の投与で軽快しますが、重症になると肝臓に膿がたまったりすることもありますので、熱が下がらないときは、病院を受診することが重要です。確実に防ぐ方法はありませんが、規則正しい排便や食事などが重要と考えられています。

腫瘤[りゅう]の摘出をすすめられたが、なぜ?

ことし5月「すい尾部腫瘤[りゅう]」と診断されました。「悪性の可能性もある」とのことで腫瘤の摘出をすすめられています。この腫瘤は平成17年に「脾[ひ]腫」、18年に「副脾」と診断され、さらに昨年11月に「すい神経内分泌腫瘍の疑い」と診断されたものです。最初の診断から10年以上経過して、今回摘出がすすめられるのはなぜですか?
また、ことし1月に前立腺がんの手術を受けたばかりですが、腫瘤を摘出することで、前立腺がんに影響はありませんか?(70歳男性)
すい神経内分泌腫瘍は まれな腫瘍ですが、診断がつけば通常手術が行われます。
診断が難しく、「副脾」との鑑別は難しいとされています。ゆっくりと進むことが多い腫瘍ですが、以前より大きくなっている場合などは手術がよいと思います。前立腺がんへの影響は、ないと考えてよいと思います。

再発予防 日常生活は?

すい臓がんの手術で、すい頭と十二指腸を切除し、抗がん剤S−1を半年間服用しました。再発や転移を防ぐために、日常生活ですべきことやすべきでないことはなにかありますか?(47歳男性)
再発や転移を防ぐ方法は、薬物療法以外には見つかっていません。一般論ですが、規則正しい生活や、禁煙、過食を避ける、アルコールもほどほどに、ということが言えると思います。

すい臓がん転移 抗がん剤の選択は?

ことし3月、すい臓がんが見つかり肝臓にも転移していました。ナブパクリタキセルとゲムシタビンを使った抗がん剤治療を3投1休で行っています。
2クールを終えて造影CT検査を受けたところ、腫瘍は減少していました。副作用は手指と足の裏のしびれです。私の治療に最適の抗がん剤の選択はどのように行われているのでしょう。(70歳男性)
抗がん剤は、がんに対する効果だけではなく、患者さんの全身状態や体力に合わせて選ばれます。ナブパクリタキセルとゲムシタビンを使った治療法は、現在、最も優れた組み合わせの一つですので、ご安心ください。

便通多く消化不良 すい臓がん?

66歳の夫のことで
夫は最近、1日に5~6回も大便をもよおします。消化されていない食べものが混じっていることもあるそうです。1年前に糖尿病と言われ、肥満体型で喫煙もしています。お酒はそれほど飲みません。慢性すい炎やすい臓がんではないかと心配です。どうしたらいいでしょう?
これだけの情報ではなんとも言えません。すい臓の病気かも知れませんし、胃や大腸の病気かも知れません。ひとつ間違いなく言えることは、近くの病院で検査を受けたほうがよい、ということです。

2017年1月26日(木)放送へのご質問

すい臓がん発見のための検査項目は?

家族がすい臓がんで亡くなりました。毎年の健康診断では異常がなかったうえ、腹部超音波検査も受けていましたが、がんが見つかったときはステージ4の末期でした。
健康診断や人間ドックですい臓がんの疑いを知るには、どの項目をチェックするといいのですか? (40歳男性)
腹部超音波検査(US)は受診者の負担が少なく、最も広く行われている優れた検査法です。
一方、すい臓は長さが15cm程度あり、また胃の背側に位置しており、胃内のガスや腹壁の脂肪などの影響で、受診者のすい臓をすべて観察できないことがあります。USを受けられた際には、検査の担当者に「私のすい臓はよく見えましたか?」と確認されてもよいでしょう。
観察が不良の場合、MRI(MRCP)の施行を検討されてもよいでしょう。血液検査の項目では、アミラーゼやリパーゼなどのすい酵素、CEA、CA19-9などの腫瘍マーカーの数値にご注意ください。

超音波内視鏡検査は必要ないか?

