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2022年05月09日 (月)集団力学に認知的不協和?横断歩道で車が止まらないワケ

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「信号機のない横断歩道での車の一時停止率、三重県で大幅改善」

「停止率3.4%で全国ワーストから、47%にアップ!」

 

こうしたニュースを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。確かに、以前と比べると止まってくれるようになったかな…。私もそう感じていました。

 

そんな中で「いやいや、そんなことはない、全く改善されてないですよ」といった声が津放送局に寄せられました。取材すると、まだまだ車が止まらない実態と、その裏にあるドライバーの“ある”心理が見えてきました。

 

(津放送局 周防則志)

 

改善してない!まだまだ止まらん横断歩道

 

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「最近、三重県の横断歩道で車の停止率が上がり、マナーが向上したと報道されているが、全く改善されていない。(家の近くにある)横断歩道では歩行者は車が切れるのをひたすら待っている状態。いつ事故が起きても不思議ではないです」

 

NHK津放送局に寄せられたメッセージです。

 

改善したと言っても去年の停止率は47%、いまだ半分以上は止まっていません。また、停止率の調査はJAFが各都道府県で2か所ずつ横断歩道を選んで行っているもの。横断歩道の場所は公表されていませんが、あくまでその2か所のデータであって、県全体の傾向を表しているかはわかりません。

 

 となれば、まだまだ止まらない、という横断歩道もあるはず。いったい、どんな場所なのか。さっそく、送ってくれた津市の伊原修二さんに、現場を案内してもらうことにしました。

 

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伊原さんが危険だと指摘するのは、津市神戸、県道657号にある横断歩道です。伊原さんは買い物で出かけるときなどに、ほぼ毎日使っていると言います。

 

「ドライバーが意地でも止まらないんじゃないかなっていう、そんな明白な意志を感じるくらい止まらないです。ここに関しては全く改善されていません。人の命がかかっていますから、ドライバーには、守るべきは守るということを遵守してもらいたい」

 

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憤りを隠せない様子の伊原さん。小学校があるので利用する児童もいるほか、近くの団地に暮らしている高齢者も多く、とても危険な状態だと言います。近くに住む人たちにも話を聞いてみました。

 

「車が止まるのが当たり前なはずですが、全然止まらないです。なんか急いでいるみたいな感じで、パーッと行かれるので、怖い」
「もう仕方ないっていうふうにあきらめてますから」

 

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といった反応で、この横断歩道では車が止まらない、というのは地元の多くの人が感じている思いのようです。

 

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実際に私も、横断歩道を渡ってみようと、待ってみることにしました。1台、2台、3台…。車はどんどん通り過ぎていくばかりで、全く止まりません。結局、15台ほど通過したところでようやく車が途切れ、渡れました。5回ほど試してみましたが、止まってくれる車は1台もないという状態でした。

 


“カーブが原因”?止まらない理由

 

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なぜ、横断歩道で車が止まらないのか。なにかこの場所特有の理由があるかも知れない。そう思って、伊原さんや地元の人たちに聞くと、「カーブが影響している可能性があるのでは」とのこと。

 

この道路、東西に走っていますが、東から走ってくる車が、特に止まらない傾向があるといいます。実際に東から西に向かってこの道路を車で走ってみました。すると、カーブをこえたすぐ先に横断歩道が。見通しがききにくいため、横断歩道に気づくタイミングが遅くなり、結果として止まらないのではないかというのです。

 

さらにこの道は、10年ほど前に鈴鹿と松阪を結ぶ「中勢バイパス」と接続。横断歩道から少し西に向かうと、「中勢バイパス」に乗れるようになりました。その頃から徐々に交通量も増えたと言います。

 

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「交通量で言うと軽く10倍にはなっていると思います。それまではほとんど地元の人、知ってる人だけが通るって感じの道路だったんですが、中勢バイパスがつながってからは、抜け道として使われるようになってます」(伊原修二さん)

 

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バイパスに向かってスピードを出す車も増え、横断歩道で止まらない車もさらに増えたと言います。

 

“流れを止めたくない”?止まらない理由

 

止まらない理由は、ドライバーの心理にもあると専門家は話します。元プロのオートバイレーサーで、交通心理学に詳しい大阪国際大学の山口直範教授に、話を聞きました。

 

「ドライバーは自分が止まると、車の流れを止めてしまうのではないかと、後ろのドライバーへの配慮をしてしまいがちです。本来は必ず止まらなければならないというルールがあることはわかっているんです。それでも環境との影響、環境との相互作用で、止まらずに行ってしまうというのはあります。ですので、交通量は非常に大きな要因となり得ますね」

 

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交通量が多く、後続車がいる場合、後ろに来ている車を気にして、止まらずに進んでしまうと言うのです。

 

「集団力学」「認知的不協和」…止まらない理由

 

山口教授はほかにも、心理学的に見て複数の要因が関係していると分析しています。山口教授による分析を順番に紹介します。

 

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①「集団力学」
みんなが止まらないから自分も止まらない、あの人が止まっていないから私も止まらないという心理が働いている。日本では現状、そもそも止まらない人が全体のうち圧倒的に多いことが、止まらない要因になっている。

 

②「優位性の効果」
車に乗っている人は歩行者と比べたら物理的に優位だということが、人の心理に影響している。ぶつかってもケガをするのは人だから、車に乗っている自分のほうが優先だとドライバーが思い込む。そして歩行者側も遠慮がちになってしまう。

 

③「認知的不協和」
「歩行者にとっても、さっさと通過してあげたほうがためになるだろう」などと、都合のいい理由付けをしている。日本のドライバーの誰もが「歩行者優先」ということばは知っているのに、実際の行動が伴わない状態ができあがっている。

 

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④「匿名性」
車は閉鎖された空間で、誰が運転しているのかわかりにくい状態。匿名性があるときは攻撃性が高まるというのが様々な心理学の実験結果で報告されていて、車の運転の場合も、どこの誰かわからない状態ならば行っても分からないだろうという気持ちが働いて、止まらずに行ってしまう。

 

⑤「スピードを落としたくない」
スピードを落とさないと、スムーズにストレスなく走れる上に、燃費の面でも効率が良く、今のままの速度を維持して、止まりたくないという心理が働いてしまう。

 

こうして並べてみると、「自分も当てはまる…」というものもありませんか。知らず知らずのうちに、止まらないでいい理由を自分でつくっていないか、私も気をつけたいと思いました。


解決の鍵は「同調効果」

 

では、こうした要因があるとしたうえで、どのような対策をとったらいいのでしょうか。山口教授は次のように話しています。

 

「ドライバーに教育を徹底する、取り締まりを徹底するという方法がまずありますよね。一方で、歩行者側にもやれることがあります。手を挙げる『ハンドサイン』で、歩行者が渡りたいんだと意思表示をすると停止率が著しく上昇するという報告があります」

 

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ドライバーが守らないといけないルールなのに、なぜ歩行者側が何かしないといけないのだ、という考えがあるのもわかります。ただ、こうすることで、止まる車が増えるのもまた事実。少しずつ、ドライバーの考え方を変えていくためにも、歩行者側が“渡るんだ”“今から向こうに行きますよ”と意思を示すことも大切だと言えそうです。

 

さらに、山口教授はもう1つ、ドライバー側の対応について興味深い話をしていました。みんなが止まらないから私も止まらないという先ほどの「集団力学」。これを裏返してみれば、自分が止まることで、ほかの人も止まるようになる「同調効果」にもなるというのです。

 

目標は停止率100%。ドライバーの皆さんひとりひとりが止まることで、それがほかのドライバーにも影響を与えて、世の中全体の考え方が変わっていく。そんな流れにつながっていってほしいと思います。

 

 

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周防則志 2020年入局

“地域の課題を解決する”報道を目指している

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:15:00 | WEB特集 |   | 固定リンク


2022年01月12日 (水)"フェルトが私に友達を連れてきてくれた"

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「小さな頃からなぜかわからないけど、お友達と仲良くなれなくって…。自分らしくふるまうと嫌われるんだって思って自分を隠してきました」

 

周囲とうまくなじめず居場所がない…。周りから馬鹿にされているようでつらい…。

ずっと生きづらさを抱えながら暮らしてきた1人の女性。

そんな彼女が、大きく変わったのがフェルトとの出会いでした。

発達障害を公表した羊毛フェルト作家の話です。

 

(津放送局 鈴村亜希子)

 

羊毛フェルトの世界

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愛らしい瞳でこちらを見つめるハリネズミ。本物そっくりのフクロウたち。いずれも“羊毛フェルト”で作られた作品です。羊毛フェルトは、色のついた羊毛を専用の針で刺して形づくる手芸。針に返しがついていて、刺すと繊維が絡み合い、好きな形に仕上げられます。

 

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「どうやったらよりリアルな姿に近づけていけるかとか、それとももっと違う形にしてやろうかとか。そんなことをいろいろ考えながら想像できるのが楽しいんです」

 

作品を手がけた三重県鳥羽市の羊毛フェルト作家monmoさんは、羊毛フェルトの魅力をそう語ります。

 

