文研ブログ

2022年12月16日

調査あれこれ 2022年12月16日 (金)

#437 サッカー日本代表、大健闘!! 感動をありがとう!

計画管理部(計画) 斉藤孝信

 FIFAワールドカップ2022は、いよいよ日本時間12月18日24時(19日0時)に決勝戦を迎えます。我らが日本代表は、惜しくも目標のベスト8にはあと一歩届きませんでしたが、ドイツとスペインを撃破するなど大健闘で、多くの感動をもたらしてくれました。 改めまして、日本代表の皆さん、お疲れ様でした!ありがとうございました!

 「日本が世界に挑む大きな大会」は、老若男女問わず、多くの人が視聴する傾向があると前回のブログでお話ししましたが、今回も、テレビ各局の試合中継が高視聴率となりました。また、インターネットのABEMAで視聴した人が毎試合1000万人を超えたと発表されたのは、メディアが多様化した時代を象徴するニュースでもありました。
 ニュースや番組での街頭インタビューを見ていても「これからもずっと日本代表を応援したい」「自分も仕事や勉強を頑張ろうという勇気をもらった」と熱い感想を述べる若者が多かったように感じます。きっと、大会前に思っていたよりも夢中になった方が多いのではないでしょうか。
 このような、「大会での活躍を見て、事前に思っていたよりも夢中になる」傾向は、今回に限らず、これまでの大きなスポーツ大会の際にも、世論調査で捉えられています。
 たとえば、「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」では、2018年2月に韓国・ピョンチャンで開かれたオリンピック(以下、五輪)の前と後で、それぞれ「見たいと思う競技」と「実際に見た競技」を複数回答で尋ねましたが、その中で、カーリングを挙げた人の割合はこのようになりました。

ピョンチャン五輪で、カーリングを「見たい」(事前)「見た」(事後)人の割合

 開催4か月前には「見たい」人が25%しかいなかったのに、終わってみれば、じつに70%もの人が「見た」と答えました。女子の日本代表が史上初の銅メダルを獲得したこの大会。チームの躍進を応援しながら、ルールや面白さを知った方も多いでしょうし、競技以外にも、選手たちが競技の合間にお菓子やフルーツを頬張る"もぐもぐタイム"も話題になりました。

 さらに......。同調査は2016年から五輪後の2021年まで通算7回実施し、第2回以降はずっと「東京五輪で見たい競技」を複数回答で尋ねてきました。その中から、2018年3月(第3回)と同年10月(第4回)のあいだで起きた興味深い変化をご紹介します。「テニスを見たい」と答えた人の割合です。

東京五輪で「テニスを見たい」人の割合

 「テニスを見たい」人は、第3回の約3割から、第4回には約4割へと増加しました。調査では24の競技を選択肢に示しましたが、第3回から第4回で増えたのは、テニスだけでした。テニスにいったい何があったのかというと、第4回の1か月前に、全米オープンの女子シングルスで大坂なおみ選手が初優勝に輝いていたのです。世界的な大会での日本勢の活躍が、その競技に対する人々の観戦意欲を高めることにつながることの好例です。

 実際の東京五輪でも、大会前(2021年3月の第6回)に「見たい」答えた人よりも、大会後(2021年9月の第7回)に「印象に残った」と答えた人の割合が増えたのは、ご覧のとおり。いずれも五輪で日本がメダルを獲得した競技でした。

東京五輪「見たい」(事前)よりも「印象に残った」(事後)が高かった競技

 今回のサッカーW杯については、世論調査を行ったわけではないので想像でしかありませんが、おそらく、大会前に「見たい」と思っていた人よりも、いま「印象に残っている」と感じている人が多いのではないでしょうか。

 まずは日本代表の奮闘ぶりに大いに盛り上がった今大会ですが、高まった応援熱は、この先、果たしてどれだけ持続するのでしょうか!?次回のブログで考えます!