文研ブログ

放送博物館

放送博物館 2018年08月22日 (水)

#141 「大阪桐蔭×金足農」決勝戦をパブリックビューイングでお楽しみいただきました!

放送博物館 堀田伸一

北大阪代表の大阪桐蔭が優勝して幕を閉じた、夏の高校野球第100回大会。
NHK放送博物館では10月28日まで、夏の高校野球100回記念展「放送が伝えた白球の軌跡」を開催しています。その関連イベントとして、大阪桐蔭(北大阪)×金足農(秋田)の決勝が行われた8月21日に試合のパブリックビューイングを行い、約230人のお客様にお楽しみいただきました。

正直なところ、これほど多くのお客様にご来場いただけるとは予想しておらず、「おい、朝から何件もお問い合わせの電話が鳴っているぞ。人があふれるんじゃないか?」と心配する上司をよそに、「大丈夫ですよ。家のテレビでのんびり観る人がほとんどですよ。」とのんきに構えていたものの、昼過ぎに会場の前に並ぶお客様の数を見てびっくり。急遽、開場を早め、椅子を増設し、第2会場を用意し…。

どうやら、今回のイベントを秋田県出身の方々がSNSで拡散し、誘いあわせてご来場くださったようで、試合が始まると、金足農の吉田投手がストライクを取ると拍手が、金足農がヒットを打つと歓声が、画面が秋田県からのリポートに切り替わると大歓声が沸き起こる、そんな状況でした。

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試合終了後、秋田代表の金足農は敗れたものの、勝利した大阪桐蔭のナインがアップになると、会場のお客様からも惜しみない拍手が送られ、パブリックビューイングの醍醐味である周りのお客様との「一体感」や、球場にいるかのような「臨場感」は、家のテレビでは味わえないものだと実感させられました。

インターネットを介したSNS全盛の世の中にあって、パソコンやスマホの画面を見て博物館に来場されたみなさんが、リアルな人とのつながりを楽しんでくださったことや、テレビがその中心にあるということはとても興味深く、街頭テレビの時代から変わらない、テレビの魅力ではないかと思いました。
暑い中、わざわざご来場くださったみなさま、ありがとうございました。

これまでの高校野球の熱戦を映像や博物館所蔵の史・資料で振り返る、夏の高校野球100回記念展「放送が伝えた白球の軌跡」は10月28日まで開催中です。ぜひ、ご来場ください。


NHK放送博物館

休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
所在地 :〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1  
TEL  : 03-5400-6900

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(ホームページはこちら)  

放送博物館 2018年06月08日 (金)

#129 「減点パパ展」関連トークショーに あの悪役俳優が登場します!

メディア研究部(メディア史研究) 東山一郎

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現在、NHK放送博物館で開催中の企画展「減点パパ+減点ファミリー展」。放送博物館では、この企画展をより楽しんでいただくために、「減点パパ」「減点ファミリー」ゆかりのお二人によるトークイベント「二代目三波伸介と悪役俳優・上野山功一のミュージアムトーク」を6月23日(土)に開催します事前申し込み制)。喜劇役者の二代目三波伸介さんと、1981年に「減点ファミリー」に出演された悪役俳優の上野山功一さんに、出演の思い出や番組の裏話などをお話しいただきます。

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1973年から82年までに440回余り放送された「減点パパ」「減点ファミリー」の〝売り″は、三波伸介さんが描く「似顔絵」と、お子さんがパパ・ママに向けて披露する「作文」の二つ。今回の企画展の〝目玉″でもあります。

