2015年06月04日 (木)「遅延型」食物アレルギー検査に注意


「慢性疲労などの原因となる食物アレルギーが診断できる」として一部の医療機関で行われている高額の血液検査について、日本アレルギー学会は「科学的に根拠がなく、健康被害を招くおそれがある不適切な診断が行われている」として注意を呼びかけました。

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これは日本アレルギー学会が5月28日、東京で市民講座を開いて呼びかけたものです。この血液検査は、免疫機能の指標のひとつであるIgGという抗体の値を調べるもので、「疲労や頭痛などさまざまな慢性症状は『遅延型』と呼ばれる食物アレルギーのせいで、その原因となる食品が分かる」などとして一部の医療機関で行われています。

一般に広く行われている食物アレルギーの血液検査は、IgEという別の抗体の値を調べるもので保険適用になります。しかしこの「遅延型アレルギーがわかる」などとして行われている血液検査は、保険がきかず、中には5万円以上かかったり、特定の食品について食べないよう指導されたりするケースもあるということです。このIgG抗体は健康な人の体内にも存在することなどから、欧米の関連学会や日本小児アレルギー学会では「科学的根拠がない」として食物アレルギーの診断には使うべきではないという見解をまとめています。

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市民講座では、厚生労働省の研究班が去年、食物アレルギーと診断されたことがあると答えた患者2000人余りに対して行った調査結果が示されました。そしてこの検査を根拠に特定の食品を食べるのをやめていた人が、大人では17%、子どもでは5%いたことが報告されました。そのうえで学会の見解として、「科学的根拠がなく、検査を基に多くの食品の摂取を制限すると低栄養などの健康被害を招くおそれもある」として注意を呼びかけました。
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日本アレルギー学会の斎藤博久理事長は「誤った診断による食事制限は特に子どもにとっては非常に危険だ。正しい知識に基づく医療が行われるよう呼びかけていきたい」と話しています。

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投稿者:山本未果 | 投稿時間:08時00分

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