Q&A 腱板断裂

目次

腱板断裂のよくあるご質問
棘[きょく]上筋の腱板断裂 体操を続ければゴルフや卓球はできるようになる?
腱板損傷で右腕の動きが悪く熟睡できない 生活上の注意は?
腱板不全断裂で動作によって痛み 63歳だが手術は可能?
腱板断裂で注射でも痛みが治まらない 72歳でも手術で痛みをなくせる?
腱板断裂でリバース型手術をすすめられている 生活に不自由ないが手術すべき?

腱板断裂のよくあるご質問

棘[きょく]上筋の腱板断裂 体操を続ければゴルフや卓球はできるようになる?

3か月前から右の肩と肩甲骨周辺に痛みが出て、先週整形外科を受診しました。
MRI検査の結果、「棘上筋の腱板断裂」と診断され、現在、週1回ヒアルロン酸を肩に注射しています。通常は痛みはありませんが、右腕を使った作業をすると肩甲骨周辺に痛みがあります。TV放送であった体操を継続しようと思いますが、痛みが薄らいだらゴルフ・卓球などの運動は再開できるのでしょうか?(65歳 男性)
ヒアルロン酸の注射は、腱板断裂周辺の炎症を軽減したり、潤滑油として関節の動きや肩峰下[けんぽうか]スペースへの腱板の滑走をスムーズにしたりする作用があります。その注射で痛みは軽減しているようですので、比較的症状は軽度と思われます。
体操療法については番組中に御紹介した体操を継続していただいてもよいですが、現在通院されている整形外科でも体操療法を含めたリハビリ方法を教えていただけると思いますので、是非相談してみてください。
痛みが軽減したら、ゴルフや卓球などの比較的肩への負担の少ないスポーツであれば再開できる可能性が高いと思います。ただし、もし再開して痛みが再燃する場合、手術で腱板を修復してスポーツ活動を継続するか、スポーツ活動を諦めるかの選択を検討する必要があります。

腱板損傷で右腕の動きが悪く熟睡できない 生活上の注意は?

今年1月から右肩先端の痛みが発症、腱板損傷の疑いで整形外科医院へ診療中。
治療は週1回程度の関節腔[くう]内注射としてトリアムシノロンアセニド50mg/5mL 10mL 1mL。リドカイン塩酸塩注射液 5mL 1管を治療。また1日おきに、器具による消炎鎮痛等処置治療法(光線および電波振動等によるもの)を実施しております。
現在右腕が肩より高く上がらず、右手で左わきの下へ届きません。また寝返りを打つことも不可能で熟睡ができません。痛みとの共同生活中です。今後の生活方法のご教示をお願いいたします。
またこの注射はステロイド系と思われますが、どの程度の頻度で治療を続ければよいでしょうか?
鎮痛剤の服用もすすめられていますが、胃弱のためお断りしております。(77歳 男性)
「腱板損傷疑い」とのことですが、MRIやエコー検査で腱板断裂は確認されているのでしょうか? 77歳の肩の痛みの原因として、腱板断裂は一番多いのですが、他に原因(頸椎[けいつい]疾患や末梢神経障害など)があることがありますので、まず痛みの原因が腱板断裂であることを確定する必要があります。トリアムシノロンアセニドの注射により痛みが軽減するのかも診断の一助になります。
今年の1月に痛みが出現しているということは、すでに痛み出してから3か月余り(4月時点で質問を募集した)が経過しています。週に1回のトリアムシノロンアセニドの注射を継続しているとのことですが、トリアムシノロンアセニドは比較的強いステロイド剤ですので、週に1回のペースで打ち続けることは、関節軟骨を含む関節組織の変性、骨頭壊死[えし]、感染、血糖上昇などを生じるリスクがあり、頻度や継続期間を検討する必要があります。
夜間痛が持続していることは睡眠障害につながりストレスがたまりますので、何らかの鎮痛剤を使用することがすすめられます。胃が弱いとのことですが、アセトアミノフェン、トラマドール製剤、プレガバリン製剤、低オピオイド外用剤などの、胃が弱い方でも使える薬がありますので、主治医に相談してみてください。
また、痛みの軽減や動きを改善するには、注射療法や内服薬のほかにリハビリテーションも有効ですので、今実施していないのであれば、主治医にご相談ください。
画像検査により腱板断裂が確定し、上記の注射療法・内服薬・リハビリテーションを実施しても痛みや動きの悪さが改善しない場合、大きな合併症がなければ手術療法を検討する必要があります。
現在の主治医の治療で満足いく結果が得られない場合には肩関節専門医のセカンドオピニオンを求めてください。

腱板不全断裂で動作によって痛み 63歳だが手術は可能?