企画展に向けて、似顔絵、作文、映像を確認・整理していくなかで、印象に残ったもののひとつに、「悪役もの」がありました。「減点パパ」には、成田三樹夫さん、藤岡重慶さんなど多くの悪役俳優の方が出演されていて、その出演回を私は勝手に「悪役もの」と呼んでいました。「悪役もの」には、俳優の顔と「パパの顔」の違い・ギャップが際立っていること、そして「作文が泣かせる」という特徴がありました。その「悪役もの」のなかで最も印象に残ったのが、上野山さん親子の回でした。プロフィールによると上野山さんは日活と大映の映画で活躍された後、『キイハンター』『太陽にほえろ』『必殺仕事人』『水戸黄門』など民放のテレビドラマを中心に、のべ500回にわたり悪役を演じられたとのこと。当時小学生だった息子さんが悪役俳優のお父さんに向けた作文の次のフレーズに心引かれました。 

・・・テレビでいつも殺されているお父さんを見ていると、少し悲しい思いで下を向いているときもありました。でも、僕ももう大きくなったから大丈夫です。何度殺されても、お父さんは家に帰ってくるから・・・

この作文を読む映像を見ながら、「いい子だな」「いい親子だな」「会ってみたいな」「話を聞いてみたいな」と思っていたことが、今回のトークショーという形になりました(単純ですみません)。

喜劇役者と悪役俳優という異色の組み合わせのトークショー。「減点パパ」「減点ファミリー」の実際の出演者のお話をうかがう貴重な機会でもあります。企画展と合わせて、ぜひご観覧ください!

お申し込みなどについては、NHK放送博物館ホームページをご覧ください。


NHK放送博物館

休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
所在地 :〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1  
TEL  : 03-5400-6900

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放送博物館 2018年03月30日 (金)

#119 減点パパ+減点ファミリー展を開催中です!

メディア研究部(メディア史研究) 東山一郎

NHK放送博物館
(東京・港区)では、企画展「減点パパ+減点ファミリー展」を開催しています。
「減点パパ」「減点ファミリー」というフレーズにピンとくるのは、おそらく40代半ばを過ぎた方々ではないかと思います。ピンとこなかった方にも楽しんでいただけるように、「減点パパ」「減点ファミリー」とは何か、どんな展示なのか、簡単にご紹介していきます。

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「減点パパ」「減点ファミリー」は、1970年代から80年代にかけて放送されたNHKのバラエティー番組『お笑いオンステージ』のなかのひとつのコーナーです。『お笑いオンステージ』は日曜日の大河ドラマの前、よる7時20分からの放送で、番組前半のショートコメディ「てんぷく笑劇場」と番組後半の「減点パパ」「減点ファミリー」が人気のコーナーでした。「減点パパ」は73年4月から始まりました。俳優や歌手、芸人など著名人の子どもがまず登場して、司会の初代 三波伸介さんがその子に顔の特徴を聞きながら、パパの似顔絵を描いていく。似顔絵が完成すると、そこで初めてパパが登場。そして、お子さんが得意なものは? 将来の夢は? など、子どもに関する質問がパパに次々に投げかけられ、答えられなければ、似顔絵に×印がつけられていく・・・、コーナーの最後には、子どもがパパに向けた作文を披露する。似顔絵、Q&A、作文という三つの要素を通して、著名人の意外な一面が垣間見えたり、ほのぼのとした親子関係が見えたりというコーナーでした。75年からタイトルが「減点ファミリー」となり、パパだけでなく、ママ、おじいちゃん、おばあちゃんも登場するようになりました。

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初代 三波伸介さん(当時の番組宣伝用写真から)

今回の企画展は、放送博物館に保存されていた三波伸介さんによる似顔絵およそ100点を、著名人のお子さん、お孫さんによる作文や二代目三波伸介さん所蔵資料などとともに構成したものです。三波伸介さんは当時、『笑点』(日本テレビ)の司会をはじめ、数々のテレビ番組にレギュラー出演していた喜劇人で、昭和のテレビを代表するスターのひとりです。三波さんによる上手な似顔絵の数々がまず、この企画展の見どころです。
その似顔絵を見ていくと、「減点パパ」「減点ファミリー」のゲストが実に多彩だったことに驚かされます。30数年前のバラエティー番組に「この人が!?」という意外な方も多数出演されていました。例えば、細川隆元さん、毒舌で知られた政治評論家です。現在、テレビで活躍中の加藤一二三さんも現役の棋士として出演していました。そして俳優の大滝秀治さんなど、多彩で意外な方々が出演されていました。大滝さんは似顔絵とともにお嬢さんによる作文も展示させていただいています。

