腫瘍マーカーの異常値・どこが悪い?
- 平成27年11月より腫瘍マーカーのCA19-9の値が100~110です。CTと超音波検査を受けましたが異常はみつかりませんでした。2か月に1回、血液検査で様子をみています。腫瘍マーカーが高いのはどこが悪いのでしょうか?今後、治療することはあるのでしょうか?(68歳 女性)
- CA19-9値が上昇するのは、胆のうがん・胆管がんが原因とは限りません。胃がん、大腸がん、肝がん、卵巣がん、子宮がんなどでも上昇することがあります。造影CTで肝胆膵[すい]がんでないと考えられているのならば、上部あるいは下部の内視鏡検査を行ってみてはいかがでしょうか。また、膵[すい]炎など、CT検査ではわかりにくいような病気の可能性もあります。
胆石はがんになる前に摘出するべき?
- 30年程前から胆のうに小粒の胆石が詰まっており、胆のうの機能がほとんど働いていないと指摘されています。20年程前に一度精密検査を受け、胆のうの摘出という話もありましたが結局様子を見るということで現在に至っております。
30年程前に胆石で一度苦しんだことがありますが、その後特に自覚症状はありません。
がんになる前に思い切って摘出することも含めて考えております。今後どうすればいいのでしょうか?(73歳 男性) - 無症候性胆石といって、症状のない胆石は経過観察でよいとされています。症状があったのは30年前ということですから、今すぐに治療が必要とは思えません。また、胆石を放置すると胆のうがんに移行するわけではありません。もし気になるなら、一度超音波検査や血液検査を受けてみてください。
早期胆のうがんの腹腔[くう]鏡手術
- 胆のうポリープを腹腔鏡手術でとりました。病理診断では、早期でリンパ節転移なし・深さは粘膜まで、固有筋層までも浸潤していませんということでした。結果として胆のうがんを腹腔鏡手術でとったことになりましたが、番組では、胆のうがんは開腹手術と説明してありました。開腹手術をしなかったことで予後に不安をもたなくても大丈夫でしょうか。(61歳 男性)
- 粘膜に限局した胆のうがんでリンパ節転移もなかったということなので、
① 腹腔鏡手術できちんと摘出されており、
② 胆のうの病理学的検査が十分に行われた結果で粘膜に限局しているのならば、追加切除の必要はありません。
ただし、一部での胆のうがんが漿[しょう]膜下層に達している所見があれば、追加で肝臓の一部を切除し、さらにリンパ節を郭清する開腹手術を受けることをおすすめします。
胆のう炎は手術した方がよい?
- 腹痛で受診したところ、胆のう炎と診断されました。胆のうに細かい石がたくさん詰まっています。手術をすすめられています。手術をしない場合、がんに進むのでしょうか。(69歳 女性)
- 一般に胆石や胆のう炎を放置しているとがん化するわけではありません。一方で胆のうがんの50%には胆石が合併しています。また、胆のう炎と胆のうがんの区別は必ずしも容易でないことがあります。
腹痛があり、胆のう炎と診断されているのならば、胆のう摘出を受けることをお薦めしています。腹腔鏡下での手術が第一選択となります。
白色便とは?
- 胆のうがん、胆管がんの際に白色便の症状があるとのことですが、それは常に白色便になりますか?それとも時折、白色便になりますか?(43歳 女性)
- 胆管が完全に閉塞された場合は必ず白色便となりますが、胆管の閉塞が完全でなければ、便の色調はまちまちです。むしろ黄疸[だん]の有無がポイントとなります。もし白色便を自覚されたなら、近くのかかりつけ医を受診することをおすすめします。