生きづらい…“自分をマジックで塗りつぶす感覚”

 

そのmonmoさんは、小さいころからずっと生きづらさを感じながら暮らしてきたと言います。

 

「これかわいいよね」「うん、かわいいよね」

 

小学生のころの、同級生とのそんな何気ない会話にもうまくついていけない。実はかわいいと思っていないけれど、そう伝えると仲間はずれにされてしまうかもしれない。

 

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自分らしくふるまうと嫌われたらどうしようという心配から、いつしか本当の自分の気持ちを隠して人と接するようになったというmonmoさん。「自分をマジックで塗りつぶすような感覚だった」と当時の気持ちを語ります。

 

就職してからも、人間関係でつまずいたり、ケアレスミスをして「要領が悪い」と叱られたりの日々。

 

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「飲み会に行くのもすごく辛かったです。いじられたりするんですけど、加減がよく分からなくって、本当に悪口を言われているのか、馬鹿にされているのかもわからない。自分はだめなやつなんだって、つらかったですね、すごく」

 

会社を辞めて、ひきこもっていた時期もあったといいます。

 

発達障害と診断 そしてフェルトとの出会い


7年前、周囲のすすめもあって病院を受診。発達障害の「自閉症スペクトラム障害」と診断されました。

 

「発達障害だとわかってほっとしました。あ、自分が悪かったんじゃないんだって思えて。ただ一方で、治らないんだってなっていうショックもありましたね」

 

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診断では、短期的な記憶を留めておくのが難しいことがわかった一方で、処理能力がはやく、それが手の器用さにつながっていることも判明しました。

 

そのころに始めたのが羊毛フェルトです。「そばにいてくれる友達がほしい」と思ったことが始めたきっかけだといいます。

 

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診断で分かった手先の器用さを生かし、制作を始めると腕前はめきめきと上達。ボランティアで通っていた鳥羽市の交流施設で、作品の展示会を開いたところ、大好評となりました。そのまま翌年には、羊毛フェルトを教える教室を始めるまでに至ったのです。

 

発達障害を公表して開けた世界

 

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作品が認められることで、信頼できる人たちに囲まれ、順調そうに思えた日々。しかし、monmoさんの心にひっかかることがありました。それは、「発達障害を隠している」ということでした。

 

みんなに嘘をついているようでおどおどしてしまう。でも、発達障害があると伝えたら、みんなが自分のもとから離れてしまうのではないか…。でも、本当の友だちが欲しいのであれば、本当のことを言わないと。本当の自分を知ってもらわないと。

 

悩んだ末、monmoさんは発達障害だと明らかにしました。心配をよそに、周囲の人たちはありのままを受け入れてくれたといいます。誰ひとり、それまでと変わることなく接してくれたのです。

 

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「自分の心も晴れ晴れしましたし、自分が発達障害だからって自分の元を去った人ってひとりもいなくて。以前よりももっとみんなと仲良くなれた気がするんです。大切な人も友達もたくさんできて、本当によかった」

 

実際に、monmoさんが通う交流施設のスタッフも、公表してからmonmoさんがとても明るくなったと歓迎しています。

 

“多様性を認めて”の思いを込めて


発達障害を打ち明けて1年。monmoさんが、教室の生徒たちと開いた3回目の展示会には、ちょっと変わった姿の動物たちが登場しました。

 

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犬のボストンテリアをかたどったかばんは、しっぽがファスナーになっていて、肩にかけることができます。さらに、おもちゃのパズルと合体したカメレオンも。一見すると変わった姿の作品もありますが、「それぞれに個性があって、多様なありようを認めてほしい」という思いが込められてるといいます。

 

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「気持ち悪いとか、かっこいいとかいろんな感想を持つ人がいると思うんです。そういうのを全部、認めていこう、そんな思いです」

 

感謝と思いやりを

 

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「たまたま私は手先が器用で、周りの人に恵まれただけだったんです。うまくいっていない人への理解、それと周りへの感謝を忘れてはいけないと思います。そういうのがきっと世の中をよくしていく鍵になっていくと自分は思っています」

 

話を聞いている間も、周りへの感謝や思いやりを忘れたくないと、何度も話していたmonmoさん。あらためて、自身にとって羊毛フェルトとはどんなものかと聞くと…。

 

「羊毛フェルトが友達を連れてきてくれたっていう感じですね。だから、すごく大好きな自分の一部のような存在です」

 

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かつては生きづらさを感じながら暮らしてきたというmonmoさん。ありのままを周りに伝えたことで、とても楽しそうに、そしてうれしそうにひと言ひと言を紡ぎ出しくれた笑顔がとても印象的でした。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:19:00 | WEB特集 |   | 固定リンク


2021年12月22日 (水)"戦病死" 父親の形見は未完の戦記

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「やっぱり宝かな、世界でひとつしかない、私たちに残してくれた父の生きた証かなと思って」

三重県御浜町に住む、79歳の女性の言葉です。

女性は、終戦1か月後に戦病死した父親が書き残そうとした戦記を大切に保管してきました。真珠湾攻撃にどのような思いで臨んだかなど、詳しく書き残された戦争の記録。保管してきた遺族の思いを、開戦80年の節目に聞きました。

(津放送局 伊藤憲哉)

 

 

古びた日記帳に太平洋戦争の記録

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ことし11月。太平洋戦争開戦80年を前に、1冊の日記帳と出会いました。
小豆色の表紙には、紀元二千六百三年の文字が印刷されています。
いわゆる皇紀で、西暦に直すと、1943年の日記帳とわかります。つまり開戦2年後の日記帳です。
ところが中に書かれていたのは日記ではなく、太平洋戦争の記録でした。序文には次のように書かれています。

 

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「本書に寄せ読者各位をして当時の陸海空戦を瞼の中に追憶想記せしめられん事を望んで止まず」

「拙筆を顧みず公開す」

 

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日記帳を保管してきたのは、三重県御浜町に住む阪本浩子さん(取材当時79歳)。終戦後に亡くした父親の形見として、この日記帳を母親から受け継ぎ、大切に保管してきました。父親が亡くなった時、阪本さんは3歳。父親の記憶はありません。阪本さんにとって、日記帳がどういう存在なのか尋ねると「唯一、父親のぬくもりを感じるものだ」としたうえで、次のように話してくれました。

 

「やっぱり宝かな、何もないです、これだけしか残っていないですけど。たった1冊の、世界でひとつしかない、私たちに残してくれた父の生きた証かなと思って」

(阪本さん)

 

 

真珠湾攻撃に参加していた父親

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阪本さんの父親、堀 壽さんは太平洋戦争で、海軍の飛行機を整備する兵士として、航空母艦に乗り組んでいました。80年前、1941年12月8日の真珠湾攻撃の時に乗艦していたのは機動部隊の旗艦、赤城。攻撃前の11月22日、艦長から真珠湾攻撃について聞かされた時の反応を、次のように書き残していました。

 

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「一同が愕然とした。愕然としたことよりもより一層気高い興奮が身一杯に脈打った。“之は素晴らしい。やるぞ!”静まりかえってじっと艦長の口許目許に見入ってゐる乗員の中からはしはぶき一つだに聞き取れなかった」
(堀さんの戦記の記述)

 

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司令が乗る旗艦・赤城に乗り組んでいたことも関係があるのか、目に付いたのは真珠湾攻撃の記録の詳しさです。日本軍の艦船の陣形や、攻撃をしたハワイ・オアフ島の地図。攻撃を行った飛行機が、真珠湾にどの方角から侵入したかまで、細かく書かれていました。

 

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また、日本がアメリカ側に与えた損害は、大本営がラジオを通じ発表したものと、アメリカのラジオ放送を聞いて書いたとみられる内容が、記されていました。

 

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ていねいに書かれた文字からは、戦いの合間を縫って残していた記録を、のちにこの日記帳に清書したこともうかがえます。この戦記は、真珠湾攻撃にとどまらず、その後のインド洋での戦いなどについても書かれていました。

 

 

書いてはいけなかったことまで

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三重県熊野市の作家、中田重顕さんは、地元東紀州地域出身の人々が残してきた戦争の記録を40年近く取材してきました。著書の中で、堀さんの戦記について執筆したこともあります。

 

中田さんは、堀さんの戦記の中に、インド洋での戦いで、航空母艦から飛行機で出撃した自分の直属の上官が帰還しなかったことまで書かれていることに着目しました。一兵卒が、戦争を記録し公表することなどあり得なかったであろう時代に、戦争のありさまをそのまま書き残そうとしている点が、貴重だと話します。

 

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「軍紀にふれることがいっぱいあるんで、戦争中であれば間違いなく彼は逮捕されますよ。当時の軍人たちはそういうこと書いたらあかんのさ。不利になることも書いてあるということが非常に貴重だし面白い」

(中田さん)

 

 

