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2023年6月22日

メディアの動き 2023年06月22日 (木)

【メディアの動き】「線状降水帯の発生情報」,予測技術の活用で最大30分早く発表へ

 発達した積乱雲が連なり大雨をもたらす「線状降水帯」が発生し,災害の危険度が急激に高まったことを伝える情報について,気象庁は予測技術を活用し,これまでより最大で30分早く発表する新たな運用を5月25日に開始した。

 2021年に始まった「顕著な大雨に関する気象情報」では,積乱雲が連なっている領域など,気象庁が定める線状降水帯の基準に達した場合に「土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっている」などと発表していた。

 ただ,「線状降水帯が発生したあと」の発表だったため,すでに災害が発生している可能性もあった。そこで新たな運用では,予測技術を導入し,線状降水帯の基準に達すると予測された段階で前倒しして情報を発表できるようになった。

 一方で,注意しなければならない点がある。気象庁ホームページの「雨雲の動き」などの画面では,▽これまでのように「実際に発生した」場合は実線の楕円で,▽新たな運用による「予測」は破線の楕円で線状降水帯の位置が示されるが,「顕著な大雨に関する情報」の文面はこれまでと変わらず,両者を区別していない。

 これについて気象庁は,「予測で発表したとしても危険が差し迫っているのは変わらないので,すぐに安全を確保してほしい」と話している。

 線状降水帯は,近年起きた多くの豪雨災害で発生が確認されている,非常に危険な現象だ。

 「最大30分前」という貴重な時間を生かし,素早い行動につなげたい。