2011年12月13日

2011年12月13日 (火)

雪女撮影秘話

「雪の夜」制作担当の橋村です。


今回、番組では雪の夜に行われる伝統的なお祭りや、人と人との交流…そして厳しい寒さと暗闇の心細さから生まれる伝説を描きました。人々が家路に着いた後動き出す除雪車、ろうそくの灯に祈りを込める「三寺まいり」の夜、遠く離れた山里に住むお年寄りのために、夜を徹して惣菜作りをする夫婦、暗闇を焼くようなバイトウの火柱…どのブロックもそれぞれの雪の夜の厳しさも温かさも感じさせてくれるものばかりでした。


しかしロケに際し、私たち制作スタッフの心境は大変複雑なものでした。タイトルが「雪の夜」である以上、雪を待ち望まなければならないのですが、降れば降ったで、その闇と寒さの中での撮影を思うとなかなか覚悟がいるもの。中でも「雪女」を撮影した新潟県の「油田ひだまりの里」でのロケは壮絶でした。


雪をスクリーンに見立て、様々な雪女を投影していく…というアイデアのもと、まずはロケ地を探すところから。雪女が訪れるような山の中にポツンと建つ茅葺の家を当たってみることにしました。


茅葺の家は新潟県近辺にいくつか存在しました。多くは夏場、宿泊所として使用されているものでしたが、スクリーンに見立てられるほど雪が降る時期、営業しているところはひとつもありませんでした。そしてやっと見つけた「油田ひだまりの里」。一昔前にタイムスリップしたような外観とロケーションがイメージにぴったり。
街灯がまわりに全くないため、夜は真っ暗になり、夏は蛍の名所として知られる場所です。
 

普段は集会所や音楽ライブなどに使われているそうですが、ここもやはり雪に埋もれるようになってしまう冬は使用していないとのこと。何とかお願いすると、管理者の方が雪かきをし、かんじきを用意して待っていてくれました。かんじきがなければ、道路から100メートル程先にある家の入り口にたどり着くのも困難な豪雪。
 

しかも囲炉裏に薪をくべ、室内を暖めると屋根の雪が溶けてしまうので、極寒の中、日が暮れた夕方5時頃から朝方5時頃までの撮影が2泊3日で続きました。まさにいつ雪女が訪れてもおかしくないシチュエーション。しかし、その甲斐があって、出来上がりは誰もが満足するものに。地元の方が普段は足を踏み入れない時期に、雪かきまでしてくださった管理者の方にも本当に感謝!そして次は夏、蛍を見に是非足を運んでみたい…ひそかに思った素敵な場所でした。
 

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投稿時間:11:10 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク


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