未完のままの戦記


ところが堀さんの戦記は、トラック島が空襲を受ける直前、1942年9月8日の出来事を書いたところで終わっています。堀さんは終戦から1か月近く過ぎた1945年の9月11日、高熱を出し31歳で亡くなりました。最後の階級は海軍少尉。のちに、戦病死と認定されました。戦記は未完のまま残されました。当時、堀さんは航空母艦には乗っておらず、神奈川県の厚木航空隊で機密資料の焼却処分を行っていたといいます。

 

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戦争を詳しく記録し、そのありさまを後世に伝えようとしていた人が、どういう思いで戦争の資料を焼く仕事に関わっていたのか、思わず考えさせられました。そして終戦まで生き延びたにもかかわらず、幼い娘を残したまま、命を落とすことになった父親の無念さが、私の胸を突きました。

 

 

戦争の記録が形見にならない、平和な世の中を


きちょうめんな文字で書かれた未完の戦記。父親の記憶のない阪本さんは、この戦記から父親の人柄や体温をかすかに、感じ取ることしかできません。

 

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「私は本当の父親を知らない。ただいまおかえりとごくごく普通の平凡な父親の生活を見たかったし、本当にあったかみのある、ぬくみのある生活を少しでも覚えておきたかった。そういうことを覚える年まで父親にはいてほしかったというのは年を重ねるほど思います」「今の平和はありがたいし戦争は絶対だめやと思う。子どもや孫やひ孫には、全世界で戦争のない、2度と父親を失って泣くような人のいない世の中になってほしいです」

(阪本さん)

 

今回の取材で、戦争で肉親を亡くした人が大切にしている形見が、戦争の記録であることをとても悲しく、残念なことだと思いました。身近な人を、平穏な日常を奪う戦争の罪深さを改めて思い知らされたと、感じています。戦争を知らない私たちの世代が、こうした記憶をしっかり、語り継いで行く必要があると考えています。

 

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 伊藤憲哉 2019年入局

 中学時代 サッカー ジュニアユースで全国大会出場

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:15:00 | WEB特集 |   | 固定リンク


2021年12月13日 (月)きっかけは1件のツイート 非常電話"8割故障"の衝撃 

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「名阪国道、非常電話で連絡しようとおもったけど、全部故障してる。一体どうなってんのよ」

 

先日、こんな内容のツイートがあるという連絡が、私のスマートフォンのメールに届きました。非常電話は、高速道路や自動車専用道路などで、いざという時に大切な存在。それがなぜ“全部”故障しているのか…。連絡をもとに取材を始めると、インフラをめぐる“変化の兆し”が見えてきました。

 

(津放送局 周防則志)

 

“SoLT”から届いたメール

 

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東京・渋谷にあるNHK放送センター。記者やデスクが集まる、いわば取材の中枢部分に「SoLT」=「Social Listening Team」はあります。「SoLT」では、ツイッターなどソーシャルメディア上に投稿された事件や事故の一報のほか、ネットで話題になったり、“炎上”したりしている事案を1年365日チェック。必要な情報を全国各地のNHKの放送局にいる記者などに知らせています。

 

私の元にも、火事や交通事故などの情報が週に何度か届き、取材に当たっていますが、この日のメールで寄せられたツイートは特に目を引くものでした。

 

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「名阪国道の、針から亀山方面に走ってたら、途中に金属の台みたいなの落ちてた。あぶないから、非常電話で連絡しようとおもったけど、全部故障してる。一体どうなってんのよ」

 

いいねは1件、リツイートは0件とほとんど拡散していない情報です。ただ、文面から見ても、ちょっとした故障ではなく、大変なことが起きているかもしれない。これはすぐに取材を始めないといけないと感じました。

 

すぐに、名阪国道を管理する国土交通省の北勢国道事務所に電話をかけたところ、落下物についてはすでに撤去済みだということ。さらに「非常電話が複数故障しているという話もあるが…」と聞くと、「確認して折り返す」と回答されました。

 

ここも、次も、その次も…みんな故障

  

ツイートをした、大阪市在住の『ぢぞう』さんにも話を聞きました。

 

この日、大阪から滋賀県の信楽に向かう途中で、バイクで名阪国道を走っていたという、ぢぞうさん。道路上に落下物を見つけたため、一番近くにある非常電話で通報しようとしたと言います。

 

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しかし、たどりつくと「故障中」の貼り紙。それならしかたないと、次の非常電話に向かうと…なんとそちらも「故障中」。不審に思って、そこから先は非常電話に注意してバイクで走っていくと、確認できたすべての非常電話が使えなくなっていたと言うのです。

 

「最初に見たときは、機械の切り替えでもするのだろうかと思ったのですが、気になってツイートしました。ただ、その後調べてみても更新工事のお知らせなどが出ておらず不思議に思っていました。

 『今時、携帯電話があるよ』という考えもあるかもしれません。でも、非常電話を1度使ったことがあるのですが、つながると場所が相手に自動でわかる仕組みなので、知らない土地でも安心できます。公衆電話がなくなっていくような、時代の移り変わりとも言えますが、やはりないのは不安ですね…」(ぢぞうさん)

 

8割以上の非常電話が故障

 

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後日、問い合わせをした国道事務所から連絡が来ました。

 

「現在、名阪国道に設置されている非常電話136台のうち、116台が経年劣化などで故障しています」

 

計算してみると、8割以上が故障していることになります。これはただごとではない。さらに取材を進めることにしました。

 

大動脈「名阪国道」の歴史

 

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「名阪国道」は、三重県の亀山インターチェンジと奈良県の天理インターチェンジの間を結ぶ無料の自動車専用道路です。

 

亀山インターチェンジでは、名古屋につながる高速道路の東名阪自動車道と、天理インターチェンジでは、大阪につながる高速道路の西名阪自動車道とそれぞれ接続しています。中部圏と関西圏を結ぶまさに“大動脈”です。

 

この名阪国道のうち、北勢国道事務所が管理する、亀山インターチェンジから奈良県の針インターチェンジまでのおよそ60キロの区間の上下線で、8割以上の非常電話が故障しているというのです。

 

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故障していない残りの2割弱、20台は、いずれも設置が義務となっているトンネル内。ぢぞうさんが見たように、実質、トンネル以外のすべてで使えない状態だったことになります。

 

名阪国道の成り立ちが影響か

 

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国土交通省によると、有料の自動車専用道路の場合、非常電話の設置は義務ですが、無料の場合は一般国道に分類され、トンネルを除き設置は義務ではなく、必要に応じて設置するものだといいます。では無料で、そもそも義務ではない名阪国道になぜ非常電話があるのでしょうか。

 

交通政策に詳しい関西大学の安部誠治教授は、名阪国道の成り立ちが影響しているのではないかと話します。

 

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「当初、国では名古屋と大阪の間すべてを有料の自動車専用道路で結ぶことを計画していたんです。しかし、奈良県と三重県からの要望を受けて、現在の名阪国道に当たる部分を無料の自動車専用道路として整備することになったんですね。
名阪国道は無料ではありますが、いずれも有料となっている現在の東名阪自動車道や西名阪自動車道と一緒に整備される中で、非常電話が設置されたのではないでしょうか」(安部教授)

 

つまり、名古屋から大阪を結ぶ道路のうち、東部分にあたる東名阪自動車道と、西部分に当たる西名阪自動車道は有料なので、非常電話が必要で設置。その2つの間の部分にあたる名阪国道も、その流れで非常電話が設置されたのではないかというのです。

 

非常電話 そして撤去へ…

 

とはいえ、設置したのに故障したままの状態になっていると危険です。

 

この点について安部教授は「携帯電話が普及するのに伴って、非常電話が使われなくなっていく。その中で、故障したとしても修理されずに、そのまま放置されたのではないでしょうか。利用者が使おうと思ったときに使えないのも、誤解を招く可能性もあります。早急に撤去すべきですね」と話します。

 

では、今後どうするのか。北勢国道事務所に聞くと…。

 

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「古くて部品が製造されていない電話もあり、更新は難しいです。時期は決まっていませんが、トンネル以外の非常電話のすべてを撤去することを検討しています」(北勢国道事務所 草川保重 副所長)

 

という回答が。すでに非常電話からは電話線が抜かれているほか、「故障中」としている非常電話の中には、意図的に使えなくしているものもあり、撤去の準備が進んでいるといいます。

 

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一方、安全面については、名阪国道には130台以上のカメラが設置され、道路の状況を24時間監視する態勢をとっているため、事故や落下物などがあってもすぐに対応できるとしています。

 

ほかの高速などはどうなの?

