2014年12月11日 (木)子どもの名前、「名づけ」に変化? 


ことし生まれた子どもは、どんな名前が多かったのか。今月1日、大手生命保険会社が契約者を対象に調べた結果が発表されました。 1位に輝いたのは、男の子は「蓮」くん。女の子は「凛」ちゃんと「陽菜」ちゃんでした。 世相を表すと言われる子どもの名前、最近は、例えば「大翔」のように知っている漢字でも 組み合わせ方によっては読み方がちょっと難しいのが特徴です。(ちなみに、「大翔」で、 「ひろと、はると、やまと」などと読むようです)こうした背景には「名づけ」の方法の変化があるようです。

 

【人気の名前は?】
ことし生まれた子どもの多かった名前はご覧の通りです。
調査は、明治安田生命が保険の契約者を対象に毎年行っているもので、ことしは6700人余りを調べました。

男の子は草花の“はす”のひと文字で表す「蓮」が2年ぶりに最も多くなりました。次いで「大きい」に飛翔の「翔」と書く「大翔」“ひろと””はると”などと読む名前が、そして、太陽の「陽」に「向かう」と書く「陽向」“ひなた”“はるた”が3位で、男の子は太陽の「陽」を使った名前が上位10のうち3つを占めました。
また、女の子は、女の子は太陽の「陽」に菜花の「菜」と書く「陽菜」“ひな””ひなた”などと りりしい様を表すひと文字で「凛」がそろって最も多くなりました。次いで、「結ぶ」に「菜」と書く「結菜」“ゆな”“ゆいな”などと読む名前が3位で、女の子は上位10の中に「凛」と 作りが異なる同じ読みの「凜」も入っていました。

【難しい名前・・・保育の現場では】
最近生まれた子どもたちの名前にはどのような傾向があるのか。
東京・新宿区にある新宿せいが保育園で子どもたちに名前を聞いてみると、みはやちゃん(心楓)、はると君(陽仁)、あかねちゃん(藍香子)、さとしくん(慧/知志)・・・。よく知っている漢字でも組み合わせによっては読み方がちょっと難しいのが特徴でした。
子どもの名前を間違えないよう、保育園では、出席簿の表記を全てひらがなにしています。さらに、顔写真に名前をつけたリストも活用しています。
保育士の小松﨑高司さんは「入園申込書など正式な書類は名前の表記が漢字なので、読み方が分からず戸惑うことはあります。子どもの名前に関して目に入るものは全てひらがなにするという工夫をしています」と話していました。

【子どもの名前、どう決める?】
どうやって子どもの名前を決めたのか、東京・練馬区で産後ヨガをしていたお母さんたちに聞きました。
息子を「遥真(はるま)」君と名づけた女性は、「画数を調べる時に名づけネットみたいなもので調べて、その中から自分たちが気に入った感じを選びました」と話してくれました。
また、娘を「由鈴(ゆず)」ちゃんと名づけた女性は、「名づけアプリのようなサイトで調べました。珍しい漢字ではないのですが、何と読むの?とよく聞かれます」と話していました。


【専用の名づけアプリも】
ネットだけではなく、最近は、スマートフォンやタブレット向けの赤ちゃんの名づけに関する専用のアプリを利用する人も増えています。名

づけアプリの制作会社の担当者に話をきくと、アプリができてこの2年間で、すでに50万回ダウンロードがされているということです。
アプリは、人の名前に使う漢字などを組み合わせた17万にのぼる名前の候補から、名字にあった画数の名前を自動的に示す仕組みで、なかには珍しい漢字を使った名前もあります。 検索方法も、名字にあった名前を選べるだけでなく、「読み方」や「明るい・さわやか・優しい」など、名前のもつイメージから名前を検索することもできるようになっています。 名前は、使える漢字が決まっているのに対して、読み方は自由に決められます。このため、例えば、「輝星」という名前を検索すると、「きあら、きら、きらと、きらん、こうせい、そら、だいや・・・」など、様々な読み方は紹介されています。

アプリ制作会社 リクルーティング スタジオの塚田貴道さんは、「いろいろな候補を知ることで名づけの選択肢も広がると思います。一字一字調べるのではなく、画数のよい名前を提示してくれるので、『こういう漢字もあるのだ』と気づきながら、実際に名づけている方も多いようです」と話し、こうしたアプリの普及が、多様な名づけにつながっているのではないかと話していました。

【取材後記】
歴代の子どもの名前のランキングを見ていると、例えば男の子だと「学」「誠」「健一」など、漢字に思いが込められた名前が多い印象でした。そして、最近はというと、漢字ひと文字ひと文字に意味を込めるというより、名前全体の持つ響きや印象・イメージを大切にしている方が多いようでした。
こうした名づけをより後押ししているのがネット、スマートフォン、タブレットの普及です。最新の技術は、一瞬にして、名字にあう画数の名前を列挙し、なおかつ、自分が知らなかった漢字を使った名前も提示してくれます。そこで、思わぬ素敵な漢字を知り、響きに出会い、名づけをする人も増えているようです。また、最近は、実際に「書く」より「入力」する機会が増えています。難しい漢字もあらかじめ文字を登録しておけば簡単に使うことができます。こうした「入力の文化」が広がっていることも、ちょっと難しい名前を後押ししているのではないかと話す専門家もいました。
多くの人にとって、子どもの名前は、親からの初めてのプレゼントです。今回の取材を通じ、多様になる名前は、選択肢が多い今の時代ならではの現象であり、子どもへの思いの強さの表れの一つの形なのかもしれないと感じました。

投稿者:清有美子 | 投稿時間:08時00分

コメント

陽仁(はると)くんは普通だと思うけど。
他は読めない。

投稿日時:2015年02月05日 09時44分 | 匿名

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