文研ブログ

メディアの動き 2023年10月17日 (火)

【メディアの動き】『1. 5℃の約束』,NHK 民放6局連動で放送,メディア自身の温暖化対策も紹介

 地球温暖化対策を考える番組『1.5℃の約束–いますぐ動こう,気温上昇を止めるために。(以下,1.5℃の約束)』が9月24日,NHK総合で放送された。NHKと民放のあわせて6局のアナウンサーが参加し,「地球沸騰化」といわれるほどの熱波や,山火事・洪水など地球温暖化の影響による被害が世界で相次いでいる現状,それに日本各地で行われている温室効果ガスの排出削減といった取り組みが紹介された。

 この番組は,2021年の「COP26」で「世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑える」という新たな決意を世界各国が表明したことをきっかけに,2022年から国連と日本のメディアが共同で始めた同名のキャンペーンの一環で,昨年に続き2回目の放送である。今年のキャンペーンには150を超える国内のメディアが参加しており,番組やウェブサイトなどで気温上昇を抑えるための対策などを視聴者や読者に伝えた。また,キャンペーンではメディア自身が地球温暖化対策を実践することを視野に入れている。こうした事業者が対策に取り組む「環境経営」は,他業種では積極的に導入されている。このため番組では,TBSのニュース番組『Nスタ』で2022年5月から原稿や進行表をタブレットに変えペーパーレス化を進めたことや,『1.5℃の約束』のセットの一部は廃棄物をリサイクルして作ったことなどが紹介された。

 地球温暖化の影響が深刻さを増す中,メディアには,これまでの「対策を伝える」役割だけでなく,「自ら積極的に排出削減に取り組む」という環境経営の推進がいっそう求められる。