2019年07月30日 (火)私、花粉皮膚炎でした


※2019年3月13日にNHK News Up に掲載されました。

「目の下いったいどうしたの。…誰かに殴られた?」

先日出勤するなり、同僚から恐る恐るこう聞かれました。そう、私の目の下は1月の終わりから500円玉大の赤い炎症が…。無用な心配をかけてはさすがにいけないと思い、ようやく病院に行き医師から告げられました。

「花粉皮膚炎でしょう」

ネットワーク報道部記者 吉永なつみ・ 伊賀亮人・ 木下隆児

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<目の下が日に日に赤く…>
毎年寒さが和らぐころ、私(吉永)が春の訪れを一番にキャッチするのは鼻です。20年来の花粉症。ことしも1月下旬から鼻がむずむず、くしゃみ連発、目はかゆい。

加えてことしは、目の下が目立つくらい赤く腫れ、皮膚がぴりぴりするようになりました。「そういえば花粉症の季節は肌荒れしやすかったな」と思い出し、たいして気にもとめずに昼はファンデーションを塗って赤みを隠し、夜はふだんどおりの化粧品で保湿をして寝ていました。

ところがちっとも治らない。それどころか、日に日に赤みが増し、面積も大きくなっていったのです。そして同僚からかけられたのが、冒頭のことばでした。

「花粉皮膚炎でしょう」
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そのひと言に背中を押され、赤みが出てから2か月たってようやく、近所の皮膚科を受診しました。数年前に食物アレルギーなどがあるかを調べるために血液検査を受けていたので、その結果も持参しました。スギにはしっかり陽性反応が出ています。
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持参した筆者の検査結果
診察した医師は、血液検査の紙と記者の肌の状態を見くらべて言いました。

「スギ花粉の季節でもあるし、花粉皮膚炎と考えてほぼ間違いないでしょう」

さらに、診断を確定させるには「スクラッチテスト」といって、アレルギー症状を引き起こす原因物質を含んだ試料を、皮膚の表面に塗って針でひっかき、反応を見る方法があるといいます。
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結果が出るのに丸2日かかりますが、“花粉皮膚炎の疑い”という段階でも処方できる塗り薬などがあるというので、わらにもすがる気持ちで「お願いします」と頼みました。

出されたのは、保湿効果のあるローションと炎症を抑える塗り薬でした。これらを1日2回顔に塗り、スギ花粉のピークである3月と4月をじっと耐えて過ごすよう言われました。
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<若い女性に多い花粉皮膚炎>
そもそもなぜ、花粉で皮膚炎が起きるのでしょうか。

東京医科歯科大学大学院の皮膚科学分野の横関博雄教授によると、花粉症だからと言っても全員が皮膚炎を発症するわけではないそうです。そして、皮膚炎になる人の多くは若い女性だと指摘します。
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横関博雄教授
「肌にはバリアーとも呼ばれる角質層があって皮膚を守っていますが、化粧を落とす時にクレンジングでゴシゴシ洗ってしまうとバリアーが壊れてしまいます。その結果、皮膚炎が起きているものと考えられます」(横関教授)
角質層が壊れると異物に反応する細胞に直接花粉が触れてアレルギー反応を起こし、非常に強いかゆみが生じるというのです。そして、一般的なかぶれや湿疹のようにジクジクとした症状やブツブツがなく、目の周りや顔、首などの皮膚が赤くなるのが特徴だということです。

また、花粉皮膚炎はスギ花粉が飛び交う2月から5月ごろに多くなるほか、人によってはブタクサなどの花粉が飛ぶ秋にも発症する人もいるそうです。

<やってはいけないこと>
さて、皮膚科を受診した私。今後のためにやってはいけないことを医師に聞きました。
「荒れた皮膚はアレルギー反応を起こしやすくなっています。炎症をなんとかしようと、いろいろな化粧品をあれこれ試したくなる気持ちはわかりますが、今のあなたの肌はいわば穴だらけの状態。バリアー機能が働くふだんの肌ならなんでもない化粧品が刺激物となって、炎症を悪化させることもあります。保湿液は1種類に絞ったり、化粧落としはジェルやクリームタイプにするなどできるだけシンプルに、肌への刺激を少なくしてください」(担当した皮膚科医)
また前述の横関教授によると、お肌の手入れだけでなく、外出の際もなるべく顔に花粉が接触しないよう、めがねやマスク、帽子などを使い、帰宅後にはすぐ頭からシャワーを浴びて洗い落とすことが望ましいということです。

<私も…が続々>
花粉皮膚炎は、このところテレビなどで取り上げられていることから、ネット上では、最近知ったと言う人のつぶやきがあふれています。
「花粉皮膚炎なんてあるのか。どうりで春頃になるとかゆくなったわけだ」

「私も花粉皮膚炎だと思う…目の周りが試合後のボクサーみたいだもん」

「花粉皮膚炎もっと有名になってくれー。私、人相変わるレベルの症状出るので、知人に会うとぎょっとされるし、毎度の説明がめんどくさいんだわ」

<早く対策とれば治りやすい>
専門家が口をそろえて言うのは「早めの受診」。化粧品を変えたばかりでもないのに炎症が出ておかしいなと感じた時点で皮膚科を受診したほうがよいのだそう。スクラッチテストなどでアレルギーの症状の原因物質を特定し、生活環境から取り除いたり塗り薬や飲み薬で炎症を抑えたりすると、皮膚炎は早く治りやすいというのです。

これまでを悔やんでもしかたがありませんが、今の私の気分はやはりこのひと言。「早く知っておきたかった」

投稿者:吉永なつみ | 投稿時間:14時14分

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