Q&A 糖尿病

目次

2018年9月3日(月)~6日(木)放送へのご質問
がんですい臓を全摘した後の治療について
やせている糖尿病患者
睡眠中の低血糖を予防するには
胃の切除と糖尿病との関連は?
やせている2型糖尿病の食事・運動療法は?
合併症が進行
2016年5月30日(月)~6月2日(木)放送へのご質問
併用して低血糖が起きやすい薬は?
インスリンがまた必要になる?
神経障害でなぜ壊死?
果物は控えたほうがいい?
高齢者でもできる運動は?

2018年9月3日(月)~6日(木)放送へのご質問

がんですい臓を全摘した後の治療について

すい臓がん罹患者です。平成29年10月に膵臓全摘手術を受けました。現在は一型糖尿病患者の同様に血糖コントロールとインスリン投与をし、また抗がん剤治療を受けています。これから、どのような治療を続けていくのでしょうか?(63歳 男性)
ご存知のように、インスリンは膵臓からしか分泌されていません。従いまして、膵臓の全摘手術を受けられたのであれば、ご質問いただいたように1型糖尿病の場合と同じように、インスリン注射が必須となります。
また、膵臓は消化酵素などの分泌機能も持っていますので、食べ物の消化を助けるために消化酵素を内服していただく必要があります。これらの治療を継続していかれれば、血糖値は管理できますので、ご心配いりません。

やせている糖尿病患者

痩せていますが糖尿病と言われました。食後血糖値は100くらいに下がりましたが、ヘモグロビンa1cが6から6.2に上がってきたので、α-グルコシダーゼ阻害薬(ベイスン錠0.2)を処方されました。この薬は食後血糖値を上げない薬らしいのですが私のような食後血糖値が高くない場合でも服用した方が良いのでしょうか。(65歳 男性)
α-グルコシダーゼ阻害薬は、炭水化物が消化されて小腸内でブドウ糖にまで分解されるのを阻害し、その結果食後の急峻な血糖値の上昇をなだらかにするお薬です。食後の血糖値は食後1時間から2時間程度までの間がもっとも高くなると考えられており、この血糖値の上昇が抑制されることが期待されます。
現在の食後血糖値が、食後どのくらいの時間で検査されておられるのかご質問からはわかりませんが、先ずは内服前後にこの時間帯の血糖値を測ってみられてはいかがでしょうか。

睡眠中の低血糖を予防するには

46歳で緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)を発症して19年、最初からインスリン療法を受けています。グルコースを測定するセンサーを使用して血糖値管理も昔に比べて格段に良くなっていますが、たまに睡眠中に低血糖を起こしていることがあります。睡眠中の低血糖を予防するには、どのような補食をすればいいのでしょうか?HbA1cは現在7.0です。(65歳 女性)
通常、低血糖を起こした場合には、ブドウ糖や砂糖など、血糖値を瞬時にあげやすい糖質を摂っていただきます。これは、腸内での分解や吸収が速やかになされ、低血糖からの早期改善が期待できるからです。
一方、睡眠中の低血糖は夜中の3時前後が最も多いとされています。通常、捕食は眠前に摂っていただきますが、ブドウ糖や砂糖だと吸収が速すぎて夜中の3時まで効果が持続することが期待できません。
従って、睡眠中の低血糖を予防するためには、消化・吸収が比較的なだらかな炭水化物の摂取が推奨されます。私は、日中の運動量が多かった日など、夜間低血糖が予想されるような場合には、ビスケットなどを1単位(80 kcal)程度、眠前に摂っていただくように指導しています。

胃の切除と糖尿病との関連は?

28歳時に、胃を4/3切除しました。その後58歳の時に糖尿病と診断されました。糖尿病になる家系ではなくまして、体型的もやせ型です。胃を切除したことが、原因でしょうか?(61歳 男性)
胃を切除すると、食事の後胃から十二指腸、小腸へと通常よりも早く食物が流れ込んで来ます。従って食後の急峻な高血糖が起こりやすくなります。また、この血糖上昇に合わせて過剰なインスリン分泌が誘発され、食後しばらくしてから逆に低血糖が起きることもあります。
このような、胃切除による一過性の高血糖状態は、糖尿病とは診断しません。
ただし、お尋ねいただきました患者様では、胃切除を受けてからすでに30年経過しておられますので、現在胃切除とは直接関係なく糖尿病を発症しておられることも考えられます。疑問に思われる点は、遠慮なく主治医の先生にご相談ください。

やせている2型糖尿病の食事・運動療法は?

やせている2型糖尿病です。糖質を減らしていたら、よけいに痩せてしまいました。 やせている場合にはどのような食事、運動療法がいいのでしょうか?肥満の場合との違いはありますか?(43歳 女性)
基本的には身長や日頃の活動量から必要な摂取エネルギーを計算して、その摂取エネルギーを炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質とバランスよく摂っていただくことが重要です。
炭水化物の割合は、一般的には全摂取カロリーの50~60%が推奨されています。痩せているからといって、必要以上にカロリーを摂取すると、血糖管理が乱れるもととなります。
一方、肥満がある場合には必要量よりも少し控えめに食べていただくと、徐々に体重減量が期待できます。運動は、痩せているからといって特に注意すべき点はなく、むしろ肥満の著しい場合には、急な運動によって膝を痛めやすいことが危惧されます。

合併症が進行

6月に歩いていたら急に右足の指5本に水泡があらわれ、壊疽になってしまいました。3週間入院して切断寸前でした。また、網膜症が悪化していることもわかり、3ヶ月でレーザーを12回する予定です。合併症の進行を止めるには、どうすればいいのでしょうか?(56歳 男性)
合併症が重複して発症しており、ご心配のことと思います。合併症の進行を遅延させるには、血糖管理のみならず、血圧や脂質の管理も重要です。主治医の先生とご一緒に、ご自身のそれぞれの目標値をご確認ください。
また、壊疽の再発予防には普段からのフットケアが有効です。フットケア外来を設置しておられる医療機関もありますので、ご活用ください。
根気よく治療を継続いただくことが最も重要です。

2016年5月30日(月)~6月2日(木)放送へのご質問

併用して低血糖が起きやすい薬は?

