Q&A 双極性障害

目次

2019年2月14日(木)放送へのご質問
高齢者の双極性障害への対応は?
双極性障害は治るのか?
私にあった薬は?
治療を継続させるには?
双極性障害は遺伝する?
うつのときの薬は?

2019年2月14日(木)放送へのご質問

高齢者の双極性障害への対応は?

13、4年前から自律神経失調症・うつ状態だと思って治療していた70歳の母が、約4年前に双極性障害だとわかりました。一昨年10月ごろから躁転(そうてん)し始めて、去年1月~3月に入院しました。10月ごろからまた躁転し始めています。双極性障害の躁転する時期はだいたいいつも同じになってしまうのでしょうか?
母は1人暮らしをしているので他人に迷惑をかけているのではないかと心配ですが、連絡をほとんどしていません。このような対処でよいのかとても不安です。(42歳女性)
ご苦労をお察しいたします。高齢で1人暮らしというのは、普通の方でも生活が大変です。お母さまに会うことは出来なくとも、主治医の先生にはお会いして、状況を説明されるのがよいと思います。できれば、主治医からお母さまへ介護保険の導入などを勧めていただき、それなりの介護認定がもらえれば、デイサービスや訪問看護が導入できます。
もちろん、精神科のデイケアに通所することも選択肢ですが、デイサービスのような送迎はありませんので、通所が難しいと思います。それと並行して、きちんとした薬物療法を継続することも重要で、これに関しても主治医の先生と話し合うことが必要でしょう。

双極性障害は治るのか?

双極性障害は治るのでしょうか?寛解、治癒について教えてください。(56歳女性)
うつ病と比較すると双極性障害は再発危険性が高いです。その意味では、治りにくいと考えます。しかし、治らないわけではありません。ひとつひとつの気分エピソードは、適切な治療により正常気分に回復しますし、気分安定薬をきちんと服用することで、再発危険性も抑えることができます。双極性障害の患者さんを長期にわたって追跡した研究が少ないながらあります。

たとえば、米国で428名の患者さんを最長20年追跡した研究では、半数の患者さんがよくなり、半数の患者さんに何らかの気分症状、とくに慢性の軽症うつがあったといいます。他方、スイスで406名の患者さんを最長40年間追跡した研究では、16%の患者さんしか寛解に至らなかったといいます。私の経験では、再発を繰り返すうちにご自分なりの対処法を会得できて再発しにくくなり、さらに気分安定薬を漸減・中止できて治癒した患者さんや、退職などでストレスが減った場合に、気分安定薬を減量、さらには中止できて治癒に至った患者さんがいます。

私にあった薬は?

双極性障害になって6年。うつ状態よりも躁(そう)になっているときが多いです。薬は私に合っているかは定かではありませんが、医師は「うん、うん」とよく聞いてくれるので信頼しています。
でもなかなか治らず、一進一退で、不安です。症状は、自分を責めてしまったり、自分を卑下してしまったり、食欲旺盛で食べ続けてしまったり。いつまでこの状態なのか不安です。(48歳女性)
必ずしも「うん、うん」と話を聞いてくれる精神科医が名医とは限りません。特に、双極性障害の場合には薬物療法に詳しいことが必要です。リチウムなど気分安定薬を処方する際には、定期的に採血してリチウム濃度を測定しながら、投与量を加減する操作が必要です。
もしも、リチウムを処方されたことがない、あるいはリチウムを処方されても血中濃度を測定されたことがないならば、別のところで治療を受けることをお勧めします。

治療を継続させるには?

3年前から母(76歳)がほぼ間違いなく双極性障害になっています。本人も分かっているようですが、その事実を認めることができず、治療をするという行動をしません。薬が合わないと言ってすぐにやめて、その後は病院に行きません。病院でも見栄っ張りなことしか話しません。
母の兄も躁病でした。躁状態が次第に長く続くので家族としてはかなりつらい状態です。鬱(うつ)の期間は短く、どちらかというとやっと普通の人に戻ったと感じる程度です。ひどいときは電話を何度もかけたり、延々と話し続けたり迷惑をかけているようです。
お母様が双極性障害にもかかわらず、継続して治療を受けることが出来ないということですね。このような場合には、ご本人を抜きにして、主治医の先生と連絡を取り、家族として受診して現状を正確に伝え、どのように対応したらよいか、相談に乗ってもらうことが必要です。病院によっては、往診してくれるところもあります。

双極性障害は遺伝する?

夫が双極性障害で自殺しました。息子に遺伝するのではないかと不安です。双極性障害は遺伝するとききますが、どれくらいの確率で遺伝するのでしょうか?(57歳女性)
ご指摘のように、双極性障害はうつ病と比較すると遺伝しやすいと言われています。双子の研究というのがあって、遺伝子が同じ一卵性双生児の場合には、二人とも双極性障害を発症する確率は36~80%です。
一方、遺伝子が同じではない二卵性双生児の場合には7~13%という確率が報告されています。そのため遺伝の影響を受けると考えられています。しかしながら、一卵性の場合でも100%にならないのは環境も大事ということです。

うつのときの薬は?

2月から躁がうつに転じて、仕事に出ることができなくなりました。処方はリチウム800mgとオランザピン20mgでしたが、うつに転じてからオランザピンを減薬し現在5mgです。仕事に行きたいと悩むのですが行けません。うつから脱出したいのです。リチウムの方を減薬した方がよいように思えるのですが。(45歳男性)
リチウムはオランザピンよりも古くから使用されており再発予防の科学的根拠も豊富です。また、比較的高濃度でリチウムは抗うつ効果も発揮しますので、主治医の先生はリチウムを減量していないと思います。
とはいえ、薬の効きには個人差がありますので、疑問に思ったことは主治医の先生に率直に相談して下さい。

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