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展示したおよそ100人の似顔絵からは、芸能関係に限らず、この当時の放送、そして文化を彩っていた方々、今も彩り続けている方々の姿を見ることができると思います。

「減点パパ・減点ファミリー」のコーナーを締めくくっていたお子さんたちの作文は、数は多くはありませんが、作文実物のほか、映像でも紹介しています。俳優の吉田義夫さんの放送回も映像で紹介しています。吉田さんは、当時の「週刊TVガイド」の記事にもあるように、稀代の悪役俳優として知られた方でした。その吉田さんが、お孫さんが読む作文を聞いて、はにかんだような嬉しいような、何とも言えない表情をされているのがとても印象的です。子どもたちの作文の展示にふれると、なんとなくほっこりとした気分になると思います。

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「週刊TVガイド」1980年10月3日号(東京ニュース通信社)
*次回のゲストは誰かを読者に予想してもらう記事で、似顔絵には目隠しがされていました。

今から30数年前のテレビ番組を題材とした展示ですが、番組を知らない若い世代の方にとっても、親の世代はこういう番組を見ていたんだとか、この人はこんなに昔から活躍していたんだとか、何か発見がある展示だと思います。
7月8日(日)まで開催しています。ぜひ、NHK放送博物館にお越しください。
4月29日(日)には二代目 三波伸介さん出演の企画展関連イベントも開催されます。こちらもぜひご参加ください(事前申込制)

 


NHK放送博物館

休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
所在地 :〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1  
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放送博物館 2017年10月06日 (金)

#97 企画展「ヒロインたちの肖像 連続テレビ小説ポスター展」をもっと楽しむ!

放送博物館 堀田伸一

NHKの連続テレビ小説は現在放送中のわろてんか』で第97作を数えます。NHK放送博物館では、この連続テレビ小説のポスターを集めた「ヒロインたちの肖像 連続テレビ小説ポスター展」2018年1月28日(日)まで開催しています。今年の1~2月に開催した「NHK大河ドラマ"蔵出し"ポスター展」に寄せられた「朝ドラの展示も見たい!」という声にお応えするものです。
今回の記事では、この企画展を何倍も楽しく見るためのポイントをご紹介します。

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●  ポスターに見る「ヒロインたちの肖像」
今回の展示のメインは、なんといっても、当博物館で所蔵している、連続テレビ小説77作品・310種類の広報ポスターから厳選された49点のポスターです。連続テレビ小説のポスターは、ヒロインの顔が大写しになったものが多いのが特徴です。

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ポスターごとのヒロインの描かれ方や表情の違いを比べると、今回の企画展が何倍もお楽しみいただけると思います。


●  オープニング映像
今回の企画展では、ポスター展示のほか、NHKに映像が現存する91作品について、オープニング映像の冒頭部分を視聴できるコーナーを設けています。オープニングに描かれた日本各地の美しい風景や、懐かしのテーマ音楽をお楽しみいただけます。
また、出演者などのクレジットに目を向けると意外な発見があるかもしれません。例えばちりとてちん』(2007)のオープニング映像には、のちに『ゲゲゲの女房』(2008)でヒロインを演じる松下奈緒さんが「テーマ曲ピアノ演奏」でクレジットされています。
クレジットの中には、作品のリアリティを追及するための「時代考証」や「方言指導」なども表示されています。ヒロインの母の実家がかまぼこの老舗という設定だった『天花』(2004)の「かまぼこ製作指導」、戦時下が描かれる『梅ちゃん先生』(2012)の「竹やり指導」など、ちょっと変わったクレジットを探すのも楽しみ方のひとつです。


