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メディアの動き 2024年01月19日 (金)

【メディアの動き】インタビューの内容メモなどがネット上に流出,NHKが関係者らに謝罪

 NHKは12月1日,記者が取材したインタビュー内容のメモなど取材に関する情報が,インターネット上に流出したと発表。取材協力者におわびしたうえで,公式サイトやニュースで謝罪した。

 流出したのは,11月,首都圏局に所属する記者が,若年女性を支援する一般社団法人の「Colabo(コラボ)」に対し,過去にひぼう中傷を繰り返した経験のある取材協力者へのインタビューの内容メモや企画の提案書。この協力者がひぼう中傷をするきっかけとなった人物のSNSアカウントを通じて,誰でも閲覧できるような状態になっていた。

 NHKの調査の結果,子会社が契約する30代の派遣スタッフが,取材・制作用の端末にアクセスし情報を持ち出して流出させたことを認めたという。派遣スタッフは,ニュースのテロップ制作などに関わっていて,「興味本位でやった」などと話しているという。

 その後,12月14日には首都圏局の担当者2人が,取材に協力していたColaboの事務所を訪れ,「報道機関としてあってはならない流出があった」などと謝罪し,本来,匿名であるはずの情報が流出したことで,放送できなくなったと説明した。これに対しColabo側は,「単なる流出ではなく,Colaboや女性支援に対する攻撃の一環として起きたことを認識いただきたい」などと話したという。

 取材に関する情報が外部に流出したことは,報道機関としての信頼を大きく損なうもので,倫理意識と情報管理の徹底が求められる。