MRIの結果、腱板不全断裂の診断を受けました。
リハビリをしながら、1か月前に1度のステロイド注射の後、痛みは軽減しましたが、やはり腕の動かし方によって痛みがあり、これからの生活の質の低下が不安です。
63歳ですが年齢的に手術をしても、体力的にも術後の回復が好ましくないことはありませんか?(63歳 女性)
リハビリと1回のステロイド注射で痛みが軽減したことはよい経過だと思います。ただし、腱板不全断裂は特に滑液包側(上側)の場合、完全断裂よりも肩峰[けんぽう]と靭帯[じんたい]の屋根の下に滑り込む時に引っかかりやすく、症状が再燃しやすいことがあります。
しばらくは、現在の治療で様子をみられて、数か月後にMRIを撮影していただき、断裂が拡大していないか確認してください。番組内でもお話したように、腱板断裂は一旦生じると自然治癒する可能性は低く、現状維持か拡大します。
今後、痛みが日常生活に支障をきたすほどに再燃したり、腱板断裂が明らかに拡大したりするようでしたら、手術による腱板修復を検討する必要があります。 63歳という年齢は大きな合併症がなければ、手術する年齢として、決して体力的なことを心配する必要はありません。

腱板断裂で注射でも痛みが治まらない 72歳でも手術で痛みをなくせる?

右肩が痛く、整形外科に通っています。MRI検査で3cmほどの腱板断裂があるとのことでした。あまりに痛く、注射したり、リハビリに通ったりしていますが、ほとんど効果がありません。
70代以上でも手術をすれば痛みがなくなる可能性はあるのでしょうか?
今は、右肩をかばい左肩も痛くなってきました。
手術後もリハビリなどで右肩が使えるようになるには時間がかかるのでしょうか?(72歳 女性)
MRIで3cmの断裂ということは、中断裂から大断裂の中間と思われます。
注射やリハビリの効果がほとんどないとのことですが、現在通院されている整形外科が肩関節に精通しているかどうかが問題です。肩関節専門家にセカンドオピニオンを求めてみることがすすめられます。もしかすると、同じ注射やリハビリでも、その技術の違いにより効果が変わる可能性があります。
このまま症状が改善しないようでしたら、手術を検討する必要があります。3cmの断裂であれば腱板修復が可能と思われます。72歳という年齢は、大きな合併症がなければ手術する年齢としては決して高くはありません。ただし、腱板修復術を行った場合、術後のリハビリ期間は最低6か月かかり、術後4~6週間は装具固定し、洗顔・着替え・食事・車の運転などで右腕を使用することは術後8週以降、家事労働は術後4か月以降になります(断裂の状態や医療機関により多少の違いがあります)。
反対の左肩にも痛みが生じているとのことですが、年齢的に左肩にも腱板断裂を生じている可能性は高いと思いますので、いずれMRIかエコーで確認してみてください。

腱板断裂でリバース型手術をすすめられている 生活に不自由ないが手術すべき?

腱板断裂で、リバース型人工関節手術をすすめられましたが、痛みは少しあっても生活に不自由ありませんので、今手術したくありません。
先々大変になりますでしょうか?注射、リハビリには、通っています。
早く手術したほうが良いのでしょうか?(74歳 女性)
リバース型人工関節手術をすすめられたとのことですので、修復困難な広範囲断裂か変形性関節症を伴う比較的大きな腱板断裂と思われます。
注射やリハビリで痛みが軽減して生活に不自由がないのでしたら、決して慌てて行う手術ではありません。
この手術は、保存療法を行っても日常生活に支障をきたすほどの痛みや動きの制限が続く場合にのみ適応し、手術としては最終兵器的な方法です。もし今の主治医が、症状の改善が得られているのに画像所見だけでリバース型人工関節をすすめているのであれば、適切な判断なのか疑問がありますので、他の肩関節専門医のセカンドオピニオンを求めることがすすめられます。

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