 

こうした事態、ほかの高速道路などでも起きているのでしょうか。

 

東名高速道路や伊勢湾岸自動車道などを管理するNEXCO中日本では、非常電話が故障した場合、道路管制センターに自動で連絡が行き、保守員が対応。また、名古屋支社管内だけでも、去年1年間でおよそ1万3000件の非常電話の利用があったといいます。そのため、今後も撤去予定はないとしています。

 

全国の状況を調べたわけではありませんが、誰もが携帯電話を持つようになったからと言って、すぐに非常電話がなくなるというわけではなさそうです。

 

安全かコストか…“変化の兆し”

 

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使われなくなりつつあるものの、すべてを維持していくとなるとコストがかかる…。でも、完全になくしてしまうのは安全上どうなのだろうか…。

  

安全に勝るものはありませんが、どちらが正しいか、すぐに結論を出すのは難しい問題です。技術が発展し、社会のあり方が大きく変わる中で、これまでとは異なる形で安全を担保する、そういう変化が、今後各地で起きていくのかも知れません。そして、今回の名阪国道はその始まりだったのかもしれないとも思っています。

 

奇しくも、今回取材のきっかけとなったのは、1件のツイートと、それを伝えてくれた「SoLT」という新しい技術の存在でした。取材の端緒といえば、「人から直接聞いてくる」ことが当たり前だったころから考えると、大きな変化です。

 

インフラも、報道機関も常に変わり続けていることを実感した取材になりました。

 

 

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周防則志 2020年入局

“地域の課題を解決する”報道を目指している

 

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:14:00 | WEB特集 |   | 固定リンク


2021年11月01日 (月)散歩中の犬のおしっこNG?しかたない?

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「犬が散歩中におしっこをするのは本能だからしかたないんです」

 

「散歩中の犬の尿が原因で鉄製の信号機の柱が倒れた」というニュースを伝える中で、「自宅で排せつするようしつけたほうがよい」という専門家の意見を紹介したところ、ネット上などでそんな反応が多く見られました。

 

これを受けてNHKでは、視聴者のみなさんにアンケートを行って、ご意見や解決のためのアイディアを募集。寄せられた声を元に改めて考えてみることにしました。結局、散歩中の犬の排せつってどうしたらいいの?

 

(津放送局 記者 周防則志)

 

散歩中の排せつアンケートから見えたのは…

 

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「犬の散歩は運動のため。住宅地などを避けるのはマナーです」
「外で問題ない。人間だって外でトイレに行きたくなることありますよね」
「ペットを家族と思うなら排せつは家の敷地内でするべきでは?」
「犬はかわいいですが、外で自由に排せつさせるのは間違いです」

 

NHK津放送局などが行ったウェブ上のアンケート「どうしていますか?どう思いますか?散歩の時の犬の尿」に寄せられた声です。およそ1か月の間に101件。犬を飼っている人からも、飼っていない人からもさまざまな意見が集まり、あらためてこの問題への関心の高さをうかがわせました。

 

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質問項目への回答からも興味深い傾向が見えてきました。

 

「犬の排せつは屋外でなく自宅で」という考え方についてどう思うか聞いたところ、

 

▼自宅で排せつさせるべきだ 38件
▼屋外で排せつさせるべきだ 20件
▼わからない        43件

 

という結果に。「自宅で排せつさせるべきだ」と考えている人が、意外に多いのだなと言う印象です。ただ、どういう人が回答しているかわからないので、これだけだとなんとも言えません。そこで、犬を飼っている人といない人での内訳を詳しく見てみます。

 

▼「自宅で飼っている」(52件)の中で…
 「自宅で排せつさせるべきだ」 11件(約21%)
 「屋外で排せつさせるべきだ」 11件(約21%)
        「わからない」 30件(約58%)

 

▼「飼っていない」(44件)の中で…
 「自宅で排せつさせるべきだ」 25件(約57%)
 「屋外で排せつさせるべきだ」   7件(約16%)
        「わからない」 12件(約27%)

 

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犬を飼っている人は、自宅派・屋外派が同じくらいいて、それ以上にどっちがいいかわからず、正直迷っている人が多いという感じでしょうか。一方で、犬を飼っていない人は「自宅で排せつするべき」、つまり「屋外でしてほしくない」と考える人が多くなっています。飼っている人と、飼っていない人でちょっと溝を感じさせるような結果になりました。

 

家で排せつは犬にとってプラス

 

最初のニュースの反応の時と同様に、今回のアンケートでも「散歩中のおしっこは本能だから仕方がない」という意見が寄せられました。本当は外でしたいだろうにかわいそう、という気持ちは理解できますが、実際犬にとってはどうなのでしょうか?「家庭犬しつけインストラクター」の南條夏世さんに話を聞きました。

 

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「自然の行動を制限されるようでかわいそうと思う人がいるかもしれないですが、自宅だったら、犬がトイレに行きたいときにいけますよね。犬たちにとっては、外であろうと、室内であろうと、犬用のトイレであろうと排せつをすればスッキリするので、正直どこでもいいんです。散歩の時に限定されてしまうと、天候に左右されたり、飼い主の生活スタイルに左右されたりすることもあります。だから、自宅でするようにしつけるのは、犬たちにとっても楽な事かなと思います」

 

また、投稿には「犬が年をとって足腰が弱ると外でするのは大変」という意見もありました。この点については…

 

「散歩中にするのが基本になっていると、散歩に行くまでおしっこを我慢し続けてしまいます。それは犬にとっても飼い主にとっても負担が大きいこと。そういう意味でも、家の中でできるようにしておいた方がいいですね」(南條さん)

 

犬も人間社会の中で暮らす以上は、完全に自由というわけにはいきません。犬にとってもストレスが少ないというのであれば、やはり家でしたほうがよさそうです。

 

家での排せつで飼い主が気付いたこと

 

 では、自宅で排せつさせるようにしているという飼い主はどう考えているのでしょうか。投稿を寄せてくれた人たちに話を聞いてみました。

 

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「合図とかもしなくても、私の顔を見たら何かご褒美がもらえると思ってシートに行くんです。今でも変なところでしちゃうことはありますが…」

 

愛犬を抱きかかえ、笑いながらそう話してくれた男性。広島県に住み、トイ・プードルを3頭飼っています。自宅で排せつするようにしつけたのは、家にやってきて間もない時期でした。小さいころからしつけたおかげで、自宅のペットシートの上で排せつができるといいます。なぜ、自宅での排せつをしつけたのか聞くと。

 

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「家の中で飼っていて、昼は仕事に行っているので、十分面倒も見てやれないので、家でできるようしつけました。犬が嫌いな人もいるので、おしっことかさせているのを見ると余計嫌がる気がするんです。マナーを守っていけば、犬が好きな人も嫌いな人も、お互いよい形で暮らしていけると思うんですよね」

 

家での排せつがうまくいかない犬には…

 

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一方で、自宅での排せつがうまくいかず、悩んできたという飼い主も。

 

「家の中で飼っているので、家にいるときはちゃんと決まったところでしてほしいなって思ってしつけをしようとしたんですが…。うまくいかなくて早い段階で諦めてしまいましたね」

 

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投稿を寄せてくれた愛知県に住む夫婦は愛犬の「ふうすけ」君についてそう語ります。決まった場所で排せつしてくれず、床が傷んでしまったところもあるといいます。そこで使うようになったのが、犬用のおむつです。最初は家の中だけで使っていましたが、犬の尿で信号機が倒壊したというニュースを見て、散歩の時にも使うようになったといいます。

 

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飼い主の女性は次のように話します。

 

「子どもの時に犬を飼っていた時は、外で排せつすることは当たり前だと思っていましたが、今回のニュースを見て、やはり飼う側として何か考えなければいけないのかなと感じて始めました。ただ、費用もかかりますし、かなりゴミも出るので、これが果たして正解なのかとも思います。犬を飼っている人たち、動物の専門家、環境美化を考えている方などみんなで何が一番いいのか考えていかないといけないなと思うようになりました」

 

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ちなみに、犬用のおむつを使うときには注意点もあります。犬は、排せつをしたことを自分から伝えることが難しいため、1日のうちにおむつを何度か交換したり、おむつを外す時間をつくったりするなどしてほしいということです。

 

じゃあ、どうやってしつけたらいいの?

 

では、どうやったら犬の排せつをしつけることができるのでしょうか?再びインストラクターの南條先生にコツを聞いてみました。

 

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「おそらく方法は1つで、犬たちが排せつをしたくなるようなタイミングに、飼い主がしてほしい場所に連れて行って、そこで排せつができたときにたくさん褒めて、ご褒美をあげることです。ペットシーツやトイレの場所で排せつしたほうが得だなと思ってもらう。犬たちが今何を欲しがっているかを飼い主が見極めることが大切です」(家庭犬しつけインストラクター 南條夏世さん)

 

すぐにできるようになるというわけではないかもしれませんが、なかなかうまくいかないという方はチャレンジしてみて下さい。

 

誰もが暮らしやすい社会に

 

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今回、「臭いなどの問題で外で尿をさせるのは不快」「家の前に尿をされて困っている」という投稿もたくさんいただきました。先ほどのアンケート結果のように、飼っている人と飼っていない人の間にはまだまだ溝がありそうです。


紹介したような方法や考え方が徐々に広がっていくことで、愛犬にとっても、飼い主にとっても、そして犬を飼っていない人たちにとっても、みんなが気持ちよく暮らせる社会に少しずつでも近づいていってほしいと思います。

 

 

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周防則志 2020年入局 

 “地域の課題を解決する”報道を目指している

 

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:12:00 | WEB特集 |   | 固定リンク


2021年10月27日 (水)すべすべ!投票用紙の"秘密"を探る

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選挙で使う投票用紙って、触るとなんだかすべすべして気持ちいいですよね。それになんだか字を書きやすい気も。いったいどんな素材なの?調べてみると、投票用紙に隠れたさまざまな秘密がわかってきました。

(津放送局 中野七海 記者)

 

“投票用紙の疑問”調べます

 

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「投票用紙は手触りがさらさらでとても書きやすいです。何が素材に使われているんでしょうか。やはりお高いのでしょうか」(津市在住 山田さん)

 

そんなメッセージがNHK津放送局の投稿フォーム「まるみえニュースポスト」に届きました。なんとなく気にはなっていたけれど、そういわれるとなぜあの手触りなの?なんだかいろいろな秘密が投票用紙にはありそうです。三重県選挙管理委員会で聞いてみることにしました。

 

色の組み合わせが毎回違う!