●  「職業でみるヒロイン像」「ヒロインを愛した男たち」
ヒロインの生涯が描かれることが多い連続テレビ小説では、ヒロインの職業や伴侶は重要な要素です。今回の企画展では、これまでのヒロインたちの職業と結婚相手を、写真で振り返ることのできるコーナーも設けています。
「職業でみるヒロイン像」からは、アイドルから宇宙飛行士にいたるまで、実にさまざまな職業で活躍する姿が描かれてきたことがわかります。「ヒロインを愛した男たち」に目を向けると、渋い演技が魅力的な実力派俳優からお笑いタレントにいたるまで、こちらも実にさまざまなタイプの男性の顔が並びます。
多種多様な職業や結婚相手を切り口に、ヒロイン像を思い浮かべながらポスターを眺めれば、ポスターに描かれたヒロインの表情も一味違って見えてくるはずです。

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このほか、連続テレビ小説に欠かすことのできない、名優や往年の名アナウンサーたちによる「語り」を楽しむことのできるコーナーや、老若男女で楽しめるクイズコーナーもあります。ぜひ、期間中にNHK放送博物館にお越しください。

「ヒロインたちの肖像 連続テレビ小説ポスター展」
2017年9月30日(土)~2018年1月28日(日)


NHK放送博物館

休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
所在地 :〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1  
TEL  : 03-5400-6900

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放送博物館 2017年09月01日 (金)

#92 「NHK放送博物館」入館者数500万人到達!

放送博物館 加藤元宣


8月25日(金)、NHK放送博物館の入館者数が
500万人に達しました。500万人目の入館者となられたのは、東京都小金井市からお越しいただいた杉本容子さんです。杉本さんには、上田良一NHK会長から感謝状が、高野俊雄NHK放送博物館長から記念品が、そして鈴木郁子NHK放送文化研究所長から花束が贈られました。


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杉本さんは、「愛宕神社への参拝を兼ねて、以前から一度見たかったNHK放送博物館に来ました。朝ドラやあさイチ、ニュースなど、NHKの番組はいつも楽しく拝見しています。まさか、500万人目にあたるなんて、とてもうれしいです。」と、喜んでおられました。

NHK放送博物館のある東京・港区・愛宕山は、大正時代に本格的なラジオ放送が始まった場所で、“放送のふるさと”として親しまれています。NHK放送博物館は、昭和31年に歴史あるこの地で世界最初の放送専門ミュージアムとして開館しました。以来61年間にわたって、さまざまな展示を通して、放送の歩みと役割をご覧いただいてきました。

また、NHK放送博物館では、昨年1月に、1年をかけた大がかりなリニューアル工事が完成しました。新しい展示のコンセプトは「放送の過去・現在・未来」。「過去」については、懐かしい放送番組や放送を支えた貴重な技術機材の展示。「現在」については、ニュースキャスターやバーチャルリアリティーが体験できる「放送体験スタジオ」。「未来」については、200インチ大型スクリーンと22.2マルチチャンネルによって8Kスーパーハイビジョンの大迫力の映像と音声を体感できる「愛宕山8Kシアター」。NHK放送博物館では、以上の3つの視点から、放送の持つ魅力のすべてをたっぷりとお楽しみいただくことができます。

これからも、スタッフ一同でお客様サービスの一層の向上に努めてまいりますので、親子連れやお友達同士など、みなさまでお気軽にご来館いただきますよう、よろしくお願いいたします。


放送博物館 2017年05月09日 (火)

#77 NHK放送博物館に『探検バクモン』が突撃!

放送博物館 谷内美穂

立ち入り禁止のエリアなどふだんはめったに見られない場所を爆笑問題が訪ねる、NHK総合テレビで放送中の知的エンターテインメント『探検バクモン』(毎週水曜 夜8時15分~)。番組がスタートして5年目の春、満を持して、NHK放送博物館が登場することになりました!

