Q&A アルツハイマー病

目次

アルツハイマー病 軽度認知障害は治る?
言いたいことと別の言葉が浮かぶ・これはアルツハイマー病?
軽度認知障害・薬を始める時期はどう判断する?
アルツハイマー型軽度認知障害・現状維持や回復できる割合は?
脳梗塞から認知症へ移行する可能性はどれくらい?
アルツハイマー病 検査でどこまで分かる?
脳の萎縮度を調べたが、どのレベル?
脳血流SPECTを受けた方がよいのはどんな場合?
アミロイドβたんぱくを増やさないためにできることは?
アルツハイマー病 薬をどう使い分ける?
12年間進行していないが薬をやめてもよい?
ドネペジルで足がつる?
アルツハイマー病 若年性認知症と言われたら?
58歳・物忘れが目立ち、怒り方が普通じゃない
更年期障害で治療中・言葉が出てこないことなどあるが認知症?
若年性認知症の受診は脳神経外科でもよい?

アルツハイマー病 軽度認知障害は治る?

言いたいことと別の言葉が浮かぶ・これはアルツハイマー病?

10年前から、言い間違いはありましたが(例:バイクを自動車など、同じ種類での言い間違い)最近では、心の中で思う言葉でさえも間違えます。(例:『暖かい』と言いたいのに、『痛い』と浮かんできてしまいます。)この症状は、アルツハイマー病でしょうか?(56歳 女性)
一般的に、アルツハイマー病は、もの忘れで発症することが多いですが、一部の方の場合、言語の症状で発症し、その後、もの忘れなどの症状が出てくる場合もあります。そうした場合、言語の症状としては、言葉が出にくい、漢字がうまく書けないといった症状が多くみられます。ご質問にあるような、「10年前から同じ種類の違う言葉が浮かんできて言い間違えてしまうことがある」といった症状と経過は、アルツハイマー病らしくないとは思われますが、専門医を受診され、言語面やその他の認知機能について診察や検査を受けることをお勧めいたします。

軽度認知障害・薬を始める時期はどう判断する?

70歳の私の妻のことです。1年前に物忘れ外来で検査した結果、軽度認知障害と診断されました。脳の画像検査では全く異状はないといわれ、治療はしていません。日常生活はほとんど普通です。脳の活性化に良いといわれていることはずっと続けているためか、ほとんど進行はないように思います。薬による治療はいつ始めたらよいのでしょうか?判断の仕方を教えてください。(73歳 男性)
一般的には、軽度認知障害の原因がアルツハイマー病と考えられ、認知機能の低下が進んで認知症に進行していく場合には、アルツハイマー病に対する薬を使いますが、一方、検査でもアルツハイマー病を示唆する異常がなく、症状も進行しない場合、薬を使わずに経過をみてもよいと思われます。
主治医の先生に、軽度認知障害の原因や対処についてご相談をしてみてください。

アルツハイマー型軽度認知障害・現状維持や回復できる割合は?

アルツハイマー型軽度認知障害と診断され、5年間ガランタミンを服薬しています。まだ認知症にはなっていないと認識していますが、今後同じ薬をのみ続け、今と同じような生活習慣を出来るだけ維持すれば、現状維持あるいは回復が期待出来るのでしょうか。その割合はどれぐらいと、現在考えられているのでしょうか?(74歳 男性)
アルツハイマー病に対して現在使用可能な薬(ガランタミンなど)は、症状を改善する作用がありますが、残念ながら、病気そのものを根本的に治す効果はありません。従って、診断通りアルツハイマー病であるとすれば、数年単位でみると、症状は緩徐に進行することになります。医師と相談しながら、薬の内服と共に、このまま社会的活動や運動などの生活習慣を続け、できるだけ良い状態を維持するようにしてください。

脳梗塞から認知症へ移行する可能性はどれくらい?

去年の7月、心原性脳梗塞を発症し左半身がまひしました。以前より心臓疾患があり、脳梗塞を予防する意味で血液をサラサラにする薬をのんでいました。ところが、運悪く脳梗塞になってしまいました。
脳梗塞で壊死した脳細胞は、どうなるのでしょう?MRIでは、梗塞を起こしたら、白色が、黒色に変わっていました。発症してから3か月たちましたが、担当医からは、「退院時と比べて変化や梗塞の拡大はない」とのお話でした。脳梗塞の5%は再発があるとの事で心配もありますが、脳梗塞から認知症へ移行する可能性もあるのでしょうか?可能性は大でしょうか?(70歳 男性)
脳の血管が詰まって脳梗塞が起こってしまった場合、壊死した脳細胞自体は元に戻りませんが、リハビリで機能回復をはかります。脳梗塞が再発・多発した場合、認知症になる場合があります(「多発梗塞性認知症」とよびます)。脳梗塞のリスクとなっている心臓疾患のコントロールや脳梗塞の再発予防をしっかりと行うことが大切です。

アルツハイマー病 検査でどこまで分かる?