 

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対応してくれたのは、橋本哲也書記長補佐です。

 

まず橋本さんが話したのは、国政選挙の投票用紙の色。実は、他の選挙のものを誤って使わないようにするため、毎回色の組みあわせが変わっていると言います。

 

「小選挙区や比例代表で色が違うなぁ」くらいの認識はありましたが、毎回色の組み合わせが変わっているとは。全く気付きませんでした。

 

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10月31日に投開票の衆議院選挙では、水色(あさぎ色)が小選挙区、ピンク色が比例代表、緑色(うぐいす色)が国民審査と区別されています。実際に投票に行くときは、ちょっと気にしてみて下さい。

 

スムーズに書ける秘密は表面に

 

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そして、普通の紙とはちょっと異なる質感という投票用紙の表面。その場で同じ材質の紙に書かせてもらいました。鉛筆でスムーズに書けて気持ちいい感じ。

 

開発・製造しているユポ・コーポレーションによると、投票用紙の表面は人の手には感じられないほどの細かい凸凹があるといいます。そのため、強く力を入れなくても鉛筆の粒子が引っかかりやすく、スムーズに書けるというのです。お年寄りなどでも、安心して書くことができる、というわけです。

 

自然と開く投票用紙

 

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名前などを書いた後、投票箱に入れるときは、半分に折るという人も多いと思います。箱に入ったあとの投票用紙は、中で自然に開いているんです。この点について橋本さんに聞くと。

 

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「投票箱の中で開いていると、開票作業の時に確認が早くできるんです。そのため、開票の結果をすばやく提供できることにつながるんです」

 

その秘密は原料にあります。一般的な紙に使われるパルプとは違って、ポリプロピレンという樹脂を使って製造されています。そのため、折っても元に戻りやすい特徴があるといいます。

 

投票用紙に込められた思い

 

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この紙を卸している業者によると、値段は一般的なコピー用紙と比べて20倍以上とちょっと高めとのこと。今回の衆議院選挙で三重県内で用意された投票用紙は合わせて463万7400枚。ちゃんと有権者全員分が用意されています。

 

「候補者の名前ははっきり書いてください。そしてみなさんの持っている一票を投じてください」(橋本さん)

 

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1枚1枚に「少しでも書きやすく」という思いが込められていると思って、皆さんも投票に行ってみてください。

 

まるみえニュースポストでは、今回のように取材して欲しい身の回りの問題や、ふだん何気なく気になっていることなど、なんでも募集中です。投稿をお待ちしています。

 

 

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中野七海 2021年入局

好きな三重弁は「かえるのかんぴんたん」

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:17:00 | WEB特集 |   | 固定リンク


2021年10月21日 (木)鍵は家族の絆!"特別防犯対策監"杉良太郎さんが語る

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俳優の杉良太郎さん、杉さんの妻で演歌歌手の伍代夏子さん、それにEXILEの松本利夫さん。実は3人は、全国各地で特殊詐欺の被害防止の啓発活動を行っています。

 

NHK津放送局では3人が三重県警察本部を訪れた際に単独インタビュー。杉さんによると被害を防ぐ鍵は“家族の絆”にあるといいますが…。インタビューのほぼ全文を公開します。

 

(聞き手:津放送局 周防則志 記者)

 

被害を防ぐポイントは3つ! 

 

記者)
特殊詐欺の被害を防ぐポイントはどこにありますか?

 

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松本さん)
特殊詐欺にはいろいろありますが、全てにおいて「お金の話が出たらまずは疑え」というのが1つポイントだと思います。オレオレ詐欺、還付金詐欺、クレジットカードの暗証番号を聞かれたりもそうです。お金の話が出た時点でまず疑うこと、そのあとに人に相談をするのがポイントです。

 

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杉さん)
声に出す(会話をする)ことです。年をとると、なかなかしゃべりなれない。家族としゃべる機会もない。朝から誰ともしゃべっていないと隙をつかれる可能性がある。話し相手になって喜んでしまう可能性もある。みんなと話す、怖がらないで声に出していくことでしょうね。

 

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伍代さん)
「絶対に私は大丈夫です」とみんなおっしゃるんですよ。「誰と話をしたって大丈夫、だまされないから。息子の声ぐらいわかるし」っておっしゃるんですけど、それでも被害が後を絶たない。

 

だから、犯人と思われる人や知らない人と話さないことが1番です。電話に出ないのは、本当に皆さん勇気がいるみたいなんですね。ずっと電話が鳴っているのに出ないのはもしかして知っている人かも、急用かもと思って、ドキドキするみたいなんですね。でも犯人の巧みな話術に絶対にひっかかってしまうので、知らない人からの電話は切る。もしくは留守電にするとかをおすすめします。


詐欺電話かかってきた経験ありの人も多い?

 

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記者)
活動には多くの芸能人の皆さんが携わっていますね。

 

杉さん)
芸能界の中の有志が集まって、皆さんの力を借りると発信力も違いますので、説得力を持ってやっていくためには、こういった社会活動に対して相当理解していただいている事務所とかご本人にお願いをして、一致協力しながらやっています。

 

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アイドルの方は、若い人たち、子どもたちのところにメッセージを送って、「お父さんお母さんおじいちゃんおばあちゃんに、家に帰ったらこう言ってね」と言ったり、年配の我々は、老人ホームや高齢者のところへ行ってお願いをしたりしています。

 

警察だけではなかなか届きにくいことも多いですから、防犯協会とか町内会長さんとか、地域の人の力を得てやっています。成功している地域ではやはり話し合いがある。みんながいろんなことを言い合う。それが犯罪阻止につながっているかなと。

 

記者)
これまでの活動の中で印象に残っていることはなんでしょうか?

 

伍代さん)
(啓発イベントに)お集まりいただく皆さんは高齢の方が多いんですけれども、そこで必ず聞くんです。「詐欺の電話がかかってきたことありますか?」って。そうすると結構手が上がるんです。びっくりして「だまされたんですか?」と聞くと、だまされちゃった人もたまにその会場の中で1人いるかいないかの割合いる。

 

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中には「相手と会話をしている。6時くらいにかかってくるんだよ毎日」と言って、楽しみに待っちゃっている男性が1人いたんですよ。「ダメですよそんなの。それを誰かに言いましたか?」と聞くと、「今初めて言いました。警察にも言っていません、家族にも言っていません、誰にも言っていません。だけど、向こうがだまそうと一生懸命になっているところが面白い」って言う人もいたんです。それがものすごく印象的だったんです。


「ご近所にも知らせた方がいいです。そうやって言ってくださいね。気をつけましょうね、地域でみんなが注意しましょうね」って言ってその時は終わったんですけど、やはり電話はかなり無作為にあちこちにかけているんだなと、これだけたくさんの人が電話を受けたことがあるんだなと思って。


新型コロナウイルスの影響も…

 

記者)
コロナ禍で啓発活動の制限もあったと思います。

 

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松本)
やはりこうやって現場に来て自分たちのメッセージを直接伝える場がなかなかなかったですね。コロナが少しでも収束して、自分たちもメッセージを強く伝えていくことが1番の望みです。この先もまだコロナがどうなるか分からないですが、詐欺自体は多発している中で、少しでも1人でも救われるよう、今後も頑張っていきたいです。

 

記者)
新型コロナの影響は被害に遭う側にも何かありますでしょうか。

 

伍代さん)
「おうち時間」が多くて、電話に出てしまうんですよね。それで丸めこまれてしまう。お家にいる時間が長い方への対策は、とにかく留守番電話とか警告が流れる電話に変えていただくか、犯人と話さないでいただきたいなと思います。

 

“家族の絆”が薄れる中で

 

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周防)
そこで“家族の絆”が大切になるという活動をされていますよね。

 

杉さん)
私がこの職に就く時の話し合いの中心になったのが「家族の絆」なんです。家族団らん、家族が集まって食事をしたり、話をしたりする機会がなくなってきているんじゃないかと。

 

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「家族の絆」が希薄になってきている、そして高齢者が増えておひとり住まいも増えてきた。そこにつけ込んだのが特殊詐欺です。お年寄りは1人で自分を守れないという、計算されつくした犯罪じゃないかなと思っています。

 

記者)
家族の間では、日ごろどんなことを気をつけていればいいのでしょうか?

