【Q&A】前立腺がんの治療 放射線治療を受けるべきか?

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2009年2月に前立腺を全摘除。当初のリスク分類はT2a。その後再発と見られることからT3aに変更。定期的にPSAを測定していますが、術後1年半経過したころから徐々に上昇し、2017年4月では「1.689」。放射線治療を勧められているが、自覚症状なしで合併症も心配なことから経過観察しています。
この2年は毎年PETを実施していますが異常なし。放射線治療を受けるべきでしょうか?(64歳 男性)

専門家による回答

徐々にPSAが上昇してくるパターンの場合、前立腺が本来存在した部位を中心に救済放射線療法(前立腺がんの全摘出後、再発を抑えるために放射線治療を行うこと)で再びPSAが低下することが約50%くらいの患者さんで認められます。
ただし、この方の場合、すでにPSAは1.689まで上昇しており、放射線療法の開始のタイミングとしては若干遅いと思われます。一般的にはPSAが0.5前後くらいまでに開始をするかどうか判断すべきです。
また、T3a患者では、PETで病変が確認できなくても顕微鏡レベルでは骨などに微小な転移巣が存在する可能性は40%ほどあると考えられます。したがって、ホルモン療法を開始する選択肢もあります。

(2017年5月22日(月)放送関連)

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