脳の萎縮度を調べたが、どのレベル?

去年1月に失神したことをきっかけに、総合病院で認知症の診察を受けました。
脳の萎縮度をMRIで調べる「VSRAD」という検査の結果、

関心領域内の萎縮の程度 1.98
脳全体の中で萎縮している領域の割合 4.02%
関心領域の中で萎縮している領域の割合 46.14%
関心領域の萎縮と脳全体の萎縮との比較 11.48倍

との解析結果をもとに「アルツハイマー病」と診断されました。ドネペジル5mgが処方されています。
初診察の1か月後、近所の内科医を紹介されました。処方を続けるようにとのことでした。(近所の先生は、会話をしてみてもなぜその様な診断されたのか疑問を感じるけど、総合病院の結果・指示だから続けましょうという感じです。)
私の場合、「軽度認知症」「アルツハイマー病による認知症」のどのレベル状態なのでしょうか?(69歳 男性)
脳のMRIのみで認知症の有無やレベルを判断することはできません。VSRADで関心領域の萎縮があっても正常の人もいますし、アルツハイマー病とは異なる病気の人もいます。アルツハイマー病であってもVSRADで萎縮がみられない場合もあります。まずは、認知症があるかどうか、認知機能障害がどのレベル状態であるかを、認知機能検査(神経心理検査)によって、はっきりさせる必要があります。ドネペジルの適用があるのは「アルツハイマー病による認知症」の人です。ご自分で、あるいはご家族から見て、日常生活で特にお困りになることがないのであれば、おそらく「アルツハイマー病による認知症」の状態ではなく、ドネペジルを服用する必要はないでしょう。総合病院での認知機能検査の結果を確認してみてください。もし納得がいかないようでしたら、認知症の専門医にご相談する事をお勧めします。

脳血流SPECTを受けた方がよいのはどんな場合?

先日MRIとMRAの検査を受けましたが、その結果異常はみられないということでした。
MRAと脳血流SPECTは同じ検査なのでしょうか?
脳血流SPECTも受けたほうがよいのでしょうか?(40歳 女性)
お若い方からのご質問ですが、まずは認知症を疑う症状があったために検査を受けたという前提でお答えします。MRAは動脈瘤[りゅう]などの評価もできますが、認知症の関連では、脳の主要な動脈に狭窄[きょうさく]や閉塞[へいそく]がないかを調べるために行われます。認知症の原因でアルツハイマー病に次いで多いのが脳血管障害です。脳血流SPECTは文字通り脳の血流を調べることができます。アルツハイマー病のように脳が萎縮してくる病気では、動脈に狭窄や閉塞がなくても、血流が低下します。したがって、脳血流SPECTはMRAとは違った情報が得られます。認知症を疑う症状が持続する、あるいは進行している状態であれば、MRIやMRAが正常であっても脳血流SPECTを受けた方が良い場合がありますので、担当の医師とご相談してみてください。

アミロイドβたんぱくを増やさないためにできることは?

アミロイドβたんぱくは50代から少しずつ増えていき、70代で発症しやすいという話が番組でありました。アミロイドβたんぱくを増やさないために、若いときから気をつけると良いことや予防法などがあれば知りたいです。
還暦となった両親、また自分のために知りたいです。(32歳 女性)
多くの人を追跡して、認知症の発症にどのような要素が関連しているかを調べた研究(疫学研究という)が、これまでたくさん行われました。多くの研究から、次のようなことは認知症の予防に有効であることが明らかになっています。ご両親と共に取り組んでみてください。

1. 生活習慣病の予防と適切な治療(高血圧・高脂血症・糖尿病のコントロール、禁煙)
2. 適度な運動
3. 健康な食生活(シリアル、果実、魚、豆、野菜を多く含む食事:地中海食や和食がよい)
4. 脳を活動的に保つ
5. 社会的な活動を保つ

*Alzheimer’s Disease Internationalの資料による

一方、特定のサプリメントで明確な認知症予防効果が証明されたものはありません。安易に飛びつかない方が良いでしょう。アミロイドβたんぱくを減らす薬の治験も現在行われており、将来的にはリスクや体質に応じて認知症予防のために薬を服用する時代が来ることも考えられます。しかし、まずは日常生活で実行できる上記5点に取り組みましょう。

アルツハイマー病 薬をどう使い分ける?

