文研ブログ

文研フォーラム

文研フォーラム 2022年07月22日 (金)

#405 『デジタル化でニュースやメディアはどう変わる?』

メディア研究部(海外メディア)税所玲子

  「日本人は、なぜツイッターでこんなに匿名が多いのか?」
2015年、英オックスフォード大学にあるロイタージャーナリズム研究所のフェローとなった私が、初日のセミナーで投げかけられた質問でした。

「え・・・?ツイッターって匿名が普通じゃなかったの・・・?」
実は日本人の匿名率は75.1%。アメリカの35.7%、韓国の31.5%に比べてかなり高い水準 だったことを私は知らなかったのです。

saisho1.jpg 日本では当たり前のことが、外国ではそうでないという、実に当たり前のことを実感する。
そのことで他者を知り、自分を知る。国際比較のだいご味はまさにそこにあります。

saiso2.jpg ロイタージャーナリズム研究所は、デジタル化の波にもまれ新たな活路を見出そうと模索するメディアの姿を、世界の国々のデータの中から読み解き「デジタルニュースリポート」にまとめています。2022年はNHK放送文化研究所が日本についてのデータの分析を試みました。

「日本人のエンゲージメントは低い?」

「インフルエンサーは過大評価されている?」

 こうした疑問を2022年7月28日の文研フォーラム、『「ニュース」「メディア」はどう変わる?』で、3人の経験豊富なジャーナリストにぶつけてみます。

saisho3.jpg 参加いただくのは、元共同通信の記者で、現在は専修大学でジャーナリズムの講義を担当する澤康臣さん、信濃毎日新聞のメディア局長の井上裕子さん、NHK報道局でSNSを駆使して情報取材を手がける足立義則さんです。

 皆さんからの質問にもお答えいただき、議論の中から日本のメディアの現在地と、未来に向けてのヒントを探りたいと思います。
ぜひ、ご参加ください!

総務省 平成26年情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc143120.html

    お申込みはこちらから ↓
ootaka5.jpg

 

 

 

 

文研フォーラム 2022年07月20日 (水)

#403 テレビに写る人の顔の「ぼかし」問題、語り合います!

メディア研究部 (メディア動向) 大髙 崇

  7月28日(木)開催の「文研フォーラム2022夏」プログラムBは、テレビ「ぼかし」対策会議です。
「ぼかし」とは、テレビに写った人などに対してモザイク加工をするなどして、特定できないようにする映像処理を指します。
 ootaka1a.jpg 実は2014年に、BPO(放送倫理・番組向上機構)の「放送と人権等権利に関する委員会」の当時の委員長・三宅弘弁護士が「顔なしインタビュー等についての要望」と題し、ぼかし(顔なし)についての意見を公表しました。特に顔を見せないようにする理由が見当たらないにも関わらず「ぼかし」をしている映像が目立つことに苦言を呈し、テレビでのインタビューなどは顔出しを原則とすべきだとして、次のように指摘しています。

 「安易に顔なし映像を用いることは、テレビ媒体への信頼低下をテレビ自らが追認しているかのようで、残念な光景である。」

 一方で三宅氏は、プライバシー保護が特に必要な場合などは本人が特定されないように配慮が必要だとして、放送局が議論し、ルール作りを進めるよう求めました。
 
 この、三宅氏の意見公表から月日は流れて早8年。

 むしろ「ぼかし」は増えているんじゃないの!? と思いつつ、テレビに写る人の顔や姿に関する権利、すなわち「肖像権」について研究をしています。
(NHK放送文化研究所年報2022に掲載された論文もぜひご参照ください)

 テレビの「ぼかし」、みなさんはどうお感じになっていますか?

 この「ぼかし」について大いに語り合おうというのが、今回のプログラムの目的です。
テレビに写りたくない人を守るためには「ぼかす」べき? しかし、「ぼかし」てばかりだと真実性が疑われるんじゃないの? ルール作りはできるのか?

