2011年11月08日 (火)

松島の恵み

「松島」の取材を担当した堀部です。 番組の最後に「だからね、海は明日があるんですよ」と松島の漁師魂を聞かせてくださった蜂谷さん。番組ではあさり漁に活路を見出す蜂谷さんをご紹介しましたが、本業の牡蠣の養殖も動き始めています。牡蠣は通常、1年目に卵から親指の爪ほどの種牡蠣と言われる状態まで成長させ、2年目から太らせて出荷します。2年、3年と成長させて大きくする牡蠣の育て方もありますが、松島の牡蠣は1年だけ成長させる1年物。小振りだけど味のしまった松島湾の牡蠣は、素材そのものの味を楽しむ牡蠣料理に適しています。

今年育てるはずだった種牡蠣が全滅してしまった蜂谷さん初め松島地区の漁師のみなさんは、津波被害の少なかった地域から種牡蠣を手配して育てています。「津波で海が変ってしまったのでどう育つか分からない」と蜂谷さんは心配している時期もありましたが、順調に成長し、今年はなんと「最高の出来!」とのことです。長年の間に海底に溜まった牡蠣の殻などが津波で陸地に上げられて、海がすごく澄んだのが原因とのこと。毎年、今の時期になると牡蠣は卵を吐き出すのですが、それをすっかり出し切ってしまった方が良いできなんだそうです。

今年の牡蠣は澄んだ海に思いっきり卵を吐き出して、本当に上物だということです。3000円で牡蠣食べ放題の名物「牡蠣小屋」も、例年より遅れてではありますが、11月19日より開始とのこと。問い合わせは松島観光協会(022-354-2618)まで!私たちもまだ食していませんが、美味しいのは間違いありません!


 「復興のために色々な人に助けてもらった、牡蠣をしっかり育てて恩返ししたい」とおっしゃっていた蜂谷さんが忘れられません。

matsushima_04.jpg

 写真4 卵をすっかり吐き出し、
     最高級のできの今年の牡蠣

matsushima_05.jpg

 写真5 来年に向けた「種牡蠣」作りも順調
     来年は100%松島産の牡蠣が帰ってきます


 海苔養殖の設備が流されてしまった宮戸島(東松島市)の尾形幹夫さんのお宅でも海苔作りが始まっています。現在は息子さんが家業の海苔養殖の主な仕事をしていますが、その息子さんが新しい海苔養殖の設備を購入しました。息子さんがこれからも海苔の養殖をやっていく決意をみせてくれたのが何より嬉しいと尾形さんは言います。里浜地区では協同で海苔養殖を行ったり、ボランティアの方の協力等を得て、海苔造りが始まったところ。9月末に種付けをして海に入れた海苔は、11月末位から収穫できるそうです。宮城県のほとんどの海苔の種は松島湾で作られて、他の地域に運ばれて行きます。松島湾の豊富な栄養が良い漁場となっています。


 「雨乞い」を行っていたのは、宮戸島にある四大観の一つ・大高森(おおたかもり)です。山頂まで15分はなかなかの運動。しかし登った先に見えるのは、四大観一の広大な視界。太平洋と松島湾に挟まれ四方が海に囲まれたような景観は圧巻です。松島海岸を海の側から見ることになるので、島々の見え方もまた違って見えます。


 そして、その大高森の足元に広がるのが里浜貝塚。松島湾は入り込む川が少なかったことから湾に土砂が堆積せずに、縄文からの景観を残していると言われています。貝塚が当時のまま「海の近く」にあるのはすごく珍しいことなのだそうです。そして島を歩くと、ここかしこに見える白い破片が縄文から続く貝殻です。ぜひ目をこらして集落を歩いてみて下さい。里浜貝塚では、縄文の後の時代、弥生、平安、室町の時代の遺跡も発掘され、ここにずっと人が住みづづけて来たことを教えてくれます。縄文から続く幸せな雰囲気が里浜貝塚には確かに流れています。奥松島縄文村歴史資料館は現在、震災の影響で閉館中ですが、スタッフの方は来年3月19日の開館のために、準備に奔走しています。また近くの住民が資料館に集まって、土器の整理などに尽力しています。


 外洋に面していることもあり、宮戸島は東日本大震災の被害の大きい地域ですが、宮戸島に渡る唯一の橋は、震災後ただちに復旧され渡ることができます。宮戸島の4つの集落、里浜・月浜・室浜・大浜では民宿も動き始め、泊まることができます。宮戸島に渡り、震災の被害を目の当たりにすると、漁師さんや資料館の方に声をかけるのに勇気がいりました。しかし、一度話すと、宮戸島の人々は驚くほど明るく前向きに、目の前のことに向かわれていました。宮戸島には、松島には、未来があるんだと感じさせてくれる明るさがありました。そして、宮戸島、松島に足を運んだことをすごく歓迎してくれます。ぜひ皆さんも、今の松島を訪れて欲しいと思います。きっとこれから寒くなって、景色はよりすばらしく、食はぐっと美味しくなってきます。そして松島の方々にぜひ声をかけてみて下さい。

投稿時間:10:14


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

カレンダー

2019年01月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

バックナンバー


RSS

page top