急性すい炎と慢性すい炎 症状の違いとセルフチェック法(重症化すると命の危険も)

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どう違う?「急性すい炎」と「慢性すい炎」

急性すい炎と慢性すい炎の違いとは

急性すい炎は激しい炎症がすい臓内で一気に起こるのに対し、慢性すい炎は小さな炎症がすい臓のあちこちで起こり、時間をかけて進行します。

急性すい炎の症状
慢性すい炎の経過

それぞれの症状は、急性すい炎は突然、みぞおちからへそあたりの激しい腹痛が起こります。さらに、すい臓は背中側にも近いため、背中や、腰に痛み感じる場合もあります。痛みの他には、吐き気やおう吐、発熱といった症状が起こる場合があります。

一方、慢性すい炎は、初期の頃は、急性すい炎と同じように腹痛や背中の痛みがありますが、病気の経過とともにその痛みを感じにくくなってきます。また、すい臓の機能が壊れてしまうため、消化吸収の悪化によって、下痢や食べた物の脂肪分が便に混じる脂肪便、体重の減少といった症状が現れます。

すい臓の病気を早期発見!セルフチェック

すい臓の病気を早期発見!セルフチェック

すい臓は、肝臓と並び、沈黙の臓器と呼ばれています。症状が出た頃にはもう手遅れという時代もありましたが、早期発見ができれば、治療できるようになってきました。
帝京大学医学部附属病院 佐野圭二教授があげる10項目の「すい臓の病気になりやすい?セルフチェック」を参考に、自分自身の体のケアを行っていただきたいと思います。

①お酒が大好き ほとんど毎日飲んでいる
②揚げ物やラーメンなど 油っぽいものが好き
③魚より肉が好き
④野菜はほとんど食べない
⑤運動はほとんどしない
⑥生活が不規則で睡眠不足のことが多い
⑦ストレスが溜まっている
⑧コレステロール値が高いと言われたことがある
⑨タバコを吸っている
⑩糖尿病である

6つ以上当てはまる場合は注意しましょう。
特に「①お酒が大好き ほとんど毎日飲んでいる」に該当する方は、そのほかに該当するものがなくても要注意です。

すい炎の検査

すい炎の検査には、すい臓の様子を確認する造影CTの検査や、胃カメラの先に超音波のついた特殊な内視鏡を用いる「超音波内視鏡検査」などがあります。
超音波内視鏡検査ではすい臓に近いところから超音波を当てることができるため、すい臓の小さな病変などを調べることができます。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2020年5月 号に掲載されています。

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この記事は以下の番組から作成しています

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    その痛み!もしや…すい臓の病気 徹底特集「がんリスク上昇!慢性すい炎」