1956年に世界で初めての放送専門のミュージアムとして開館した当館は、放送機器や番組で放送の歩みをたどる展示室など、公開している場所はこれまでもテレビの画面に登場したことがあります。ですが、今回は『探検バクモン』の取材ということで、一般の方は立ち入ることのできない、当館の隠れた一角にもテレビカメラが入りました。

番組の撮影が行われたのは、放送博物館を彩る、東京・愛宕山の桜がようやく咲きかけた頃でした。館内を探検するのは、爆笑問題の太田光さんと田中裕二さんタレントのサヘル・ローズさん、そして、特別ゲストとして、女優の中村メイコさんです。学芸員である私が、みなさんをご案内しました。

中村メイコさんは、幼い頃からNHKの番組に出演し、放送の歴史とともに歩んでこられた方です。タモリさんいわく「動く放送博物館」(!)です。昭和15年、6歳の時には、日本で2番目に制作された『謡と代用品』というテレビドラマに、姉妹の妹役で出演されました。もちろんその頃のテレビはまだ実験段階のため、撮影は技術研究所(現:NHK放送技術研究所/東京・世田谷区)で行われました。メイコさんが当時の思い出を語ってくださいました。

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テレビドラマ『謡と代用品』の撮影の様子(出演者中央が中村メイコさん)

そして、『探検バクモン』ならではの「探検」に向かったのが、放送博物館の資料庫でした。当館では、テレビカメラやマイクロホンなどNHKの放送現場でこれまで活躍した機器はもちろんのこと、家庭で使われていたラジオ受信機やテレビ受像機、放送の記録や番組の小道具などの文献・物品など、放送に関わる資料をあわせて約3万点所蔵しています。公開展示しているものはそのうちの一部で、資料庫には、まだまだみなさまにお目にかけていない“お宝”がたくさんあります。

そんな資料庫に突入した爆笑問題の太田さんと田中さんは、威風堂々とした、さまざまな時代の懐かしのブラウン管テレビが居並ぶ中に、持ち運びができる小型テレビを発見!探検のワクワク感いっぱいの面持ちで釘づけになっていました。

どの博物館にも収集した資料を保管する資料庫がありますが、ここはまさに博物館の要の部分で、収蔵資料は常設展の資料同様に、博物館が後世に向けて大切に守っていかなければならないものです。そのため、このスペースは一般の博物館と同じく当館でも非公開ですので、はたしてどんな“お宝”が潜んでいるのか、その映像は必見です!

77-0509-4.JPG ただいま、資料庫を撮影中! 

このブログでご紹介した以外にも、番組には、放送の歩みがわかるさまざまな展示や、道具を使って効果音作成の体験ができるコーナーでのみなさんのチャレンジの様子など、当館の魅力を感じていただける内容が満載です。お楽しみに。

NHK放送博物館が登場する『探検バクモン』は、5月17日(水)午後8時15分からの放送です。番組をご覧になって、「もっと展示が見たい!」と思われたみなさん、そして当館に興味を持たれたみなさんは、どうぞご来館ください。お待ちしています!

※放送は終了いたしました。


NHK放送博物館
休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
所在地 :〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1  
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放送博物館 2017年04月07日 (金)

#73 3.11 その時キャスターは ~命を守ることば~

メディア研究部(メディア動向) 入江さやか

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放送博物館で講演する横尾泰輔アナウンサー(3月12日

「一刻も早く高い所に逃げてください」―。
2011年3月11日の東日本大震災。沿岸部の街が津波に襲われる映像とともに流れたNHKのアナウンサーの声。アメリカの国際放送局、ボイス・オブ・アメリカのスティーブ・ハーマン記者はワシントン・ポスト紙の取材に対してこう答えています。「NHKのアナウンサーのこれほど感情的な声を聞いたことがなかった。“クロンカイトが眼鏡を外して涙をこらえた”瞬間のようだった」と。当時の放送は、アメリカの伝説的なニュースアンカー、ウォルター・クロンカイトがケネディ大統領暗殺のニュースを伝えた時に匹敵するような強い印象を与えたのです。