12年間進行していないが薬をやめてもよい?

平成17年1月、市民病院神経内科を受診、認知機能テスト(長谷川式)と画像診断では異常はなかったのですが、血流検査でアルツハイマーと診断されました。以来ドネペジル5mgを1錠、朝食後に服用しています。もう12年にもなりますが、最初に診断を受けた時からほとんど進行していません。8週間ごとに通院し血液検査を受け、HbA1cが少し高いので血糖値を下げる薬を、ドネペジルと一緒にのんでいます。その結果HbA1cの値は6.8です。日常生活は趣味の囲碁とカラオケ、読書(社会や時事問題)、シニアの卓球クラブに入り、町内会の役員もして人との交流に努めています。自分としては認知症の症状はありませんので、ドネペジルの服用をやめたいのですが、のみ続けて害はないでしょうか?あるいは病院を変えてみた方がよいでしょうか?近くの病院では神経内科がないのですが、何科に行けばいいでしょうか?(83歳 男性)
ドネペジルを含む現在のアルツハイマー病治療薬は認知症の症状を改善する効果はありますが、根本的な効果はないので、一時的に症状を改善させることはあっても、長期にわたって症状の進行を止める効果はありません。従って、12年間にわたって進行がなく、社会生活も支障なく行えているとすれば、アルツハイマー病は考えにくいかと思われます。しかし、ご自分1人では判断せずに、もの忘れ外来や神経内科の専門外来などで、診断や今後の治療方針を確認することを含め、主治医の先生に相談してみることをお勧めします。

ドネペジルで足がつる?

2、3年前から眼鏡の置き場所を忘れたり、物事を覚えるのが苦手になって来たりしたので、今年の春に脳神経外科を受診したところ、海馬の萎縮が見られ、軽いアルツハイマー病と診断されました。ドネペジル5mgを毎日のんでいますが、朝起きがけにふくらはぎがひどくつります。つらなくする薬もあると言われましたが、その薬はのんでいません。ためしに4、5日薬を止めたところ、全く足はつりませんでした。薬が合わないのでしょうか?それともつり止めの薬をのみながらでも、ドネペジルをのんだ方が良いでしょうか?半年後の11月にもMRIを撮りましたがほとんど変わりなく、正常と認知症の境目と言われました。薬をのまなければ、ほかに努力をしても認知症になってしまうのでしょうか?(72歳 女性)
「足がつる」というのは、ドネペジルの添付文書上は、明確な副作用としては記載されていませんが、「こむら返り」として報告されている例があり、稀な副作用が出た可能性があります。
ドネペジルを処方され、「正常と認知症の境目」と言われたとのことですので、「アルツハイマー病による軽度認知障害」という診断を受けているものと推察されます。専門医によって診断が確認され認知機能低下が進行していくようであれば、症状を改善し進行を遅らせるために、ドネペジル以外のアルツハイマー病薬の使用、生活面の指導を含めて専門医に相談することをお勧めします。

アルツハイマー病 若年性認知症と言われたら?

58歳・物忘れが目立ち、怒り方が普通じゃない

58歳の主人は、40歳で結婚した時にも、夜帰宅後玄関の鍵をかけ忘れることが数回ありました。ここ数年、自分の母親の誕生日の日にちを間違えたり、メールでやり取りした内容を覚えていなかったり、認知症の実母が失禁していても平気で横で話していたりの状況です。主人の母親の認知症の介護を私がするようになり、本で勉強していたら、何となく主人の様子が気になるようになりました。
前から激怒する性格はありましたが、最近それが顕著に日々の生活にみられるようになりました。怒り方が尋常じゃないのです。私にとってはささいな内容で、日常の何でもないようなことで、そこまで激怒する内容ではないと思うのです。外で怒鳴っているような人がよくいますが、主人も理不尽なことがあった場合などもその様に怒鳴るようなことがあります。
認知症の人は、怒りっぽくなると読んだことがありますが、どんな様子がみられるのでしょうか?(46歳 女性)
まずご理解いただきたいのは、頂いた情報はとても参考になりますがそれだけで認知症の有無を判断することは困難なので、「認知症の可能性もあるのでまずは認知症を専門とする医師の受診をお勧めします」という答えになるということです。その上で、いくつか考えられることを記載します。

