【Q&A】ストレスから腰痛になる?痛みの種類や対処法について

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腰痛歴20年。整形外科では骨に異常がないといわれています。週2回運動していますが、腰痛には波があります。ここ10年は母の介護ストレスがあります。ストレスから腰痛になりますか?(50代 女性)

専門家による回答

ストレスが脳に影響しやすく、慢性腰痛の要因になることは昔から知られていますが、これまで詳しい医師でないと、「心因性腰痛」「原因不明の腰痛」と診断され、適切な診断や治療が受けられないケースがありました。

実は、以前は痛みの種類の分類は、
1)侵害受容性  ぎっくり腰などけがや関節付近の炎症
2)神経障害性  座骨神経痛など神経への刺激
の主に2つであり、脳が関係する痛みはそれ以外の「原因不明」とされがちでした。

2017年に国際疼痛学会が提唱し、2021年10月には痛みに関する学会8団体が(日本痛み関連学会連合用語委員会)、脳で生み出される痛みを、新たに「痛覚変調性」という第3の痛みとして分類することに定めました。今後は慢性痛の診断や治療が変わっていくきっかけになることが期待されます。 もし、脳の画像検査で原因がなければ、「これだけ腰痛体操」を手軽な方法としてやってみましょう。また次のように「マインドフルネス」も試してみるとよいでしょう。

「マインドフルネス」は、不安などにとらわれた「心ここにあらず」の状態から抜けだす方法で、心を別のことに向ける、いいかえれば「痛みから注意をそらす」というものです。痛みが気になり始めたときに、今自分がしていることを自分の中で実況中継するとよいでしょう。たとえば目を閉じて、好きな飲み物をのみながら、飲み物の香り、味、のどごしなどを解説してみます。飲み終わったら今この瞬間に注意を向けられた自分に対して「グッド」「エクセレント」などと褒めてあげます。まず10秒からでいいので試してみてください。
マインドフルネスの例


(2022年2月28日(月)~3月3日(木)放送関連)