【Q&A】すい臓が石灰化 治療法や薬はこれでよい?(慢性すい炎について)

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慢性すい炎と診断され10年以上です。3か月に一度は血液検査をしています。
薬はたんぱく分解酵素阻害薬だけです。2年前、すい臓に9ミリの石灰化が見つかりましたが、医師は「炎症の後が石灰化しただけなので、薬はこれまでと同じでよい」と言います。番組を拝見すると、ほかにも薬があるようですが、このままでよいでしょうか?
また石灰化とは、すい石と同じものですか?(61歳 女性)

専門家による回答

石灰化=すい石と考えてよいでしょう。太いすい管やすい管の分枝のような細いすい管にすい石ができるのが、すい石症です。例外もありますが、一般に慢性すい炎が進行してすい臓の消化力が落ちるころから、すい石が現れ始めます。
10年以上前から慢性すい炎と診断され、たんぱく分解酵素阻害薬を内服していて、2年前に石灰化が初めて見つかったとのことですから、慢性すい炎としては比較的早期に発見され、薬が効いていて、すい炎の進行を遅らせていたと考えられます。
たんぱく分解酵素阻害薬は、慢性すい炎の早期に炎症を抑えることによって、すい炎の進行を抑える働きが期待できます。すい石があっても まったく症状がない場合は、今の治療で様子をみてよいと考えます。
すい石のためにすい液の流れが悪く、すい管が太くなったり、すい臓の萎縮が進むようであれば、すい石ができた場所にもよりますが、治療が必要となる場合もあります。定期的にエコーやMRI(MRCP)やCTなどの画像検査を受け、悪化しないかどうか経過をみることをおすすめします。

(2017年6月13日(火)放送関連)

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