2016年1月

2016年01月26日 (火)

長崎の教会で祈る

「長崎の教会」の回を担当させていただいた中村と申します。

取材でお世話になった皆さま、番組をご覧いただいた皆さま、ありがとうございます。

初めて長崎の大浦天主堂を訪れたのは、10年前の修学旅行。当時は、教会と祈りがこれほど根付いていることなど全く知りませんでした。今回の制作で、長崎の人たちの意思の強さと、懐の深さとを感じました。

もしかしたら、教会を初めて巡る方もいらっしゃるかもしれません。

信者ではない自分が、取材の中で何度か伺ったのは、観光地ではなく、祈りの場として教会を訪れてほしいというお話です。信者でない方は、手を合わせるだけでもいいそうなので。

私のおすすめは、五島列島の小値賀町にある野崎島。野生の鹿が多く生息する、定住者のいない島です。江戸時代にキリシタンが移住して集落を築きましたが、昭和40年代に定住者がいなくなりました。今は廃校となった学校が宿泊施設に改装されています。

朝日とともに見る旧野首教会は非常に美しく、宿泊施設から1時間半ほど険しい山道を歩くとたどり着く舟森集落跡が印象的です。

広がっているのは、石垣が積まれた遺跡のような風景。そして、海を臨む突端には、小値賀町の住民たちによってたてられた十字架。厳しい土地で信仰を守ってきた方たちの強い思いに出会えます。

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投稿時間:10:51 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2016年01月19日 (火)

奄美にあるもの

「奄美」編担当したディレクターの坂本です。

私が最初に奄美を訪れたのは十数年前、若い唄者の取材でした。その時彼女は「島唄は先祖の言葉、先祖の教えなので唄の途中でカットしないで欲しい。私は先祖の言葉を伝えているだけだから」と言い、都会に出てきたけれどいつか結婚して子供が出来たら島で育てたいとも言い、それを実践しています。当時は奄美出身者は奄美であることを声高に言わない(言えない)雰囲気がありました。だのに奄美の先祖と故郷を熱く語る彼女はとても眩しく、奄美には何があるのだろうという気持ちを抱かせたまま十数年がたっていました。

久しぶりの島はさほど大きく変わった様子もなく、緑の山々が迫っています。南の島と聞くと「青い海と白浜」のイメージがあるかもしれませんが、私の奄美の第一印象は山です。どこまで行っても山山山。山の裾野に小さな集落がたくさんあります。道路が全面開通したのが四十年程前だと言うことですから、集落を行き来することも簡単ではなかったでしょう。そんな集落が150程あるのですが、その風土ゆえ、方言も踊りも歌も集落ごとに違っています。同じ「八月踊り」と言っても集落によって違っているのです。集落は「シマ」と呼ばれています。まさに島の中にシマがあるという感じ、言葉も歌も踊りも三者三様どころか百五十シマ百五十様、それぞれのシマ文化が受け継がれています。

前の経験から島が巨大であることは理解していましたが(佐渡島の次に大きい)ごく一部しか知らなかったこともあり、取材は島人の足でもある島バスを利用しました。とはいえ本数はわずかで一日一カ所往復するのが精一杯。なにせ1時間2時間は普通にバスに揺られます。でも目的がなければ行かないだろう集落の細い道を入っていくわくわく感、時折運転手さんがガイドもやってくれる上に、停留所じゃない場所でも止めてくれます。奄美の速度がよくわかる島バスはのんびり旅をしたい方にはお勧めです。

今回訪れたシマの人々、若者たち、やはり同じように「先祖ごと」を大事にして島にとどまるか戻ってきた人たちです。十数年前の記憶と同じ話を何度となく聞きました。その答えを的確に言える方はいらっしゃいませんでしたが,今回の旅で感じたのは「当たり前であることのマイノリティ」でした。奄美ではあらゆることが当たり前なのです。それはかつて日本のあちこちで当然のようにあったこと。先祖を敬うことも相撲も唄も感謝することも、共同体の中で生きることも。そこに理由などいらないのです。テレビ屋は何かと理論だてして理解したがりますが、日本のそこいら中にあった当たり前が当たり前でなくなってきたから彼らの行動や思いが特別になってしまったのかもしれません。

奄美の人たちは、年長者に対して必ず「先輩」と仰います。「私はまだ未熟だから先輩に聞いてください」先輩方々も後輩を指導する立場であることを自覚して接しておられます。今みたいに簡単に情報発信が出来なかった頃から脈々と続く伝統の継承。そしてそれをちっとも疑わずに受け入れてきた人たち。都会に出るとそんな当たり前がないことに若者たちは気づいていきます。だから面倒くさいけど,人間くさいシマの生き方を我が子にも伝えたいと思うのかもしれません。

人恋しくなったら、どうぞ奄美にお出かけください。島バスに揺られてゆっくりと。

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                       <奄美ご出身の朝崎郁恵さん>

投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2016年01月12日 (火)

西陣の楽しみ方

「京都 西陣」の回を担当した京都放送局の新野です。

番組をご覧いただきありがとうございました。

新年一回目の放送ということで華やかに!京都らしいものを!ということで、西陣織の産地として知られる「西陣」を紹介させていただきました。雅な京都はもちろん「西陣村」とも称される地域の人たちの絆を感じていただけたら幸いです。

さて、旅のおすすめですが、1つめは番組でも紹介させていただいた「今宮神社」です。1月8日の放送前に、番組の成功祈願と初詣をかねて参拝してきました。西陣生まれのシンデレラ「お玉さん」こと桂昌院の良縁、開運の御利益に私もあやかろうと「玉の輿お守り」も購入です。

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今宮神社に訪れた際に是非食べていただきたいのが、参道のお店で売られている「あぶり餅」です。私が訪れたお店の創業は江戸時代。今も昔も西陣の人たちから愛される素朴な味わいです。お玉さんも食べていたかも…。

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続いては、「西陣織会館」というところで見学することができる「きものショー」です。

「修学旅行で行ったことがある」という方も多いかも知れませんが、今はアジアをはじめ海外からの観光客で賑わっています。実は60年近く続いていて、これまでに約14万回も公演されているそうです。

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町家や路地がひしめく西陣は、ふらりと歩いているだけでも何か発見がある場所です。大通りからちょっと足を踏み入れ、京都の暮らしの空気感に触れてみてはいかがでしょうか。

 

 

投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


2016年01月05日 (火)

あけましておめでとうございます

「新日本風土記」事務局スタッフです。

いつも番組およびホームページをご覧頂いている皆さま、あけましておめでとうございます。 本年も、どうぞよろしくお願い致します。

お正月は、いろいろなことをリセットして、新たな気分でスタートできるのがいいですよね。でも、今年は4日がいきなり月曜日。1週間の始まりと言うことで、あまりお正月気分ではいられないのが少し残念ですが、つつがなく年を越せたことにまずは感謝!今年も、良い番組を皆さまにお届けできるよう、スタッフ一同頑張ります!

2016年最初の「新日本風土記」、8日(金)の舞台は京都の西陣です。豪華絢爛、美しい西陣織は、画面で眺めているだけでもため息が出そう・・・。雅な香りただよう一時間をお楽しみ下さい。変わって来週は、奄美が舞台。なんと、「新日本風土記」テーマ曲を唄って下さっている朝崎郁恵さんが、番組にご登場されます。故郷・奄美に里帰りして、島の方々と語らう姿からは、故郷への思いが伝わってきます。

今年も「新日本風土記」「もういちど、日本」を、ぜひご覧下さい!

投稿時間:11:00 | カテゴリ:事務局便り | 固定リンク


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