 ゲストの登壇者、各界で活躍する3名をご紹介します。

  鎮目 博道さん
  ootaka2.jpg テレビ朝日で「報道ステーション」などを手がけ、ABEMA TVでもご活躍のプロデューサー。さまざまな媒体でテレビの課題を論じています。一方では「顔ハメパネル愛好家」という不思議な肩書も・・・
 
  久保 友香さん
 ootaka3.jpg プリクラ、スマホなどで容姿を自在に変える若者の「盛り」の文化と、それを支える技術を研究するメディア環境学者。テクノロジーが進歩し、美意識とライフスタイルが変化する中で、改めて顔とは何か……。久保さんには、テレビ関係者とは違った角度から、「ぼかし」問題にアプローチしていただきます。
 
  数藤 雅彦さん
 ootaka4.jpg 上記のNHK放送文化研究所年報2022は、弁護士である数藤さんと私の共著です。数藤さんは、所属するデジタルアーカイブ学会が2021年4月に正式版を公表した「肖像権ガイドライン」の策定リーダー。今回のプログラムでも、このガイドラインが議論の軸になります。

 そして、NHKの制作陣からは、NHK総合で放送中「チコちゃんに叱られる!」の制作統括・西ヶ谷力哉プロデューサーが登壇します。

 どんな議論になるでしょうか。テレビの未来をぼかさず、明るくクリアにする内容を目指します!

 たくさんの方のご参加、お待ちしています!
 
 お申込みはこちらから。

ootaka5.jpg










 

文研フォーラム 2022年07月11日 (月)

#402 NHK文研フォーラム2022夏 本日申し込み開始

文研フォーラム事務局

 fo-ramu1.jpg 7月28日(木)に開催する 3.jpgの申し込みを、本日開始しました。
 今年3月に開催し、多くの方に参加して頂いた「文研フォーラム」。文研の調査結果をタイムリーにご紹介するために、今年は夏にも開催します。
 プログラムの詳細や、申し込みはこちらから。
 https://www.nhk.or.jp/bunken/forum/2022_natu/index.html

申し込みは、7月24日(日)までです。
奮ってご参加ください。



文研フォーラム 2022年02月22日 (火)

#372 テレビのジェンダーバランス ~3月4日の文研フォーラムでテレビの現状を報告し、その意味するところを考えます

メディア研究部(海外メディア) 青木紀美子


皆さんはテレビの放送に登場する人物で一番多いのはどの年代だと思いますか?

私たちが行ったテレビ番組に登場する人物の男女比を調べるトライアル調査では30代が最も多く、次が40代でした。

これはテレビ番組の放送日時や内容、登場人物などを記録したデータ、メタデータを使い、2021年6月の1週間、NHK総合と教育、民放の在京キー局のあわせて7チャンネルの早朝から深夜に放送された番組(ドラマ、映画、再放送は除く)の登場人物の性別や年代などを調べたものです。

220221-011111111.JPG

では女性と男性に分けてみると、どうでしょうか。こちらは登場人物のうち、男性を年代別にみたグラフです。40代が最も多くなっています。

220221-22222.JPG

一方、女性の登場人物を年代別にみると、20代が最も多いことがわかりました。

220221-33333.JPG

それでは女性、男性の登場人物の数を年代別に比べてみると?

20代では女性が男性よりも多いけれども、30代以降では逆転して男性の方が多くなります。それも40代、50代では実に3倍以上と、かなりの差が開くことがわかりました。これはある1週間の限られた情報に基づくものですが、大きな傾向をつかむ手がかりにはなると考えています。

220221-44444.JPG

ちなみに日本の総人口を男女別、年代別にグラフに表すと以下のようになります。日本社会の現実と、テレビの放送が映し出す世界と、2つの間にはかなりの違いがあるようです。

220221-55555.JPG

この違いは何を意味するのでしょうか。

文研フォーラム、3月4日、午前10時半からのプログラムEでは、どんな番組ジャンルや話題で、また、どんな職業分野や肩書で、女性、男性の登場の仕方が違うのか、より詳しい調査の結果を報告します。そして、この差をどう見たらよいのか、2人のゲストに話を伺います。

220221-66.JPG

メディア文化論、フェミニズム研究が専門で大妻女子大学文学部教授の田中東子さん、メディア論を中心に政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じている社会調査支援機構チキラボ代表の荻上チキさんです。

前回のブログでは「メディアは社会の多様性を反映しているか?」という問いかけが、世界の潮流にもなりつつあることに触れました。その中で、全米公共ラジオNPRが、幅広いメディアが活用できる多様な取材対象のデータベースを作成して公開していることを取り上げました。今回の文研フォーラムでは、そのNPRのダイバーシティー推進責任者のキース・ウッズさんの話も紹介します。

220221-77.JPG

2021年11月に実施したテレビの女性や男性、多様なジェンダーの取り上げ方をどう見るか、視聴者に聞くアンケート調査の自由記述に寄せられた意見も詳しくお伝えする予定です。テレビのジェンダーバランスの今とこれからを考える機会にできればと考えています。ぜひご参加ください。