3年前に8mmのすいのう胞が見つかり、MRI検査と血液検査を続けています。のう胞は大きくなっていません。血液検査の最高値はリパーゼが84、アミラーゼが141、CA19-9が10です。
今後、MRI検査と腹部超音波検査を6か月ごとに交互に受ける予定です。超音波内視鏡検査は今の段階で受ける必要はありませんか?
なお、ほかに危険因子はありません。(74歳男性)
8mmのすいのう胞に対し、すでに3年間MRIで経過を見られて変化がないとのことですので、今後MRI検査と腹部超音波検査(US)を6か月ごとに行う方針でもよろしいかと思います。
ただし、すい酵素(アミラーゼ、リパーゼ)の数値が若干高値のため、より詳細にすい臓を観察することが可能な超音波内視鏡検査(EUS)を施行し、すいのう胞以外の所見を確認しておくと安心です。

IPMNを手術できないのか?

6年前にIPMN(すい管内乳頭粘液性腫瘍)と診断され、半年ごとに超音波検査、1年ごとにCTまたはMRIの検査を受けています。 
7~8cmの腫瘍が2つですが「経過観察でよい。がん化したら手術しましょう」と言われています。手術はできないということですか?
不安な気持ちで毎日を過ごしています。(62歳女性)
ご質問者の場合、のう胞の大きさが7cmおよび8cmと大型のため、良性か悪性かの判定には注意が必要です。
しかし、IPMNはのう胞の大きさ、のう胞内の結節の有無、主すい管の径(直径)などを総合的に考慮して良性か悪性かを判定します。現在まで6年間経過観察をされた結果、担当医から「様子をみてよい」とのご判断であれば、今後とも経過観察でよろしいのではないかと思います。
すい臓の手術は患者さんの身体的な負担が小さくないため、施行するかどうかは慎重に判断します。

分枝型多房性のう胞

8年ほど前に分枝型多房性のう胞が見つかりました。最初16mmで現在は19mmです。超音波とMRIの検査を1年おきに受けています。すい臓がんと関係ありますか?
ほかの検査も必要ですか? (71歳女性)
すい管の分枝にのみIPMNが存在する分枝型IPMNは、大半が良性で経過が非常にゆるやかなため、多くは経過観察となります。
一方、近年IPMNのがん化とは別に、IPMNと別の部位に通常型すい臓がんが発生する頻度が比較的多いことが報告されています。ご質問者の場合、8年間でのう胞の増大傾向はわずかですので、IPMNと別の部位の通常型すい臓がんの発生を意識した検査を考慮されるとよいでしょう。
超音波内視鏡検査(EUS)を経過観察法に取り入れている病院もあります。担当医とよくご相談ください。

検査は体に影響しないか

すい臓にのう胞があり、年に一度検査を受けています。造影剤を使ったCTと血液検査(腫瘍マーカー含む)を行っています。造影剤による体への負担はありませんか。また、血液検査も続けたほうがよいですか? (49歳 女性)
造影剤を使用したCTは、すい臓と周囲血管の区別が容易に可能であり、非常によい検査方法です。ただし、造影剤の使用により、まれに強いアレルギー反応や腎障害を引き起こす危険があるため、注意が必要です。
軽い腎機能障害をお持ちの場合は、MRI(MRCP)や超音波内視鏡検査(EUS)を代わりに行う方法もあります。また、すいのう胞が小型の場合でも、年1回程度の画像検査をおすすめします。

すいのう胞 検査の頻度は?

人間ドックですいのう胞が見つかりました。MRI検査の結果から経過観察をしています。半年に一度超音波検査を受けていますが、頻度をもっと上げなくていいですか? 父をすい臓がんで亡くしています。(51歳女性)
MRIの結果、すいのう胞が小型の患者さんでは、半年に一度の画像検査で十分かと思います。
一方、のう胞内部に結節を認める、あるいは主すい管の拡張がみられる場合は、超音波検査に加えてMRI(MRCP)や超音波内視鏡検査(EUS)などを加えて経過観察することが望まれます。
ご質問者は若年であり、すい臓がんの家族歴もお持ちですので、今後も継続した経過観察をおすすめします。

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