 

松本さん)
日ごろからコミュニケーションを取ることです。先ほど杉さんもおっしゃっていましたが、声に出して会話する。ほかにも電話するとか、今ではメールやLINEなどあるので、とにかく連絡を取り合うという環境作りがとても大切です。

 

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若い人も両親から相談されやすい雰囲気、環境作りをする。コミュニケーションをとることで、詐欺のグループに犯罪を起こしづらい状況をこちらで作っておくのが大切なんじゃないかなと。日ごろから心構えを持っておくことです。

 

犯人をあらゆる点で追い詰める!

 

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記者)
特殊詐欺の加害者に対して言いたいことはありますか。

 

杉さん)
警察庁でも、あらゆる点で追い詰めようと、とにかくてっぺんを取りに行くということで、壊滅作戦を今やっているところです。


突っ込んで言えば、詐欺罪というのはちょっと軽いと僕は思っているんです。軽いから安易にやってしまうとか、適当にやればこれだけの利益になるとか、アルバイト料の何十倍、何百倍ともらえるみたいな、そういったことはもう許さない。安易にこういったところに手を染めちゃいけない。

 

記者)
これほど情熱をもって進めている杉さんの活動の原動力はどこにあるんでしょうか?

 

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杉さん)
わからないです。質問されると昔は「お母さんの影響がありました」とかなんかいろんなことを言ってたんですけど、近頃はわからないですね。ただやってるんですよ。一生懸命やるとかいろいろ考えてないんです。

 

まぁそういった性格なんじゃないですかね。今の仕事、9割は法務省と厚生労働省と警察庁です。ちょっと前までは外務省があった。今ほとんど、芸能界は離れているかな。

 

“家族の支え合い”“電話でお金の話は不自然”

 

記者)
今後はさらにどのような活動をしていこうと考えていますか?

 

杉さん)
根本的にやらなきゃいけないのは、家族の支えあいがないと、思いやりがないと防げないということ。人の弱いところ、寂しいとかそういった隙間を狙ってくるのは、非常に悪質だと思っているので、電話、それからご本人たちの「家族の絆」です。

 

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また金融機関などで、できたら暗証番号だけではなく、顔認証とか指紋認証を加えて欲しいなと思っているんです。なかなか一足飛びにはできませんが。

 

今、各県の警察からいろいろな要請があります。地域によって文化や習慣が違いますので、土地に根付いたようなところをまたさらに頑張っていきたいなと思います。

 

記者)
最後に県民の皆さんにメッセージをお願いします。

 

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松本さん)
やはり家族間のコミュニケーション、連絡が取れる状況を常に心がけることが、本当に詐欺を撃退するのには一番いいのかなと思っています。日ごろから、家族間で合言葉なども決めながらコミュニケーションをとっておく。そして常に1人1人が自覚をもっておけば詐欺にあわないんじゃないかと思いますので、「家族の絆」を心がけていただきたいなと思います。

 

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伍代さん)
とにかく知らない人に現金を渡さない、キャッシュカードも渡さない、そしてATMにもいかない、これを心がけていただきたいと思います。

 

杉さん)
本当にこれだけ覚えておいて欲しいのは、「電話でお金の話が出るのは絶対不自然」ということです。

 

「俺だ俺だ!」と言われても、「俺って誰?」って一言聞いてほしいなとは思いますね。「俺だ俺だ!」と言われて、自分の方から「なになにちゃん?」って子どもの名前を言っちゃったりなんかするのは特に良くないですから。それだけ気をつけるだけでも全然変わるんですよね。

 

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「知らない人からの電話は詐欺ですよ、お金の話が出たら詐欺ですよ」というステッカーが貼ってあるのにだまされちゃうこともある。最初は詐欺かな、と思うけれど、「多分詐欺じゃないかな」と思ってだまされていくっていうケースもあるので、お金の話が出たら切ってください、そして電話があったということを警察に連絡してください。

 

 

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周防則志 2020年入局 

“地域の課題を解決する”報道を目指している

 

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:12:30 | WEB特集 |   | 固定リンク


2021年10月04日 (月)"コロナきっかけ"AKB48と高校生がMVでコラボ!

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人気アイドルグループ「AKB48」のニューシングル『根も葉もRumor』。このミュージックビデオで、メンバーと共演しているのが、“ダンス強豪校”三重高校ダンス部の部員たちです。


出演のきっかけは、なんと新型コロナウイルスの感染拡大にあったといいます。“奇跡のコラボ”を果たした理由とは?共演した部員の思いに迫ります。


(津放送局 村木麻衣ディレクター)

 

本当なん?奇跡のコラボ

 

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「自分たちがAKB48さんとコラボするっていうのが普通ではありえない貴重なこと。いろいろな人から『すごいな!』とか『本当なん?』と驚かれました」

 

そう語るのは三重県松阪市にある三重高校の3年生でダンス部のキャプテンを務める柳瀬綺心(あやみ)さんです。

 

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三重高校ダンス部『SERIOUS FLAVOR』は全国大会で準優勝したこともある強豪。今回、部内からオーディションで選ばれた80人がAKB48のニューシングル『根も葉もRumor』のミュージックビデオに出演しました。

 

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激しい動きが特徴のロックダンスですが、なかでも圧巻なのがサビの部分で披露される『ウィッチウェイ』。両足を交互に上げる動きが特徴で、人数も相まって見た人に圧倒的な印象を残します。


コロナ禍に「今できることを!」

 

コラボのきっかけは、ある1本の動画でした。

 

去年、新型コロナウイルスの影響でなかなか集まることができずにいた部員たち。そうした中でも、顧問の神田橋純さんがオンラインで指導を続けるなど、新しい形での部活動を模索していました。

 

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「今できることをやろう!」

 

そう考えた部員たちは、それぞれの自宅でダンスを撮影し、それを1つにまとめて編集した動画をユーチューブで公開しました。

 

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キレのあるダンスに加え、トランプをしたりジャグリングをしたり、お気に入りのぬいぐるみが登場することも。部員ひとりひとりの個性が詰まったダンス動画は、ネット上であっという間に話題となりました。

 

まさかの秋元康さんからのオファー

 

この動画が音楽プロデューサーの秋元康さんの目に留まり、神田橋さんの元に連絡がありました。

 

「部員のほとんどが部活動で初めてダンスをやりだしたという点を評価してもらったみたいです。『初心者にダンスを教えるのが得意な先生がいると聞いたけれど、AKB48の子たちにもダンスを教えてくれないか』って連絡があって」

 

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まさかの依頼に最初は驚きを隠せなかったという神田橋さん。「根も葉もRumor」の振り付けを考えて、さらにAKB48へのダンス指導を担当することになりました。


そして、部員たちもミュージックビデオに出演することになりました。

 

練習期間はわずか1か月…

 

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振り付けが完成したのは6月でしたが、撮影は7月に決まっていたので、練習期間はわずか1か月。コロナ禍での活動制限や、夏の全国大会の練習などで、1日に確保できる時間は30分程度しかありませんでした。

 

それでも部員たちは部活以外の空いた時間に自主的に練習に励み、あっという間にマスターしていったといいます。

 

「テンポが速いので、それに振りを合わせていくのが大変でした。そして何より、何十人と大勢で踊るので、振りを合わせるのも難しかったですね」(柳瀬さん) 

 

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そして迎えた撮影当日。静岡県伊東市の学校に、AKB48のメンバーと、部員80人が集まりました。

 

分からないことだらけで緊張するときもあったものの、いざ撮影が始まってみると、自然と体が動いていったという部員たち。AKB48のメンバーのミュージックビデオへの熱意に、「自分たちも頑張ろう!」とやる気が出てきたと話します。

 

コロナを越えた先に…“プロから学んだこと”

 

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「コロナ禍で色々できないことがあって悔しい思いをしました。でも、辛いときでもそれに負けずに『自分たちができること』を考えながらやってきたことで、前より強くなったと思っています。それを活かして出演したミュージックビデオなので、地域の人にも全国の人にも、自分たちのダンスを見て元気になってもらいたいです」

 

そう力強く語った柳瀬さん。AKB48という“プロのアイドル”の魅せるダンスを間近で見て、一緒に踊ったことが、彼女たちを大きく成長させたことがうかがえました。

 

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来年3月には自主公演も予定。コロナ禍の“奇跡のコラボ”の経験を糧に、前を向いて活動を続けます。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:13:00 | WEB特集 |   | 固定リンク


2021年09月29日 (水)自民党総裁選「浮遊する党員票はどこへ」

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自民党総裁選挙が混戦の様相を呈している。激しさを増す票の争奪戦。中でも、国民に近い目線で結果が現れる「党員票」は議員票と同数の382票。その行方に注目が集まっている。それは、ここ三重県でも変わらない。

 

三重県において、ここ数回の党員投票で最も多くの党員票を集めてきたのは石破元幹事長だ。しかし今回、石破氏が立候補しないことで、これらの票が「浮遊する」と言われている。1万3000人を数える県内の自民党員らは、いま何を考え投票先を決めるのか。NHK津放送局の若手記者が総力を挙げて取材した。

(NHK津放送局 総裁選取材班)

 

 

三重県は“石破県”!?