文研フォーラムの詳細・申し込みはこちら↓↓をクリック
forum2022.jpg


文研フォーラム 2022年02月21日 (月)

#371 「ジャーナリズムの危機をどう乗り越える」

メディア研究部(海外メディア) 税所玲子


『事実がなければ、真実には迫れず、真実がなければ信頼は生まれない。信頼がなければ、現実を共有できず、民主主義は失われる』

 これは、2021年のノーベル平和賞を受賞者の1人、フィリピンのジャーナリストのマリア・レッサさんが授賞式で述べた言葉です。強権的なドゥテルテ政権を厳しく追及するレッサさんは、政権からの圧力に加えて、SNS上での誹謗中傷や偽情報にも苦しめられています。冒頭の言葉は、メディアが信じられなくなり、事実の重みが揺らぐ世界の行く末への警鐘が込められているようです。
 「ジャーナリズムの危機」の現れ方は、国によって異なります。去年8月にはヨーロッパで記者が日常的な暴力にさらされている様子をこのブログで紹介しました。日本は、欧米のような状況に置かれているわけではありませんが、「メディアが伝えるニュースへの信頼」を尋ねた国際調査では、日本は、信頼が最も高かったフィンランドを20ポイント以上下回っています 1)

 「文研フォーラム」3月3日10:30からのプログラムDでは、この問題に日本でどう向き合えば良いのか、考えたいと思います。

 議論の出発点として、海外の公共放送の信頼回復にむけた取り組みを取材しました。イギリスからは、BBCの報道局長から大学教授に転じたリチャード・サムブルックさん。アメリカからは、PBSのドキュメンタリー番組の編集長、レイニー・アロンソン・ラスさんに話を聞きました。

220222-1.pngそしてスタジオには、ノンフィクション作家で日本ペンクラブの元会長の吉岡忍さん、ジャーナリズムやメディア研究が専門の東京大学大学院情報学環教授の林香里さん、NHK制作局で「クローズアップ現代+」などの制作にあたる細田直樹チーフ・プロデューサーをお招きしています。

220222-2.pngモデレーターは、トランプ前政権時代アメリカに駐在し、揺れるメディアの状況を取材した河野憲治解説委員長が務めます。

 これからのメディアのあり方の糸口を、みなさんと一緒に探りたいと思います。


1) 英ロイター・ジャーナリズム研究所 ”Digital News Report 2021
https://reutersinstitute.politics.ox.ac.uk/digital-news-report/2021


文研フォーラムの詳細・申し込みはこちら↓↓をクリック
forum2022.jpg

文研フォーラム 2022年02月17日 (木)

#370 "予定調和"ではない議論をご期待ください! ~3月4日・文研フォーラム 放送業界に"捲土重来"はあるか? 改革の突破口を探る

メディア研究部(メディア動向) 村上圭子


 文研フォーラム、3月4日、16時からのプログラムGでは、放送メディアの将来を考えるシンポジウムを行います。非常にユニークな6人の方にご登壇いただくことになりましたので、少し詳しくご紹介しておきます。

 まず、放送業界から3人の方にご登壇いただきます。3人に共通しているのは、①組織に所属しながらも忖度せずに自分の言葉で語る力があること、②これまでの仕事のやりかたや組織の振る舞いから“はみだす”勇気があること、③中間管理職として、若手育成や経営改革にも向き合おうとしていること、④“世代交代”を意識していること(3人とも私より若い!)です。

220217-1.png 北海道テレビの阿久津友紀さんは、現在、デジタル部門でご活躍中。ドキュメンタリストとして、自身の乳がん体験を題材とした番組として制作し、数々の賞を受賞した経験もお持ちです。デジタルメディアの運営の中では、「病気をしてもいきいきと働き、生きるためのコミュニティ」作りに奔走されていて、活発な姿は多くの人たちに勇気を与えています。


220217-2.png 伊藤隆行さんは、テレビバラエティの制作に携わる人にとっては、「伊藤P」でおなじみ。テレビ東京で「池の水ぜんぶ抜く大作戦」「モヤモヤさまーず」などヒット作を作るだけでなく、クリエイティブビジネス制作チームの部長として、社内の組織と組織、社外をつなぐ100を超えるプロジェクトを手掛けられています。バラエティ番組を通じて社会課題にいかに接近できるかという姿勢には、元報道番組のディレクターである私はいつも大きな刺激を受けています。


