文研ブログ

調査あれこれ 2020年01月14日 (火)

#227 保育園児と幼稚園児で異なる、幼児のリアルタイム視聴

世論調査部(視聴者調査)山本佳則

朝7時を過ぎると「早くご飯食べないと間に合わないよー」と妻の声が。
我が家の保育園児は、眠い目をこすりながら、パンを口に頬張り、保育園に出かける支度に追われ、妻と私も出勤の準備で家族全員がバタバタ。

厚生労働省が公表している「保育所等関連状況取りまとめ」によると、保育所等を利用する児童の数、いわゆる保育園児は261万人(平成30年)で、5年前(222万人)と比べておよそ40万人も増加しました。(一方で、文部科学省が公表した「文部科学統計要覧」によると、幼稚園児は121万人(平成30年)で5年前(156万人)と比べておよそ35万人減少しています。)

増え続ける保育園児・・かく言う我が家でも、朝ゆっくり子どもがテレビを見る時間もないなぁと思ったことから「うちの子どもだけなのだろうか、ほかのお子さんはどうなんだろう?」という問題意識が芽生えました。
昨年6月に行った「幼児視聴率調査」によると、保育園児が平日、家を出る時間のピークは午前7時ごろ~8時ごろ、幼稚園児は8時半ごろ~9時半ごろでした。また、帰宅時間は幼稚園児のおよそ8割が午後3時台に帰宅しているのに対し、保育園児は午後5時ごろから7時半ごろまで段階的に帰宅していることがわかりました。つまり、保育園児は幼稚園児に比べて外出時間が早く、帰宅時間が遅いのです。
次にリアルタイムのテレビ視聴について、保育園児と幼稚園児の視聴傾向を、平日30分ごとの視聴率で比較してみました。

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図1:保育園児と幼稚園児 テレビ総計の30分ごとの視聴率(平日)

朝の視聴の山について、保育園児が午前7時台、幼稚園児が8時~8時30分と違いがみられます。夕方は保育園児が午後6時~7時台、幼稚園児が4時~7時台と、幼稚園児は保育園児に比べて夕方の早い時間から始まり、夜間まで継続して視聴されていました。
次に保育園児と幼稚園児それぞれによく視聴されている番組で違いがあるかみてみました。

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表1:保育園児と幼稚園児  NHK・民放全体でよく見られている番組(放送時間10分以上)

上の表は、保育園児と幼稚園児で、視聴率が高い20番組をまとめたものです。
青く色塗りした番組が「土日朝」、赤く色塗りした番組が「平日夕方」に放送しているものですが、これをみると保育園児は「土日朝」の番組を、幼稚園児は「平日夕方」の番組を多く視聴していることがわかりました。また、視聴率の値を比べると、幼稚園児が保育園児よりも各番組の視聴率が高くなっています。

うちの子も保育園児、平日の夕方は帰宅が遅く、土日の朝に「アニメ おさるのジョージ」を見てるよなぁ。なるほど、今回の分析結果に納得してしまいました。

このほか、詳しくは『放送研究と調査』12月号でも報告していますので、そちらもどうぞご覧ください。