その時、アナウンサーはどのような思いで緊急報道にあたっていたのか。3月12日、NHK放送博物館(東京都・港区)で、東日本大震災発生時に東京のスタジオからニュースを伝えていた横尾泰輔アナウンサー(現・大阪放送局)の講演会が開かれました。震災から5年目にあたる昨年の春から、横尾アナウンサーは「あの日の放送にしっかり向き合わなければ」と、京都大学の矢守克也教授(災害心理学)のもとで調査・研究に取り組みました。大津波警報が発表された午後2時50分から各地に津波が到達した午後3時20分までの30分間の自らの心理を分析するとともに、その放送を被災地の住民がどのように受け止めていたのか聞き取り調査も行いました。

大津波警報が発表されてから24分間は、NHKが各地に設置したロボットカメラの映像では海の様子に特別な変化はみられず、各地で観測される津波も50センチ以下だったことなどから「空振りにならないだろうか」と、横尾アナウンサー自身も気持ちに揺らぎがあったといいます。住民の聞き取りでも「予想より低い観測値で安心した」という声が聞かれたそうです。

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岩手県釜石港に押し寄せる津波の映像(午後3時14分ごろ)

ところが午後3時14分ごろ、岩手県釜石港に大津波が押し寄せる映像が入ってきた段階から、状況が一変しました。予想される津波の高さが大幅に引き上げられたうえ、マグニチュード7.6の最大余震も発生し、東京のスタジオも大きく揺れました。横尾アナウンサー自身も「スタジオの照明器具が落ちてきてケガをしても仕方ない」と覚悟したといいます。そんな恐怖と、緊急報道を担う重圧に耐えながら、懸命に津波や地震の実況を伝え、避難を強く呼びかけ続けました。
しかし、想定を超える巨大な津波で多くの人が命を失いました。

「いのちを守ることば」はどうあるべきか――東日本大震災の経験と分析を踏まえて横尾アナウンサーは講演の中で、津波に対する危機感を伝えるためのさまざまな表現のあり方を提案しました。「直ちに逃げること!」「津波は内陸にも押し寄せます!」といった「命令調」「断定調」の表現を用いる「3メートルは人の背丈のおよそ2倍」など高さを示す数字のイメージが持てるような伝え方をする過去の教訓や事例を盛り込んだ呼びかけをする、などです。

このうち、「命令調」「断定調」などは、震災発生後の2011年11月からNHKの災害報道に導入されています。また過去の教訓や事例を用いた呼びかけの例としては「東日本大震災を思い出してください!」といった表現も使われています。私も報道局でこれらの呼びかけ方の検討に携わりました。しかし東日本大震災についての人々の記憶が風化してしまっては、これらの「ことば」が十分な力を持つことができません。現在、放送博物館では特別展「東日本大震災 伝え続けるために」を開催しています。当時のニュース映像などを通じて、改めて「いのちを守ることば」について考えていただければと思います。


NHK放送博物館

休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
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特別展「東日本大震災 伝え続けるために」は9月10日(日)まで開催
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***関連記事はこちら***
文研ブログ #68 NHK放送博物館 特別展「東日本大震災 伝え続けるために」

放送博物館 2017年03月03日 (金)

#68 NHK放送博物館 特別展「東日本大震災 伝え続けるために」

メディア研究部(メディア動向) 入江さやか
メディア研究部(メディア史研究) 東山一郎

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2011年3月11日 午後2時46分。
「あの日、あの時」からまもなく6年がたとうとしています。みなさんの心の中ではどのように記憶されているでしょうか。

NHKは地震発生から総力を挙げて災害報道にあたり、今も被災した方々と被災地の姿を見つめ、伝え続けています。今回、災害報道に関する資料の展示という形で東日本大震災を振り返ります。NHK放送博物館では、3月7日(火)から9月10日(日)までの半年間、特別展「東日本大震災 伝え続けるために」を開催します

