2015年06月03日 (水)子どもの事故対策に「曲がる歯ブラシ」


乳幼児が歯磨き中に歯ブラシで口の中をけがして救急車で病院に運ばれる件数は東京都内だけで毎年40件。
繰り返される事故を防ごうと「曲がる歯ブラシ」が開発中です。
事故を防ぐポイントとともにお伝えします。

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【1~2歳に目立つ事故】

東京消防庁によりますと、歯磨き中に歯ブラシが口の中に刺さる事故で救急車で病院に運ばれた5歳以下の子どもは、平成26年までの5年間に207人に上っています。

特に目立つのは1~2歳の乳幼児です。

magahabu4.jpg【歩いたり走ったりして転んだ際に】

歯磨き中に親が目を離した隙に動き回りけがをすることが多く、中には手術が必要な大けがをするケースもあったということです。

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【事故を防ぐポイントは】

このため東京消防庁では、6月4日から10日の「歯と口の健康週間」に合わせホームページで歯磨き中の子どもの事故への注意喚起を行っています。
ホームページには具体的な事例とともに事故を防ぐポイントが示されています。
小さな子どもに歯磨きをさせるときは、

▼歯磨きに集中させることや、
▼イスの上など不安定な場所で歯磨きをさせないこと、それに
▼保護者が付き添うことなどを呼びかけています。


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【「曲がる歯ブラシ」開発中】

一方、小児科の専門医などで作るNPO法人「セーフキッズジャパン」では、こうした事故を防ぐため、
口の中に刺さらないよう柔らかい素材を使った特殊な歯ブラシの開発を進めています。
親の注意だけに頼るのでは事故は防げないという考え方から、製品の根本的な改良に乗り出したのです。
大阪のデザイン会社と歯ブラシ工場と協力し、柄が曲がるデザインにたどりつきました。


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【注意しきれず悩む保護者】


実際に保護者に尋ねてみると、
「子どもは忙しいときに限ってちょこちょこ動き回ってしまうので、歯ブラシ事故はやっぱりこわい」とか、
「上の子どももいるのでどうしても目を離してしまうことがあり、危ないという認識はあるが危険をすべて取り除くのは日常の中では難しい」、さらには
「危ないので子どもが持って行ってしまうものは何でも取り上げるくらい気を使っているが、歯ブラシは取り上げるわけにはいかないのでひやひやする」
などと悩みが聞かれました。
「曲がる歯ブラシ」は保育園などでテストされていますが、保護者からは安心できるなどとおおむね好評だということです。


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【刺さりにくい以外の利点も】

この歯ブラシには刺さりにくいという特徴とともに、もう1つ利点があります。
歯磨きのときに力を入れすぎると歯や歯茎を痛めてしまいますが、この歯ブラシは曲がるために適度な力で磨けるというのです。
これは親が子どもの歯を磨いてあげる仕上げ磨きのときにも威力を発揮しているようで、子どもが痛がらず嫌がらなくなったという感想もありました。

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【環境変えて子どもを守る】

NPO法人「セーフキッズジャパン」代表で小児科医の山中龍宏さんは、
「親は子どもから目を離した自分を責めてしまいがちで、この種の事故は表面化しずらく、明らかになった事故は氷山の一角。
親の注意にも限界があり、製品の改良なども通じて、環境を変えることで子どもを守ることが重要だ」
と話しています。


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【取材後記】

歯磨き中の子どもの事故は東京都内で救急車で病院に運ばれたものだけで毎年40件ほど起きています。
人口比率による単純計算ですが、全国的には毎年400件ほど起きているおそれがあります。
また、親が自分を責めて表面化しない事故まで含めれば件数はさらに多くなるはずです。決して人ごとではありません。
「曲がる歯ブラシ」は平成27年中に製品化が予定されています。
親の注意はもちろんですが、繰り返し起きる事故については特に、子どもの安全を守る製品開発やそうした製品の活用が期待されます。

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投稿者:三瓶佑樹 | 投稿時間:08時00分

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