2024年01月26日 (金)【みえDE川柳】 お題:つなぐ

天 語り部の声が平和の根を繋ぐ/八木五十八 さん

丹川修先生  戦争の経験のない世代が増えていく中において、その恐ろしさや悲惨な実態を今の人達に知らせしめる語り部の存在は大変貴重である。その語り部の方々も高齢化の危機にさらされている。しかし、その存在のおかげで、平和の大切さを若い世代へと語りつないでいくことができる。「平和の根」という表現が良い。根が腐ってしまうといかなる植物も育たない。「平和の根」をどんどん張って後世に伝えて欲しいものである。

 

地 突然の電話がつなぐ過去と今/汐海 岬 さん

丹川修先生 何十年振りかで、学生時代の同級生から電話があった。同窓会の誘いだろうか。初めは、電話の相手が誰だか判らなかったが、しばらくして「じゃあ あなた ○○ちゃんなの」と驚いた作者。一気に時計は何十年も逆戻りする。懐かしい思い出話の後、「ところで今はどうしているの?」などと話は続く。まさしく一本の電話がつないだ「過去と今」である。上手いところに川柳を見つけたものだと感心させられる。

 

人 不意の客まずはみかんで間をつなぎ/中原政人 さん

丹川修先生 全く、予定していない人が、突然、尋ねて来たのだろう。従って何のおもてなしの準備もできていない。家人は慌てるばかりである。とりあえず「みかんでもどうぞ」と間をつなぐ。そしてキッチンで何かないかと冷蔵庫を開けたり閉めたり右往左往する。どこにでもあるような楽しい光景である。こんなところに目を向けた作者に拍手を送りたい。

 

<入選>

ランチ食べ若さをつなぐ熟女会/みほりん さん

路線バス地域をつなぐ足となる/一刀両断 さん

主役来るまで懸命に座をつなぎ/瑠珂 さん

フィナーレまで唄が心をつなぎ止め/コタロー さん

アリバイが崩れ動機とつながった/みく さん

配線を逆につないだ反抗期/ジャック天野 さん

三年目 我が家の味に なる雑煮/ごん太 さん

神界と俗世をつなぐ巫女の舞い/福村 まこと さん

母の思いを乗せた真珠のネックレス/久実 さん

どん底で心を繋ぐパートナー/野口一生 さん

 

丹川修先生 丹川修先生

 今年は元日から大変な惨事での幕開けとなりました。そのためでしょうか、例えば「被災地と心をつなぐ募金箱」などのように、上手く仕立てられている句もたくさんありましたが、あまりの多さに、残念ですが、一部を特定して入選にすることができませんでした。しかし皆様の優しいお気持ちは痛いほど伝わってきました。また、年賀状をモチーフにした句もたくさんいただきましたが、こちらも特定してご紹介することはできませんでした。同想句の選の難しさ、厳しさを痛感させられました。たくさんのご投句ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。

 

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:50


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