2019年12月25日 (水)台風接近!間に合う停電対策は


※2019年10月8日にNHK News Up に掲載されました。

「またか…」
天気予報を見て、そんなことを思った人も多いのでは。
台風19号が週末の12日(土)から13日(日)にかけて、暴風域を伴って西日本から北日本にかなり接近する見込みです。
頭をよぎるのが、停電。
先月の台風15号では、千葉県で長期間にわたって大規模な停電が起こり、日常生活に大きな影響が出たのは記憶に新しいところです。準備に追われる動きと今からでも間に合う停電対策を取材しまし
た。
ネットワーク報道部記者 郡義之・ 井手上洋子

taihu191009.1.jpg

何倍も売れている
先月以降、飛ぶように売れているものがあります。
家庭用発電機です。

taihu191009.2.jpg千葉県で大規模な停電が起きたことをきっかけに、スマートフォンの充電や室内照明などの電源を確保しようと、ホームセンターで爆発的な売れ行きを見せています。

関東甲信を中心に約170店舗を展開するホームセンターの「ケーヨーデイツー」では、先月の家庭用発電機の全体の売り上げが前年同月比で3倍に増加。特に千葉県内では売り上げが30倍に急増し、店によっては品薄になる事態も起きました。

さらにここに来て再び台風の接近。家庭用発電機を求める人が改めて押し寄せ、今月7日と8日の全体の売り上げは前年の同時期比で6倍に上っています。

「通常は月に1台売れるかどうかなので驚いています。それだけ市民の防災に対する関心が高いのではないかと思います」(ケーヨーデイツー広報担当者)

メーカーも対応に追われる

taihu191009.3.jpg
発電機のメーカー、ヤマハモーターパワープロダクツによりますと、台風19号の接近に伴ってここ2、3日はホームセンターなどから、まとまった注文が相次いでいるということです。

営業の担当者は「発電機のモデルによっては納品が1、2か月先になるものもあります。そういう場合は、在庫があるほかのモデルで代替ができないかなど、対応を急いでいます」と話していました。

代わりの電源ない場合に備えて

taihu191009.4.jpg
防災・危機管理アドバイザーの山村武彦さんは「停電して代わりの電源がない場合に備えて、すでにあるものを有効活用して、今できる準備をしっかりすることも大事です」と呼びかけます。早めに避難することは大前提としたうえで、今からでもできることを教えてもらいました。

「冷蔵庫を確認。いたみそうなものから調理し備蓄」

taihu191009.5.jpg
停電した場合は冷蔵庫が使えなくなり、なま物などはすぐに食べられなくなるおそれがあります。しかし、炒めたり、煮たりしておけばより保存ができることから、非常時の貴重な食べものにするのがねらいです。

「水を浴槽や空のペットボトルに入れてためておく」
停電時には、住宅によっては水が出なくなりトイレなどが使えなくなることがあるからです。また飲むことがあるペットボトルの水は、雑菌の繁殖を抑えるために空気が触れないように口元一杯にまで入れて、しっかりとキャップを閉めることが大切だといいます。

taihu191009.6.jpgこのほか手軽に少量のものを冷やすことができるように、
「保冷剤を集めて、冷凍バッグなどにしまっておく」
また、いざという時にあわてないために
「家のなかにある乾電池をあつめておく」ことも心がけてほしいとしています。

照明は…
次に、真っ暗な環境でどうやって明かりを取ればよいのでしょうか。
東京消防庁OBで、公益財団法人「市民防災研究所」の坂口隆夫理事は、ろうそくを使う事は勧めないといいます。

taihu191009.7.jpg「目が届かないところで使えば、火事につながるので、安全とは言えません」

5グラムの油で3時間も

懐中電灯などがない場合、坂口さんが紹介しているのが家庭で簡単に作れるランプです。

taihu191009.8.jpg
市民防災研究所のHPより

材料は、食用油、ティッシュペーパー、アルミホイル、ガラスのコップです。ティッシュペーパーをこよりのようにして芯をつくり、折り畳んだアルミホイルに差し込みます。そして油をいれたコップの中にアルミホイルごとつるして芯の先に火をつけます。5グラム程度の油があれば、3時間分ほど安全にともすことができるということです。
(詳しい作り方は、http://www.sbk.or.jp/goods/idea/making_lamp.html)

taihu191009.9.jpgこのほか食事のためにカセットコンロとカセットボンベを用意しておくことや、スマートフォンの充電や冷暖房、それにラジオを聞く事ができるためマイカーがある人は、事前に燃料を満タンにしておくことを勧めています。

今回の取材で、防災・危機管理アドバイザーの山村さんは「防災は段取りが八分」と話し、事前の準備が大事だと強調していました。
週末の接近が予想されている台風19号。まだ備える時間はあります。

投稿者:郡義之 | 投稿時間:16時57分

ページの一番上へ▲