NHKは昨年、各地の放送局や職員が保管していた東日本大震災に関する資料を収集しました。震災から5年が経過し、散逸するおそれがあったためです。取材ノートや被災地の「前線」での引き継ぎメモなどの資料には、記者やカメラマンをはじめ、あのとき被災した地域に入った者だからこそ、見て、聞いて、感じたことが刻み込まれています。これらは未曾有の大災害を伝える貴重な「記録」であり、伝え続けていくべき大切な「記憶」でもあります。
これらの資料に、当時の映像や写真、そしてこの6年、震災を伝え続けている番組の資料などを加えて今回の特別展を構成しました。記者やカメラマンたちは、何を感じ、何を考えたのか。取材ノートや写真には、甚大な被害を前にした戸惑いや葛藤など取材者たちがつづった手記を添えています。
仙台放送局の「被災地からの声」は、発災まもない時期から継続的に被災者の肉声を伝え続けている番組です。被災した方々が自筆でスケッチブックにメッセージを書き、テレビカメラに向かって思いのたけを語ります。被災した方々の思いが込められた、このスケッチブックもご紹介します。
亡くなった方に寄せる家族のメッセージを思い出の写真とともに伝える「こころフォト」からは、失われた一人一人の命の尊さと、残された方々が震災後の日々をどのように生きようとしているのかがうかがわれ、胸に迫ります。

特別展の準備で数々の資料に目を通す中で、私たちは「あの日、あの時」を忘れてはいけない、そしていつかまた来る大災害に備えなければならないと強く感じました。この展示が、東日本大震災の記憶を風化させず、いまだ傷跡深い被災地に思いを寄せていただく一助になればと思います。

今回の特別展は、9月10日(日)までの半年間に及びます。ぜひ、愛宕山のNHK放送博物館に足をお運びください。


NHK放送博物館

休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
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放送博物館 2016年12月22日 (木)

#59 NHK大河ドラマ "蔵出し"ポスター展

放送博物館 和田源二

NHK放送博物館は、大河ドラマや連続テレビ小説、NHKスペシャルなど、番組広報用にNHKが制作したポスターを多数所蔵しています。放送博物館では、来年1月に大河ドラマ第56作「おんな城主 直虎」の放送が始まるのにあわせ、歴代大河ドラマのポスターを一堂に展示します(会期:2017年1月17日~2月26日)。

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今回展示するポスターのうち最も古いのは第3作「太閤記」(1965年)です。豊臣秀吉を演じた緒形拳さんの野性味豊かな演技、第1回の冒頭で当時開業したばかりだった東海道新幹線の走行シーンを使うという斬新な演出などが視聴者の心をつかみ、大河ドラマの存在感を不動のものにした作品です。当時はモノクロ放送でしたが、ポスターはカラー写真で、緒形さん演じる秀吉(木下藤吉郎)の雄々しい笑顔と、寄り添う藤村志保さん(ねね役)の柔和な表情が好対照です。

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幕末から明治維新までを舞台に幕臣旗本の姉妹を描いた第5作「三姉妹」(1967年)は、岡田茉莉子さん・藤村志保さん・栗原小巻さんという3人の名優が武家の女性らしい気高い表情を見せているのが印象的なポスターです。

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このほか、第8作「樅ノ木は残った」(1970年)の吉永小百合さんの清新な笑顔、第21作「徳川家康」(1983年)の夏目雅子さん、第23作「春の波涛」(1985年)の松坂慶子さんの、いずれもあでやかな着物姿も必見です。ポスターの内容にも半世紀を超える時代の変遷が感じられます。初期のポスターがドラマのシーンを再現したような写真が多いのに対して、平成に入った頃から、ポスター独自の完成度を追求したものが増えてきます。

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足利尊氏役で鎧姿の真田広之さんを、ジーンズなど洋装の宮沢りえさんら3人の女性が囲むというユニークなデザインの第29作「太平記」(1991年)、モノトーンに近い薄い色調であたかも幕末に撮影した写真であるかのようなテイストの第47作「篤姫」(2008年)など、味わい深いポスターがめじろ押しです。