220217-3.png 葛城毅さんは、去年夏に富山局長になったばかり。NHKで若手に地域局長を任せるという人事改革を行ったのですがその一人です。2003年にNHKに入局したのでまだ40代半ばで、富山局の管理職は、ご本人によると自分より年上ばかり。かなりシビアな環境だということは想像に難くないですが、若手の職員と共に地域に出て、これまでのNHKに囚われないチャレンジをしていると聞いています。世代交代改革の実態を聞いてみたいです。

 今回は演出にも新たなチャレンジをしたいと思っています。放送業界の中だけで、こんな取り組みをしている、こんな課題に悩んでいるという議論だけでは、どうしても広がりに欠けてしまいがちです。業界の内向きの議論ではなく、社会・視聴者との開かれた対話で初めて改革の突破口が見えてくるのではないか。それを実際にシンポでやってみよう、それが、今回考えたコンセプトです。そのため、放送の専門家ではない多様な立場の方々に、様々な角度からコメントしていただいたり質問をぶつけていただいたりしたいと思っています。


220217-4.png 早稲田大学1年生、現在19歳の小澤杏子さん。小澤さんは高校生の時にユーグレナが募集したCFO(チーフ・フューチャー・オフィサー)を務め、今は大学生活とマルイの新任アドバイザーの二足の草鞋で頑張っています。SDGsに対する社会活動やZ世代としてのメディア接触から見えている既存メディアの姿はどのようなものなのか、今後、放送メディアに期待することは何か、など、ざっくばらんに伺ってみたいです。


220217-5.png ヨコグシスト®という肩書の伊能美和子さん。この肩書は、伊能さんご自身が作られたものです。伊能さんは、NTTグループという大組織で次々と新しい事業を立ち上げ、現在は数々の組織や大学に関わり、異業種をつなぎながら社会にポジティブなイノベーションを起こしていく、そんな生き方をしていらっしゃいます。大組織で社員が改革を起こすことの難しさと突破の秘訣、旧態依然とした組織でどうしたら腐らずしなやかに時代に向き合えるのか、利害が衝突しがちな競争関係にある事業者同士が連携していくための秘訣は何か、など、いろんなアドバイスがうかがえそうです。


220217-6.png 慶應義塾大学の山本龍彦さん。憲法学者としてデジタル時代の民主主義について積極的なご発言をされている山本さんは、いま総務省で行われている「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の構成員も務められています。ネットの情報環境を巡る様々な課題がある中、これまで信頼を培ってきた放送メディアの役割はこれまで以上に高まっている、ということを述べていらっしゃいます。では民放はそれをどうマネタイズしていくのか、NHKであればテレビを見ない人にもどう受信料を支払ってもらえるのか、理念と事業の両立はなかなか厳しい状況になっている中、現場の取り組みをお聞きいただきどんなメッセージをいただけるか、いまからとても楽しみです。

 どんな議論になるのか、モデレーターを務める私にも全く想像つきませんが、予定調和を排した活発なディスカッションベースのシンポを目指したいと思っています。参加してくださる皆さんにもチャットで参加していただける、多様な意見が交わる空間を作っていければと思っています。金曜日の夕方という忙しい時間ではありますが、是非ご参加ください。申し込み“絶賛受付中”です。 
 


文研フォーラムの詳細・申し込みはこちら↓↓をクリック
forum2022.jpg

文研フォーラム 2022年02月14日 (月)

#367 ニューノーマルの種を蒔く~東京2020パラリンピック放送のレガシーを考える~

文研パラリンピック放送研究プロジェクト 中村美子


 NHK 総合テレビで170時間。東京2020パラリンピック大会は、史上最大の放送規模となりました。1日当たりの放送時間数でみると、オリンピックとパラリンピックはほぼ同じです。大会期間中、研究者の立場を忘れ、一人の視聴者として連日パラリンピックの選手の活躍とそれを伝える放送に夢中になりました。

 文研のパラリンピック放送研究プロジェクトでは現在、放送の送り手研究、受け手研究を行う4人でインクルーシブな社会の構築に向けて放送の役割を調査研究しています。文研フォーラムでパラリンピック放送に関するシンポジウムを行うのは、2017年、2019年に続き3回目です。過去2回は、2012年ロンドン大会を契機にパラリンピック大会の放送が革新的に変化したイギリスの事例を取り上げながら、放送の役割を議論しました。
 今回は、日本に焦点を絞ります。シンポジウムの企画当初から、“放送はかくあるべき”という結論を求めるのではなく、放送の送り手がパラリンピック大会にどうアプローチしたのか、何を伝えたかったのかを知ることを目的にしました。