 

「三重県は“石破県”だからね」(自民党三重県連幹部)そう言われるほど、三重県では過去の自民党総裁選で石破元幹事長が多くの票を獲得してきた。予備選挙を含め石破氏が立候補した平成24年、平成30年、令和2年の総裁選の党員投票ではいずれも石破氏が最多の票を獲得。去年(令和2年)行われ「菅の圧勝」と言われた総裁選でも、三重県では石破氏がおよそ8500票のうち4200票あまり、50%近くの得票率でしのぎを削った菅氏と岸田氏を圧倒している。

 

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「田村さんにお願いされたら…」

 

なぜ、石破氏はそれほど三重県で党員票を集めることができたのか。それは自民党の派閥「石破派」に所属する田村憲久厚生労働大臣の存在を抜きには語れない。松阪市などを地盤とし、平成8年、区割りが見直される前の三重4区で立候補して初当選を果たした。以来当選8回を重ねる、言わずと知れた重鎮だ。

 

「総裁選になると『思想は違うかもしれないが良かったら石破に入れてくれ』って田村さんから丁寧な電話がかかってくる。それで総裁選が終わって石破さんが負けてもまたお礼の電話がかかってくる。『私の力不足で・・・』と」とある県議が明かしてくれたエピソードからは、田村氏の気配りがかいま見える。その電話は県議にとどまらず市議や一般の党員にまでかかってくるという。

 

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津市に住む林田さん(仮名)は、自民党員歴がおよそ60年になるベテラン党員だ。田村の伯父の田村元・元衆議院議長の頃から自民党を支持している生粋の「自民党ファン」だが過去の党員投票では政策を聞いて投票先を決めてきた。郵政民営化に期待をかけて小泉純一郎元総理大臣に投票したこともある。しかし石破氏が立候補するようになってからは必ず石破氏に投票してきたという。記者に語った言葉が象徴的だ。


「政策を聞いて決めるけど、田村さんからお願いされたら別の人に投票するわけにはいかないよ――」

 

 浮遊する“石破票”“党員票”はどこへ

 

三重県では党員投票で連戦連勝の強さを誇ってきた石破氏だが、総裁選告示日を目前に控えた9月15日事態が動く。石破氏は、国会で記者会見し立候補を見送る考えを明らかにした。すでに立候補を表明していた河野規制改革担当大臣の支援を表明する一方、石破派としては「政策集団としてそれぞれの行動を拘束することはしない」とした。

 

一方の三重県津市。石破氏の会見とほぼ時を同じくして、自民党三重県連では幹部らを集めた役員会が行われていた。非公開で行われた役員会のあと会議に出席した県連幹部は「役員会で総裁選の方針は議論されなかった」とした上で次のように明かしてくれた。


「県連として総裁選の支持を一本化することはしない。県連幹部が支持候補を表明することもない。事実上の『自主投票』ということだ」

 

その2日後、総裁選は告示日を迎えた。三重県内の投票権を持つ党員党友はあわせて1万3175人。この1万3175票をめぐり争奪戦の火蓋がいよいよ切って落とされた。

 

ある県議は、石破氏が立候補しないことで“石破票”がどこに行くかが焦点になるとした上で「これまでは『議員に言われたからその人に投票する』という人が多かったと思うけど、たぶん自分の考えに従って投票する人が増えるんじゃないかな。今、三重県連はふわふわしている。誰が票をとるかまだわからない」とつぶやいた。

 

「ふわふわしている」というのは三重県選出の自民党議員をめぐる事情にも起因している。事情というのは当選12回を数える川崎二郎氏、それに当選6回の三ッ矢憲生氏、三重県連を支えてきたベテラン国会議員の2人がことしになって相次いで政界引退を明らかにしたこと。川崎氏は総裁選に立候補した野田幹事長代行の推薦人に名を連ね、三ッ矢氏は同じく立候補した岸田前政務調査会長の派閥の中心人物であるが、両氏の引退を踏まえ「これまでより票のグリップは効かなくなる」と予想する関係者も少なくない。三重県連が“ふわふわ”するのに伴って、県内の党員票も“ふわふわ”と浮遊する。

 


党員は、いま、何を思う

 

自民党の党員は党費を払っている。その額一般党員で年間4000円。高いと見るか安いと見るかはさておき、この党費を納めるなど一定の条件を満たせば総裁選で投票する権利を得ることができる。「一国の総理大臣を選ぶことが出来る総裁選に参加できることが党員であることの最大の恩恵」とすら言う人がいるほど党員にとって重みのある権利だと言える。

 

党員はその権利をどう行使するのか。

 

鳥羽市の離島の住民は我々の取材に対し「地方を何とかして欲しい。緊急事態宣言で田舎は経済が本当に厳しいことになっている」と苦しい胸の内を明かした。79歳の元会社員は「汗水垂らして働く人が報われる日本にしてくれる人を選びたい」と後世を慮った。スーパーの経営者は「自民党を変えてほしい」と訴えた。パン屋を営む男性は「自民党は体質が古い」と語気を強めた。育休中の母親は「身の回りの問題に目を向けられる人に投票する」と明かした。薬剤師の男性は今の自民党を「年寄りが子どものケンカをしているようだ」とくさした。旅館の経営者は「予約が全く入らない。コロナ対策なんて誰がやっても同じでしょ」と吐き捨てた。

 

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いずれも総裁選で投票権を持つ自民党員だ。そしてその多くが記者に対し「投票先は自分で考えて決める」と明言した。

 

 

公明党は

 

自民党以外の政党は総裁選をどう見ているか。

自民党と連立政権を組む公明党。県本部の幹事長を務める今井智広県議は「今後の国のリーダーを決める選挙であり、新型コロナウイルス対策も議論されている。総裁選での議論が、今後の国の政策にも反映されるため、しっかりやってほしい」と期待する。

 


野党側「自民党総裁選で国政は停滞」


一方、野党側は新型コロナ対策やポストコロナの経済対策を国会で議論せず総裁選に明け暮れる自民党に批判を強めている。

 

立憲民主党の県連幹事長を務める三谷哲央県議は「あくまで総裁選は他党の話でありとやかく言うことではない」とした上で、「コロナ対策など喫緊の課題がある中で国政が停滞しているのは事実だ。国民は冷ややかな目で見ていると思う」と指摘する。

 

また国民民主党の県連幹事長を務める加納康樹四日市市議は「自民党への注目を集められるよううまくやっている。そこに国民は不在だがある意味あっぱれだ」と皮肉った。

 

共産党三重県委員会の大嶽隆司委員長は誰が総裁に選ばれたとしても自民党の体質は変わらないと突き放す。「総裁選に立候補した4人はいずれも安倍政権や菅政権の現役閣僚や閣僚経験者、党の要職に就いてきた人ばかりだが、これまでの政治に対する反省の弁が一切聞かれない。これまでの政治に対する反省が無ければ新しい政治は生まれない」と批判する。

 

 

総裁選の裏で進む“野党連携”


こうした中、衆議院議員選挙に向けて立憲民主党を中心に主要野党が画策するのが野党間における連携の強化だ。中でも野党系の候補が乱立して与党への批判票が分散することを防ぐ「野党候補の一本化」は実現すれば与党候補への脅威となるが、擁立を見送らなければならない政党も出てくるため、各野党の本部レベルで調整が進められている。

 

立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組は、9月に新型コロナウイルス対策の強化や消費税の減税などを盛り込んだ衆議院選挙の共通政策を市民グループと締結。小選挙区での候補者の一本化など選挙協力の調整を加速させる方針だ。


三重県でも4つの小選挙区のうち1区から3区の3つで候補の一本化が進められていて、今後、どれだけ共闘態勢を組めるかも一つの焦点となる。

 

野党側には自民党総裁選が注目を集めることで野党が埋没し、衆院選で自民党への追い風が吹くことへの危機感を抱く向きがある一方「コロナ対策より総裁選を優先する自民党の姿は批判材料になる」という見方もある。多くの関係者が総裁選の情勢や結果を注視している。

 

 

投開票日は9月29日

 

9月18日からの3連休が明けた21日。複数の自民党の県議や市議が「連休中にあの人(県内選出国会議員)から直接電話があったよ」と教えてくれた。水面下で繰り広げられる“争奪戦”の全容は到底見渡せないが、投票の締め切りが近づくにつれ浮遊する票の奪い合いが激しさを増していることは間違いなさそうだ。

 

三重県の党員党友の意思がどの候補に向かうのか。注目の総裁選の投開票は9月29日に行われる。

 

 

(9月29日更新)


総裁選の勝者は岸田氏

 

 