展示では、大河ドラマ全作品のタイトルバック映像もダイジェストでご覧いただく予定です。日本を代表する作曲家による歴代のテーマ曲とあわせお楽しみください。展示場は、放送博物館3階の企画展示室です。皆様のお越しをお待ちしております。

「NHK大河ドラマ “蔵出し”ポスター展」
2017年1月17日(火)~2月26日(日) 


NHK放送博物館

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放送博物館 2016年11月11日 (金)

#53 大河ドラマ「真田丸」:堺雅人さん・竹内結子さんの衣装を公開!

放送博物館 加藤 元宣

豊臣、徳川が対立し、緊迫した展開が続く大河ドラマ「真田丸」。番組タイトルでもある、大坂城の出城「真田丸」が築かれ、いよいよ明後日13日の放送では、両軍が「大坂冬の陣」で激突します!NHK放送博物館では、この「真田丸」の中で実際に使用した衣装を借り受け、先月から2階の「テレビドラマの世界」のコーナーで展示しています。テレビの画面では味わうことのできない、本物の衣装の圧倒的な質感をお楽しみください。

展示中の衣装は、主人公・真田幸村役の堺雅人さんが、信繁の頃に着用した裃(かみしも)と、茶々役の竹内結子さんが着用した打ち掛けです。いずれもこの写真のように、番組で登場したものですので、そのシーンを思い返される方がいらっしゃるかもしれません。

53-1111-11.jpg 真田幸村(信繁)役・堺雅人さん
53-1111-22.jpg 茶々役:竹内結子さん 

放送博物館では、大河ドラマの魅力を身近に味わっていただこうと、2006(平成18)年10月から、このような衣装展示を始めました。現在の「真田丸」の前は、1987(昭和62)年放送の「独眼竜政宗」から、勝新太郎さん演じる豊臣秀吉の胴服・袴、2015(平成27)年放送の「花燃ゆ」から、田中麗奈さん演じる毛利安子の小袖・打掛けを展示していました。これまでの展示では、放送終了後の番組の衣装も多かったのですが、今回は、放送中の「真田丸」の衣装をご覧いただくことになりました。年末の最終回に向けて、一層番組をお楽しみいただくきっかけになればと願っています。

また、「衣装は、見るだけではつまらない。身につけて、あの時代のあの主人公になってみたい」という、みなさまの切なるご要望にお応えする装置もご用意しています。その名も、「バーチャルなりきり体験」というデジタルディスプレーです(今回展示の、「真田丸」の衣装コーナーに設置しています)。

53-1111-3.png あなたもあの時代のあの主人公に! 「バーチャルなりきり体験」

これは「モーションピクチャー」という技術を利用したもので、このディスプレーの前に立つと、衣装を身につけている様子が合成されて画面に映し出されます。手足を動かすと衣装も一緒に動きますし、小さいお子さんですと、体の大きさに合わせて衣装も小さくなります。こちらでは、たとえば、2010(平成22)年放送の「龍馬伝」の、福山雅治さん演じる主人公・坂本龍馬や、2008(平成20)年放送「篤姫」のヒロイン、宮﨑あおいさん演じる天璋院篤姫の衣装で、「なりきり体験」をお楽しみいただくことができます。来館の際には、ぜひ体験なさってみてください。

このほか、これまでの大河ドラマの映像を見たり、テーマ音楽を聴いたりすることのできるタッチパネル・ディスプレーも、館内の隠れた人気スポットになっています。

現在展示中の「真田丸」の衣装は、来年の3月末日までご覧いただくことができます。
「大坂冬の陣」そして「大坂夏の陣」と、ますます目が離せなくなる「真田丸」にご期待いただくとともに、大河ドラマの魅力を身近に体感することができる、飛び切りの展示が満載のNHK放送博物館に、どうぞお立ち寄り下さい。


NHK放送博物館

休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
所在地 :〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1  
TEL  : 03-5400-6900

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