 シンポジウムの登壇者を紹介しましょう。

220214-11111.JPG

まず、NHKからは樋口昌之2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部副本部長です。2013年には早くも東京大会の放送の準備プロジェクト座長となり、2016リオデジャネイロ大会と2020東京大会のNHKのパラリンピック放送を指揮しました。




220214-22222.JPG
次に、衛星有料放送のWOWOWの制作現場から太田慎也チーフプロデューサーです。WOWOWは大会期間中の中継放送を行いませんでしたが、世界のパラリンピアンを取り上げたドキュメンタリー・シリーズ『WHO I AM』を2016年から放送し、テレビ業界やスポーツ社会学の研究者などの間で幅広く注目されました。



220214-33333.JPG



3人目は、30代若手作家の岸田奈美さんです。岸田さんは、NHKのパラリンピック中継放送にゲストとして出演しました。岸田さんの著作を読むと、これまでスポーツとの接点はあまりなかったようです。岸田さんのユニークな視点と発言が期待されます。




そして、今回パラリンピック放送を初めて行った地上民放キー局の皆さんには、事前にアンケート調査にご協力いただきました。シンポジウムの中で、民放のパラリンピック大会への姿勢をご紹介する予定です。


 シンポジウムの前半では、中核的な放送を行ったNHKの取り組みとリオ大会以後の変化を中心としたパラリンピック放送の全体像を、後半では放送にかかわった送り手がパラリンピック放送活動を通じて見出したこと、それを私たちは放送のレガシーととらえ、それぞれの意見や思いを語ってもらいます。

 東京2020大会は、新型コロナによるパンデミック禍というネガティブな状況にあっても、社会の多様性を推進していくポジティブな意味合いを持っていました。どちらにも共通するキーワードは、ニューノーマルです。自国開催となったパラリンピック大会を契機に、放送はこれまでの常識を破り、新しい常識を作ることができるでしょうか。シンポジウムを進めながら、皆さんと考えてみたいと思います。


文研フォーラムの詳細・申し込みはこちら↓↓をクリック
forum2022.jpg

文研フォーラム 2022年02月09日 (水)

#365 転換点を迎えた私たちの生活とメディア ~「国民生活時間調査 2020」から~

世論調査部(視聴者調査) 渡辺洋子


220209-22.jpg
我が家には、小学生の娘がいます。

休日の朝は、起きるとまず、リモコンを手にテレビのスイッチを入れます。
そして、ぼーっとソファーに寝ころびながら見ているのは、テレビ画面に映し出されたYouTube。

そんな娘の姿を眺め、どこかで見た光景だなぁと考えていて、
思い出したのは、20年近く前の弟の姿です。

休日に、昼頃起きて、まずリモコンを手にとります。
そしてソファーに寝ころび、見るのは、録画しておいたテレビのバラエティー番組。

YouTube動画とテレビ番組
見ているものは異なりますが、一連の動きはそっくりです。

メディア環境やデバイスの進化は大きいですが、
メディア利用の根底にある気持ちや行動は案外変わらないんだなと感じました。


NHK文研フォーラムプログラムF(3/4(金)13時~)では、
「国民生活時間調査」をはじめ、文研世論調査部が実施した最新の調査データから、
この25年の生活行動やメディア利用の変化やその背景について、
長年、メディアに関わる調査に関わってきた平田研究員と私(渡辺)が解説します。

現在、そして今後のメディア利用を考えるヒントとなるよう、
追加取材やインタビューも行っています。
さらに、今回のフォーラムで、初めてご紹介する調査データも!

いま、まさに準備中です。ぜひご参加ください。



文研フォーラムの詳細・申し込みはこちら↓↓をクリック
forum2022.jpg

文研フォーラム 2022年02月08日 (火)

#364 これからのメディアと、メディア研究を考える~文研75周年記念シンポジウム~

メディア研究部(番組研究) 宇治橋祐之


 NHK放送文化研究所(文研)は2021年に設立75周年を迎えました。1946年の設立時は東京・内幸町の放送会館内に置かれましたが、1948年6月に霞ケ関分館、1949年10月に目黒分室(品川区上大崎)に移ります。1955 年からは、現在は放送博物館のある東京都港区の愛宕山で50年近く調査・研究を行い、2002年1月に愛宕MORIタワーに移転して現在に至ります。