9月29日、「最後の最後まで誰が勝者になるかわからない」との声もあがった自民党総裁選挙が終わった。決選投票の末、新たな総裁に選出されたのは、岸田前政務調査会長。菅総理大臣の後を継ぎ、これから日本のかじ取りを担うことになる。

 


三重県の党員・党友は誰を総裁にふさわしいと選んだのか。29日午前9時半、津市の自民党三重県連で始められた開票作業は1時間あまりで終わり、午後、結果が発表された。

 

 

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県内で最も多くの党員票を得たのは、河野規制改革担当大臣。その得票率は4割を超えた。複数の関係者によるとこれまで石破氏の支援に回っていた田村氏が、今回の選挙戦で河野氏の支援に回ったという。この結果に、県内の関係者からは「河野氏個人の人気と田村氏の強力なバックアップの力が大きい」という声が聞こえてくる。一方「意外にとった」とささやかれるのが新総裁に選出された岸田氏だ。去年の予備投票では、菅総理大臣と石破氏の後じんを拝す1630票だったが、今回票数にしておよそ1300票を上積みした。岸田派に所属する三ッ矢氏の力もさることながら、ある自民党三重県連の幹部は「この総裁選で岸田さんははっきりものを言うように変わった。印象の変化が期待感に繋がったのではないか」と指摘する。その上で「総裁選がこれだけ注目されれば、次の総選挙で自民党への追い風になるだろう」と期待を寄せる。

 


一方、同じ日に記者団の取材に応じた立憲民主党三重県連の顧問を務める岡田克也氏は「議論ができる国会にしてほしい。本会議の代表質問だけではなく、予算委員会を開いて具体性のある議論をするべきだ」と岸田氏に注文を付けた上で、次の衆議院選挙について「政策論争の中身が問われる選挙になるだろう」と指摘した。

 

 
注目された自民党総裁選挙が終わり、県内の関係者の目は、早くも衆議院選挙に向いている。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:00 | WEB特集 |   | 固定リンク


2021年09月02日 (木)犬が鉄柱におしっこしたあと水をかけるのはNG?

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交差点で鉄製の信号機の柱が突然倒れました。警察が調べたところ、原因は「犬の尿の可能性が高い」ことがわかったのです。いったいどういうこと?

 

「散歩中の犬がおしっこするのは仕方ない」
「おしっこしても水をかけておけばいい」

 

そんなふうに思う人も多いでのは?調べてみると意外な事実が明らかになってきました。

(津放送局 記者 周防則志)

 

犬の尿で信号機が倒壊か

 

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現場は三重県鈴鹿市。

 

三重県警察本部の科学捜査研究所などが調べたところ、倒れた信号機の柱付近の地面からは、同じ交差点の別の柱付近の地面の約42倍、信号機の柱からも、8倍近い尿素が検出されました。

 

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警察は、倒れた信号機付近が犬の散歩コースだったことから「犬の尿に含まれる塩分などが原因となって腐食が通常よりも早く進んだ可能性が高い」という調査結果をまとめました。

 

このニュースを、NHKが伝えたところ、SNS上にはさまざまな意見が寄せられました。

 

「散歩は排せつのためだから、しかたないよね」

「おしっこかけたらそのままにせず、ちゃんと水をかけないと」

「腐食しないようにコンクリートの柱にすればいいのでは」

 

ニュースでは、犬のしつけに詳しい、東京にある赤坂動物病院の柴内晶子院長の話も紹介。

 

犬が散歩中に外で排せつをしないことで、大きなストレスになったり病気になったりすることはありません。犬の健康状態を把握するために、散歩中ではなく、自宅で排せつするようしつけるのを勧めます」というコメントを掲載しました。

 

①散歩は排せつのため?

 

このニュースが公開されるやいなや、SNSでは大きな話題に。

 

「驚き!そんなこともあるんですね」

「一体、何匹、何年がかりなんだ?」

 

さまざまな声が寄せられました。

 

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そうした中でも多かったのが、次のような声です。

 

「犬の排せつをすませてから散歩?排せつのために散歩させているのに」

「散歩でおしっこ禁止は現実的ではないです」

 

さきほどの柴内院長に「散歩は排せつの目的」という声についてあらためて聞いてみると。

 

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赤坂動物病院 柴内晶子院長:

「散歩に行って、排せつをさせて帰ってくるということが1つのセットになっているという人は多いと思います。でも、排せつは必ずしも散歩の目的ではないです。外では尿の状態を確認するのが難しいので、犬の健康のことを第一に考えるのであれば、家で済ませた方がいいです」

 

「マーキングしないことがストレスになるということはありませんし、根気強くしつけをしていくことで、十分に覚えてくれます。“犬と暮らす”という点をあらためて考えて、インストラクターや獣医師などに相談してみてください」

 

そのうえで、もし外でしてしまいそうになった時は、ペットシーツを敷いて尿をさせるのがいいといいます。

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また最近では犬のおむつのような役割をする「マナーベルト」をつける犬も見かけますが、この点については…。

 

柴内院長:
「マナーベルトをつけて散歩に出かければ中に尿が入るからOKという飼い主さんもいますが、あまり私はお勧めしたくないです」

 

「マナーベルトは、あくまで健康状態などが良くなくて尿が漏れてしまう、という時に使うものであってほしいです。ずっとそれをつけていますと尿道の周りがただれるトラブルも起きているので要注意です」

 

②おしっこしたら水をかければいい?

 

続いてよく見られた声がこちら。

 

「犬の散歩には、水を入れたペットボトルを持って行き、水で洗い流してください」

 

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たしかに最近は、よく見る光景です。

 

尿をしてしまったとしても、水で流しておけば腐食も防げるという考えなのだと思いますが、この対策について、警察に聞くと…。

 

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三重県警察本部 交通規制課:
「実はだめなんですよ。鉄の腐食の要因になるのは、水と酸素、そして塩分などの環境要因なんです。鉄の柱に尿をかけたうえに、さらに水をかけるってことは、腐食を防ぐ意味では好ましくありませんね」

 

ダメなんですね…。

 

三重県の工業研究所金属研究室にも聞いてみましたが、たとえ尿を洗い流したとしても、水分がついている状態を放置することになり、鉄にとってはよくないと話していました。

 

元々は、においを消すために始まったことかもしれないですが、少なくとも腐食を防ぐという点ではNGなようです。

 

念のため、におい対策としての意味について、柴内院長に聞いてみました。

 

柴内院長:
「ペットボトルにちょっとくんできたくらいの水の量では、1回の排尿量を十分に掃除するということにはとても至らないですね。逆に道路などに広げてしまうだけになることもあるので、においを消すっていう点でもそれほど意味のあることではないと思います」

 

③コンクリート柱にすればいい?

 

「コンクリート製ならこのようなことは発生しにくいのでしょうけど」

 

SNSには対策に関しての言及も見られました。実は三重県警では、コンクリート製の柱から鉄製の柱へと建てかえを進めています。なぜなのか聞くと。

 

三重県警交通規制課:
「耐用年数が長いというのと、地震に強いのが主な理由ですね」

 

耐用年数はコンクリート製の柱が42年なのに対して、鉄製の柱は50年。耐用年数通りであれば8年ほど長く使えます。さらに、鉄製の柱の方が、耐震性が高いことも大きなメリットです。

 

三重県は、南海トラフ巨大地震などで大きな影響も予想される地域。地震が発生した時の安全を考慮して、コンクリート製の柱はこれから減らしていきたいというのです。

 

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一方で、鉄製の柱については、施工方法などの見直しを進めています。

 

まずは、柱の根元の地面。もともとアスファルトを敷いていましたが、より隙間が小さくなって水がしみにくい、コンクリートにすることにして、傾斜もつけました。さらに、柱の根元部分そのものの厚みを持たせるなどしています。

 

また、点検の精度をあげることで、腐食がひどくなる前に表面の亜鉛メッキを再塗装することなども、これから実験していくことにしています。

 

ただ、こういった対策をとっても、日々尿がかけられることで、腐食が進んでしまう可能性が高いので、警察は尿をかけるのはやめてほしいとしています。

 

誰もが気持ちよく暮らせるように

 

ニュースを受けて、犬を飼っていると思われる人のアカウントでは、「こういう話が出ると、肩身が狭くなる」という声もみられました。

 

信号機の柱が倒れるのは、その道を利用する人たちにとっては、非常に危険なことですが、犬を飼う人と、飼っていない人が今回の件で対立してしまうことは、私たちにとっても本意ではありません。

 

取材を進める中で、ふだんから公共の場での犬の排せつに気をつけて散歩していて、犬のことを本当に大切に考えている飼い主が多いんだなと知ることができました。

 

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犬を家族の一員と考えるのが当たり前になっている今、飼い主と犬が社会の中でどうやったら気持ちよく、安心して暮らしていけるのか。犬を飼っている人も、飼っていない人も、そうしたことを考えるきっかけに、今回のニュースがなってほしいと思います。

 

 

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周防則志 2020年入局 

“地域の課題を解決する”報道を目指している

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:20:00 | WEB特集 |   | 固定リンク


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