DPP-4阻害薬を服用しています。この薬の注意事項に「他の薬と併用したときに低血糖のおそれがあるので、糖分を携帯してください」とあります。どんな薬との併用がよくないのですか?
その場合、どれぐらいの頻度で低血糖が起こりますか? また、糖分はどんなものを携帯すればいいですか?(73歳 男性)
併用して低血糖を起こすおそれがあるのは、のみ薬ではスルホニル尿素薬、速効型インスリン分泌促進薬、注射薬ではインスリン製剤です。なお、DPP-4阻害薬は「単独」で使えば低血糖はほとんど起こりません。食後の血糖値が上がりそうなときにだけ作用する薬だからです。
低血糖が起こりやすいのは、「食事を抜いたとき」や「激しい運動をしたとき」ですが、そうしたことがなければ、頻繁に起こるものではありません。
低血糖が起こったら糖分を口に入れて対処します。ブドウ糖を一口大に固めたタブレットが市販されています。多くの場合、砂糖または砂糖を多く含むお菓子やジュースでもかまいません。

インスリンがまた必要になる?

2年前に糖尿病とわかりました。HbA1c[ヘモグロビンエーワンシー]が11%と高かったため、すぐにインスリン製剤で治療したところ、数値が下がり3か月でインスリンは中止しました。現在はDPP−4阻害薬とビグアナイド薬をのんでいます。HbA1cは6.5%で、それ以上は なかなか下がりません。また数値が上がってインスリンが必要になるのではと心配です。どのような努力をすれば数値が下がるでしょうか?
甘いものはなるべく我慢していますが、まったく食べないわけではありません。また運動はしていません。(59歳 女性)
インスリン製剤は糖尿病が進行し、すい臓のインスリン分泌能力がなくなってきた段階で使うのが一般的です。しかしこの方のように、糖尿病が進行していなくても、血糖コントロールが非常に悪い場合には一時的にインスリンを使うことがあります。その場合、多くはインスリンを中止できます。「またインスリンが必要になるのでは」とのことですが、糖尿病になってまだ2年で現在のHbA1cも6.5%と低いことから、すい臓のインスリン分泌能力はあまり低下していないと考えられます。すぐにインスリンが必要になることはないでしょう。HbA1cをそのまま良好に保つことが、インスリン分泌能力を低下させない一番の方法です。一般的には8%台や9%台からインスリンが検討されます。
HbA1cを下げるには、薬を正しく使うとともに、生活習慣の改善を行うことです。ぜひ運動を始めてください。「おやつを食べたあとは散歩する」のを習慣にするのもよいでしょう。

神経障害でなぜ壊死?

糖尿病の神経障害で壊死が起こるのはなぜですか?(50代 女性)
糖尿病が進行すると、その影響で足などの組織が死んでしまうことがあります。「壊疽[えそ]」とも言います。その理由です。糖尿病の合併症である神経障害が進行すると、足先などの感覚がまひして痛みを感じにくくなり、靴ずれ・傷・やけど・水虫・たこ などが生じても気にせず放置してしまうことがあります。すると知らないうちに悪化し、潰瘍[かいよう]や壊疽が起こるのです。糖尿病のために、血行不良が起こりやすいことや、感染症にかかりやすいことも影響します。最悪の場合には足先などを切断しなければならなくなります。
これを防ぐには足のケアが大切です。「毎日足を観察し傷や感染がないかチェック」「足をよく洗って清潔に」「荒れていたらクリームなどで手入れを」「靴ずれを起こす靴をはかない」「足の爪を丸く切らず平らに切って深爪を防ぐ」などに心がけましょう。また、大きな病院や糖尿病専門のクリニックには足のケアを専門に行う「フットケア外来」を設けているところがあるので、受診するとよいでしょう。

果物は控えたほうがいい?

果物を毎日食べます。量はオレンジだと1個くらいです。果物は血糖値を上げると聞きました。私は糖尿病でも予備群でもありませんが、糖尿病の予防のためには果物を控えた方がいいですか?または1日にどれくらいなら大丈夫ですか?チョコレートやスナック菓子は食べないなど、食生活には気をつけています。(36歳 女性)
果物は糖分が多いので糖尿病の人はとり過ぎてはいけません。1日に握りこぶし大の量までが適量です。しかし、あなたは糖尿病ではなく予備群でもないので、もっと食べてもあまり問題ないでしょう。果物はビタミンや食物繊維を多く含むので、糖質と脂質ばかりが多いチョコレートやスナック菓子よりはすすめられます。

高齢者でもできる運動は?

78歳の母親が糖尿病と診断されて20年近くになります。数年前から合併症の網膜症も治療しています。HbA1cは8.2%前後です。運動が大切だと分かっていますが、足腰が年々弱くなり、なかなか思うように体を動かせません。高齢者でも座ったままできる運動やストレッチはありますか。
少しくらい体を動かせるのであれば、番組で紹介したスクワットがおすすめです。椅子からゆっくり立ち上がったり座ったりする運動です。太ももの大きな筋肉を鍛えることができます。なお網膜症を発症しているとのこと。悪化させないためにはHbA1cをもっと下げる必要があります。治療をしっかり続けてください。

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