220208-111png.png 文研では、『放送研究と調査』などの研究誌で調査・研究の成果を継続して公表しており、1950年代以降の論文や調査報告等(短信やコラムを含む)の総数は約8,800本に上ります。1996年発刊の『文研50年のあゆみ』で、それまでの研究成果を整理していますが、今回新たに1996年以降の25年分の論文や調査報告等約3,500本の整理を行いました。

 研究成果をわかりやすく提示するために、『文研50年のあゆみ』と同様に「放送理論」「番組」「放送言語」「視聴者・世論」「世界の放送事情」など12の分類を行い、一覧にしています。詳細は、『NHK放送文化研究所 年報2022 第65集』に掲載している『放送研究からメディア研究への多様な展開―「調査研究文献総目録(1996~2020年度)の作成から―」をお読みください。

 この25年間の研究成果を概観すると、「全国個人視聴率調査」や「国民生活時間調査」などの基幹調査を継続して行う一方、放送のデジタル化やインターネットの普及に伴う人々の変化を捉える新たな調査、「東日本大震災」や「新型コロナ」などの予期せぬ出来事に対応した機動的な調査、まもなく100年を迎える放送の歴史や制度の検証、メディア環境の変化に対する国内外の最新動向の報告、放送用語の継続的な研究といった放送局の研究機関ならではの調査・研究を行ってきました。

 3/3(水)10:30~12:00に開催の文研フォーラム「これからのメディアと、メディア研究を考える~文研75周年記念シンポジウム~」では、これらの調査・研究の成果をもとに、社会学とくにメディアや教育におけるジェンダーの問題に詳しい村松泰子さん([公財]日本女性学習財団 理事長)、社会学・メディアスタディーズが専門の伊藤守さん(早稲田大学 教育・総合科学学術院教授)、メディア論・メディア技術史・文化社会学を研究する飯田豊さん(立命館大学 産業社会学部准教授)と、これからのメディアと、メディア研究のあり方を考えていきます。



文研フォーラムの詳細・申し込みはこちら↓↓をクリック
forum2022.jpgのサムネイル画像


文研フォーラム 2022年02月07日 (月)

#363 コロナ共生社会の課題~2020・2021世論調査報告~

世論調査部(社会調査) 村田英明


 新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されたのは2020年1月。あれから2年が経ちましたが、ウイルスは姿を変えながら、寄せては返す波のように何度も人類に襲いかかり、死者は国内で1万8千人余り、世界では500万人を超えました。ヒトからヒトへの感染を防ぐため、日常生活はもとより、社会のあらゆる活動が制限を余儀なくされ、まるで日本列島全体が大規模災害の被災地になったかのようです。宿主(ヒト)の中で生き延びるために変異を重ねる賢いウイルスの出現に、私たちは、なす術もなく、じっと我慢をしながら、事態が収束するのを待っています。
 自粛・自制の生活が長期化する中で、人々の暮らしへの影響や、行動や意識の変化を継続的に把握しようと、NHK文研・世論調査部では、感染拡大が始まったおととし(2020年)から「新型コロナウイルス感染症に関する世論調査」を実施してきました。調査の結果、約9割の人が感染拡大や変異ウイルスの登場を不安に思い、7割以上の人が生活に影響があると答えています。感染が拡大する前よりもストレスが増えたという人も約7割を占めています。特に”女性“や”子育てをしている人“、”非正規雇用“、”自営業者“などに、コロナ禍のしわ寄せが及んでいることがわかりました。医療に関しては、「医療崩壊」の不安を感じている人や、自分が感染した時に適切な治療を受けられるかどうか不安に思っている人が8割以上を占めていて、日本の医療体制の脆弱さが調査結果からも明らかになりました。
 3月2日(水)午後2時からオンラインで配信する文研フォーラム・プログラムB「コロナ共生社会の課題~2020・2021世論調査報告~」では、2020年と2021年に実施した2回の世論調査の結果を詳しくご報告するとともに、専門家をお招きして、新型コロナウイルスと共生していくための社会のあり方について考えます。
 パネリストは、社会保障など様々な政策をジェンダーの視点から分析している大沢真理さんと、家族や働き方などの問題を豊富な調査データを用いて分析している筒井淳也さんです。みなさんの参加をお待ちしています。

220202-1.png

文研フォーラムの詳細・申し込みはこちら↓↓をクリック
forum2022.jpg