1. まず、「怒る」自体は正常心理に基づく反応性の行動であり、ご主人にとって何らかの原因があるのだと思います。
2. その原因は人それぞれですが、ご主人にとっては仕事関係や実母の認知症とかで心配が高じたり上手くいかなかったりすることなどはありませんか?一番身近な存在としてご主人の心の理解を深めることが大切だと思います。
3. 飲酒はされるご主人ですか?長年の飲酒により中年以降でもの忘れや判断力などが低下すること、そして性格が変化してくることもよくあります。
4. 認知症の初期でも、怒りっぽさや意欲低下が目立ってくる場合もあり、特にご主人の場合はいわば「自分勝手な」ともとれる行動も見られますので、「前頭側頭型認知症」の可能性も完全には否定できません。

以上から、いずれにせよこのような状態が続くようであれば、「以前とは違うので心配」と正直に伝え、認知症の専門外来などを受診されたらいかがでしょうか。

更年期障害で治療中・言葉が出てこないことなどあるが認知症?

現在、心療内科(3か月程経過)と、婦人科(1か月程経過)に通院。
燃えつき症候群のように、急な落ち込みで仕事に行けなくなり、療養中です。
更年期障害の症状(急にくるのぼせ、滝のような汗をかく)もあり、婦人科にてホルモン療法も併用しています。いつやる気が戻るのかと焦燥感にかられていますが、ふと、若年性認知症かもと考えます。
適切な単語が出てこない、芸能人など人の名前が出てこない、何かを忘れ二度手間をする、置忘れをする(思い出し、取りに戻りますが)などがあります。以前にくらべ、会話も小気味よくできない、色々迷うことが多くなり決断できないなど、たくさんあります。やはり、専門医にいくべきでしょうか?
近くに専門医は少なく、ものすごく混んでいて、予約が困難ではとも思います。
いつまでこの状態が続くのか、社会復帰ができるのか不安です。(52歳 女性)
ご心配のことは良く理解できますが、基本的にはいま受診されている心療内科の先生にきちんと相談されることが良いと思います。その上で、頂いた情報だけでの判断ですが、

1. 症状は基本的にはいわゆる「うつ病」でみられる症状と考えられます。気分の落ち込み、決断力の低下、汗などの自律神経症状、そしていわゆる「ど忘れ」は「仮性認知症」(うつの時に見られるもの忘れ)などですから。なので、まずは「燃えつき症候群」の治療をきちんと受けてください。
2. 心療内科の先生も認知症を疑うようなら、一度は専門の先生を受診されてください。
3. 認知症を専門とする外来は、「日本老年精神医学会」や「日本認知症学会」のホームページにも紹介されていますが、都道府県には「認知症疾患医療センター」が整備されています。また、各市町村にはかならず「地域包括支援センター」がありますので、そちらで専門外来などを紹介してもらうことも可能と思います。

若年性認知症の受診は脳神経外科でもよい?

最近仕事がスムーズにできず悩んでいます。周りからは「疲れているんだよ、あせらず、ペース配分しながら頑張りなさい」と言われています。検査をして、何もなければ、それで良いと思います。番組で専門外来の受診を勧めていましたが、脳神経外科でもいいでしょうか?(49歳 男性)
仕事がスムーズにいかないことだけで、若年性認知症を心配する必要はないと思いますが、おそらくご自身では何となく今までと違うということを感じていらっしゃるのだと理解しています。

1. 何かストレス要因や睡眠不足や食生活の乱れなどがあれば、だれでも脳の働きは影響を受けますので、認知機能は低下します。生活全般をもう一度振り返ってみてください。
2. 早い段階で検査を受け、「何もなければ、それで良いと思います」という考え方は素晴らしいと思います。どんな病気でも、手遅れにならないことが最重要ですから。
3. 診療科については、脳神経外科でも神経内科でも精神科でもかまいません。ただし、どの科でも、認知症を得意とする先生とそうでない先生がいますので、診療科名だけで判断しないでください。
「更年期障害で治療中・言葉が出てこないことなどあるが認知症?」のご質問の答え3のような方法で認知症を専門とする先生を調べてください。もしくは今は多くの病院で設置している認知症の専門外来(「もの忘れ外来」など名称はさまざま)を、受診されることをお勧めします。

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