2015年10月26日 (月)乳がん検診、受けていますか
10月は、乳がんの早期発見や早期治療を呼びかける
「ピンクリボン月間」です。
タレントの北斗晶さんがブログで乳がんの手術を告白し、
検診に行かなければと思っている方も多いと思います。
いつ、どのような検診を受けたらいいのか、知っていますか。
国立がん研究センターによりますと、
新たに乳がんと診断される女性は年々増えていて、
2015年は、1年間に、8万9400人と予測されています。
一生のうち12人に1人が患う計算になります。
一方で、検診の受診率は、H25年はおよそ27%。
先進国と比較すると大幅に低い水準にとどまっています。
発見が遅れるなどして亡くなった女性は、
平成26年は、1万3240人でした。
いま、検診の受診率をどうやって上げるのかが課題になっています。
乳がん検診には、主に2つあります。
マンモグラフィーと、エコーと呼ばれる超音波検査です。
マンモグラフィーは、乳腺のX線検査で、
乳房を板状のプレートで挟んで平らにして、写真を撮ります。
この検査は、乳房を圧迫するため、痛みを感じる人がいます。
最近では、3Dの最新のものもあります。
まだ広く普及はしていません。
一方の超音波は、胸の表面から超音波をあてて、
その反射の様子を確認する検査です。
どの検査を受ければ良いかわからないという方も多いと思います。
それぞれの検査の特徴について、乳腺専門医の平松秀子医師は、
「それぞれ得意分野があり、
どちらかでしか画像に映らない乳がんもある」と指摘します。
(平松医師)
「超音波は、乳腺は白く、しこりは黒く映り、
非常に小さいしこりでも、乳腺が多い方でも見つかりやすい。で
は、超音波だけ受けてればよいかというと、そうではありません。
『石灰化』という細かいカルシウムの沈着で
病気が発見される場合もありますが、
これは超音波では映りにくく、マンモグラフィーは鋭敏に検出します。
両方受けておけば、非常に制度が高まります」
では、検診は、どのくらいの頻度で受ければよいのでしょうか。
厚生労働省は、40歳以上を対象に、2年に1回、
マンモグラフィーを行うよう呼びかけています。
しかし、これは、最低限の指針です。
平松医師は、早期発見のためには、
毎年、マンモグラフィーと超音波、
両方受けるのが望ましいと話しています。
そして、街で女性たちに聞いたところ、
マンモグラフィーが痛い、という人が多くいました。
平松医師によると、検査を受ける時期にポイントがあるそうです。
それは、「生理後」に検査を受けること。
生理前や生理中は、胸が張って痛いという方が多く、
その時に検査を受けると、痛みを強く感じるケースが多いそうです。
生理後の胸が柔らなくなってきた時期に受けると、楽だそうです。
北斗さんは毎年受けていましたが、
検診では、がんが見つかりませんでした。
検診って本当に必要?と疑問に持った方もいると思います。
実は、検診と検診の間に進行してしまう
進行の早いタイプのがんもあるんです。
そのために必要なのが、自分でできる「視触診」です。
人差し指や中指の腹の部分で、胸をなでるように横にずらします。
全体をくまなく行います。
乳房をこんにゃくとたとえるならば、しこりは、
その中にある、梅干の種か、大豆のように感じるということです。
この「視触診」にもポイントがあります。
胸が張っているとわかりにくいので、
生理後の、胸が柔らかくなった時が適しているということです。
そして、
風呂で石けんを付けたときは、滑りがよくて、分かりやすいそうです。
月に1回、生理後にチェックしていると、ちょっと変化があった時に、
おや?何か違うな、と気づくことができるのではないでしょうか。
平松医師によると、
食生活の欧米化や、晩産化による女性ホルモンの影響で、
乳がんにかかる人は今後も増えると推測されるそうです。
早期に発見できれば治療方法もひろがります。
毎年、検診を受けるとともに、
月に1回は、自分で見たりさわったりして
異常があったらすぐに乳腺の専門医に相談してください。
投稿者:牧本 真由美 | 投稿時間:20時19分