【Q&A】早期慢性すい炎を発症 痩せて体重が増えない

更新日

昨年末、みぞおちに痛みがあり、リパーゼが700~800と高い状態が続き、体重が2kg減りました。半年後、すい臓のさまざまな検査を受け、早期慢性すい炎と診断されました。現在、パンクレリパーゼとプロトンポンプ阻害薬を内服しています。しかし体重は増えません。薬などはこのままでよいのでしょうか?(56歳 女性)

専門家による回答

早期慢性すい炎にも原因や進行度の程度はいろいろあるため、治療法は確立しておらず、長期予後も不明です。現在、日本膵臓学会が治療と長期経過について、調べているところです。調査の終了する数年先までわかりませんが、今までにわかっていることとして、アルコールが原因の場合には、禁酒のみでも進行が抑えられ、すい炎が治る患者さんのいることが確認されていますので、禁酒が一番効果的です。 禁酒以外には、すい臓への負担を軽減する目的で、パンクレリパーゼなどの高力価消化酵素薬や胃酸分泌阻害薬、あるいは経口たんぱく分解酵素阻害薬などの投与が試みられており、一部の患者さんに有効であったとの報告はありますが、今のところ禁酒ほどの効果は確認できていません。 早期慢性すい炎の患者さんの多くは、急性および慢性すい炎の場合と同じく脂肪制限食をとっており、ご質問の方のように体重の減る方が多いですが、体重減少に伴う身体的症状がないようであれば、特に心配はないかと思います。

(2018年8月6日(月)、7日(火)放送関連)

関連する病気の記事一覧